原子燃料サイクル
原子力発電について
原子力発電の特徴
燃料の安定供給が可能
原子力発電の燃料となるウランは、石油に比べて政情の安定した国々に埋蔵されていることから、資源の安定確保が可能です。
また、ウランは石油や石炭に比べて少ない燃料で発電できるため、輸送や貯蔵が容易です。 例えば、100万kW(キロワット)の発電所を1年間運転するのに必要な燃料は、火力発電では石油が155万トン必要となりますが、ウランなら21tですみます。7万分の1以下の量で、同じ量の発電ができることになります。
出典:一般財団法人 日本原子力文化財団 原子力・エネルギー図面集
原子力発電の特徴
発電時にCO2を排出しない
核分裂のエネルギーを利用する原子力発電は、発電時にCO2を排出しないため、太陽光発電や風力発電と同様に地球温暖化対策の一つとして有効な電源です。
出典:一般財団法人 日本原子力文化財団 原子力・エネルギー図面集
原子燃料サイクルの流れ
原子燃料サイクルとは
原子力発電で一度使用したウラン燃料(使用済燃料)は、処理することで、もう一度原子力発電の燃料としてリサイクルできます。
発電後の使用済燃料の中には、まだ使えるウランや原子炉内で新たに生成されたプルトニウムが含まれています。これらを再処理して取り出し、燃料として再利用することで、エネルギーを長期にわたり安定供給することができます。
このウラン燃料をリサイクルして利用する一連の流れを「原子燃料サイクル」といいます。
日本原燃では、原子燃料サイクルの確立を目指し、「ウラン濃縮工場」、「高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センター」、「低レベル放射性廃棄物埋設センター」の3施設を操業すると共に、使用済燃料をリサイクルするための「再処理工場」および「MOX燃料工場」の操業に向けて取り組んでいます。
放射性廃棄物の処分
放射性廃棄物の種類
放射性廃棄物は、原子力発電所の運転などにともない発生する放射能レベルの低い「低レベル放射性廃棄物」と、使用済燃料の再処理にともない再利用できないものとして残る放射能レベルが高い「高レベル放射性廃棄物」とに大別されます。
放射性廃棄物は、廃棄物の放射能レベル、性状、放射性物質の種類などに応じて適切に区分の上、合理的な処理・処分を行います。
また、原子力発電所の解体にともない発生する廃棄物の中には、放射性廃棄物として扱う必要のないものもあり、これらは再利用するか、産業廃棄物として処分されます。