事業情報

再処理事業の概要

再処理とは

貴重なウラン資源を有効利用するために

エネルギー資源に乏しい日本が、貴重なウラン資源をより有効に利用するために、原子力発電所の使用済燃料から再利用できるウランとプルトニウムを取り出すシステム、これを「再処理」と呼んでいます。

石油・天然ガスなど化石燃料は、一回燃やしてしまうと二度と燃料として利用することはできません。これに対してウラン燃料は3~4年間使うことができ、さらに再処理することで繰り返し利用することができます。

多くの原子力発電所で利用されている軽水炉では、主にウラン235からエネルギーを取り出していますが、ウラン238が中性子を吸収すると、ウラン238の一部がプルトニウムに変化します。このプルトニウムとまだ使えるウラン235を再処理して取り出し、ウラン燃料やMOX燃料(Mixed Oxide Fuel)の原料として使えるようにするのが再処理工場の役割です。つまり、再処理工場は「準国産エネルギー資源の創出の場」であるといえます。

再処理により回収したウランやプルトニウムを軽水炉で利用することにより1~2割のウラン資源節約効果が得られ、さらに将来的にプルトニウムの転換効率に優れた高速増殖炉でプルトニウムを利用することができれば、利用効率は格段に向上すると期待されています。

再処理の必要性
ウラン燃料の燃焼による変化と再処理

再処理工場について

当社再処理工場は、日本で初めての商業用再処理工場です。

我が国では、原子力基本法に基づき、「原子力の研究、開発及び利用を、厳に平和の目的に限る」(原子力委員会2005年策定「原子力政策大綱」)こととしており、当社再処理工場においても、核不拡散性に優れた技術(ウラン・プルトニウム混合脱硝)を採用しています。

再処理工場は工程毎に建屋が分かれており、各建屋は地下の洞道(トンネル)でつながっています。溶液は洞道(トンネル)の中を通る配管で次工程へ移送されます。
再処理工場の最大処理能力は、800トン・ウラン/年で、これは100万kW級原子力発電所約40基分の使用済燃料を処理する能力に相当します。

現在、アクティブ試験(使用済燃料を用いた試験)を実施しており、2024年度上期のできるだけ早期のしゅん工に向けて、最終的な安全機能や機器設備の性能を確認しています。

施設の所在地 青森県上北郡六ヶ所村大字尾駮字沖付
施設の概要
  • 年間の最大再処理能力 800トンU
  • 一日当たりの最大再処理能力 4.8トンU
  • 使用済燃料貯蔵設備の最大貯蔵能力 3,000トンU
用地面積 約390万m2
(高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センターを含む)
試験の概要