世界の六ヶ所を目指して
事業を支える原動力は「技術力」「現場力」です。世界一のサイクル技術の獲得を目指して不断の努力を続けています。
技術開発
再処理工場のさらなる安全性・信頼性・経済性の向上を目指し、日々、技術開発に取り組んでいます。
技術開発研究所
【設置目的】
再処理工場の円滑な立ち上げおよび工場の安全で安定した運転による高稼働率を達成するため、以下の研究開発を行うことを目的として設置。
(1)再処理工場において重要な前処理機器の運転性に関する改良・開発
(2)稼働率、信頼性向上のための遠隔保守・補修技術の改良・開発
(3)再処理工場運転支援のための運転技術の改良・開発
【施設概要】
・しゅん工:1995年10月
・場 所:再処理事業所敷地内
・建屋規模:試験棟(地上6階建)、解析棟(地上3階建)
【主な研究内容】
化学・材料試験
・未知試料の構成元素同定
・表面観察
・腐食試験
・水試料の成分分析
化学試験作業
表面観察
分析作業
腐食試験
再処理工場の運転・保守に関する改良・開発
・前処理機器の運転性に関する改良・開発
・遠隔保守・補修技術の改良・開発
・運転技術の改良・開発
ガラス固化技術開発施設
【設置目的】
ガラス固化技術の更なる信頼性の向上を図るため、新型ガラス溶融炉における各種試験などの研究・開発および遠隔操作の試験ならびに運転員等の技術習熟度訓練を行うことを目的として設置。
【施設概要】
・しゅん工:2013年10月
・場 所:分析室敷地内
・建屋規模:約90m×約55m(地上5階建)
【主な研究内容】
ガラス固化技術に関する研究開発
・新型ガラス素材の開発(経済産業省委託事業)
・ガラス固化メカニズム検討
・模擬ガラス固化体の作製・分析・観察
・ガラスの耐水性確認試験
ガラス固化技術開発施設外観
模擬ガラス固化体の作製作業
模擬ガラス固化体
新型ガラス溶融炉開発
新型ガラス溶融炉のモックアップ試験
新型ガラス溶融炉外観
流下ガラスのサンプリング
教育訓練
再処理工場を安全かつ安定的に運転していくためには、現場で働く社員の技術・技能の維持・向上が不可欠です。そのため、再処理工場敷地内に保修訓練施設を設置し、実際に工場で使用されている設備・機器と同等の設備を用いて機器の分解や組立などを行う訓練や万が一トラブルによって放射性物質による汚染が発生した場合の被害の拡大防止を図るための除染訓練など、さまざまな訓練を長期的かつ継続的に実施し、世界最高レベルの技術・技能を有した人材の育成に努めています。
保修訓練施設(鳥瞰図)
ポンプ保修訓練
横型ポンプ、竪型ポンプ、キャンドポンプを分解し、消耗品の交換や部品の手入れを実施したうえで、再度組立を実施します。
送排風機保修訓練(ルーツ型)
送排風機の分解点検、各部の手入れと計測、消耗品の交換および組立の実技訓練を行い、最後に分解点検結果を試運転により確認します。
遠心型排風機保修訓練
遠心型排風機に取付けられているVベルトの取外し、取付けを実施します。また、適正な張力であるか確認を行います。
グローブボックス取扱訓練
グローブの点検および作業後の手の抜き方、バックイン・バックアウト作業、グローブの交換作業、グローブ破損時の初動行動について、実技を通して学びます。
除染訓練
汚染の拡大防止のために作業エリアに仮設されるグリーンハウスの組立・解体作業、ストレーナ等の機器の点検・交換に伴う汚染拡大防止措置と除染時の注意事項等を学びます。
過去の教訓を未来へ
過去のトラブルで損傷した機器を反省と教訓のため「負の遺産」として、保修訓練施設の一角に展示しています。二度と同様のトラブルを起こさないという強い決意を持ち、日々、訓練に取り組んでいます。
「負の遺産」展示コーナー
発火した電源ユニット