当社の取組み

再処理工場の主な安全性向上対策のための準備工事状況について

2022年12月更新

再処理工場は2024年度上期のできるだけ早期のしゅん工に向け、今後、本格的な安全性向上対策工事が行われます。
現在、本格工事に向けた様々な準備工事を実施しており、その概要について、ご紹介いたします。

準備工事の概要

1. 防火帯

(2022年11月現在)

外部火災対策

敷地周辺で発生した森林火災等の外部火災が、敷地内の建屋などに延焼しないように、燃えるものが全くない帯状(幅約27m・全長約8km)の防火帯を設置します。

2. 使用済燃料受入れ・貯蔵施設冷却塔

竜巻対策

竜巻(最大風速100m/s)による飛来物から冷却塔を守るため、飛来物防護ネットを設置します。
飛来物防護ネットの基礎を設置するため、冷却塔周囲の地盤の掘削を開始しています。

3. 再処理設備本体 冷却塔移設

竜巻対策

前処理建屋屋上に設置している冷却塔は、耐震上、防護ネットを設置できないことから、冷却塔を地上に新設のうえ、竜巻(最大風速100m/s)による飛来物から冷却塔を守るため、防護ネットを設置します。
冷却塔基礎および飛来物防護ネットの基礎を新設するため、地盤の掘削を開始しています。

4. 主排気筒

主排気筒に鋼鉄製の防護板を設置
(屋外ダクト、屋外配管、排気モニタ)
(2022年9月現在)

竜巻対策

竜巻(最大風速100m/s)による飛来物から主排気筒を守るため、飛来物防護板を設置します。

5. 二又川A・尾駮沼Aアクセスルート

重大事故対策

重大事故対策の対処に必要な冷却水を確保するため、敷地外水源の尾駮沼または二又川から水を移送(ホース敷設)するための道路(アクセスルート)を整備します。(完成予定時期 2020年9月末)

6. 尾駮沼B取水点

重大事故対策

重大事故対策の対処に必要な冷却水を確保するため、敷地外水源の尾駮沼から水を移送(ホース敷設)するための取水場所を整備します。(2018年11月30日 しゅん工)

7. 尾駮沼Bアクセスルート

重大事故対策

重大事故対策の対処に必要な冷却水を確保するため、敷地外水源の尾駮沼から水を移送(ホース敷設)するための道路(アクセスルート)を整備します。(2019年1月31日 しゅん工)

8. 緊急時対策建屋

重大事故対策

支援組織の拠点として、重大事故等の発生時に対策要員が活動する耐震構造の緊急時対策建屋を新設します。
現在、建物躯体の鉄筋コンクリート工事が概ね完了し、各種機器装置の据付け、配管配線工事等を行っています。

9. 第2保管庫・貯水所

重大事故対策

重大事故対策の対処に必要な冷却水を確保するため、貯水槽(20,000m3)を設置します。
現在、建物躯体の鉄筋コンクリート工事が概ね完了し、各種機器装置の据付け、配管配線工事等を行っています。

10. 第1保管庫・貯水所

重大事故対策

重大事故対策の対処に必要な冷却水を確保するため、貯水槽(20,000m3)を設置します。
現在、建物躯体の鉄筋コンクリート工事が概ね完了し、各種機器装置の据付け、配管配線工事等を行っています。

11. 精製建屋屋外ダクト

竜巻対策

竜巻(最大風速100m/s)による飛来物から屋外ダクトを守るため、飛来物防護板を設置します。
建屋壁面の屋外ダクトを覆う鉄骨架構を組み上げ中です。

12. 試薬建屋薬品貯槽(地下化)

外部火災対策

航空機墜落火災によって、地上にある薬品貯槽が熱影響を受け、大きな火災や爆発を引き起こさないよう、試薬建屋外などにある3つの薬品タンク(硝酸ヒドラジン受入れ貯槽ほか)を新たに地下に移設します。
現在、薬品タンクを地下に移設するための掘削と薬品タンクを収納する躯体工事・据付作業を終えています。
今後、地下タンク貯蔵所の工事と配管の設置などを進めていきます。

13. 非常用電源建屋冷却塔

安全冷却水系冷却塔に鋼鉄製の防護板と防護ネットを設置
(第2非常用ディーゼル発電機)
(2022年9月現在)

竜巻対策

竜巻(最大風速100m/s)による飛来物から冷却塔を守るため、飛来物防護ネットを設置します。

14. 分離建屋・高レベル廃液ガラス固化建屋 屋外ダクト

竜巻対策

竜巻(最大風速100m/s)による飛来物から屋外ダクトを守るため、飛来物防護板を設置します。
建屋壁面の屋外ダクトを覆う鉄骨架構を組み上げ中です。

<参考>重大事故対策等、設置機器・車両など

1. 共通電源車

電源喪失対策

外部電源が喪失した際に、再処理工場の安全確保に必要な電力を供給するために配備します。

2. 防火ダンパ

内部火災対策

隣接する他の火災区域(注1)への影響を軽減するため、3時間以上の耐火能力を有する耐火壁(注2)を設置します。

  • 注1 火災区域:火災及び爆発の影響軽減対策が必要な安重機能を有する機器等及び放射性物質貯蔵等の機器等を設置する区域
  • 注2 耐火壁:防火ダンパの他、耐火隔壁、耐火シール、防火戸等

3. 堰

内部溢水対策

溢水、薬品の漏えいにより、再処理施設の安全機能に影響を及ぼす恐れのある設備に対し、影響を防止するために設置します。

4. 大型移送ポンプ車

電源喪失対策

使用済燃料貯蔵プールにおける大規模漏えいや、大規模損壊時の建屋放水等の対応が発生した場合などに、対応に必要な水を移送するために配備します。

5. ホイールローダ

電源喪失対策

アクセスルート等において、地震等による障害物が発生した場合に、障害物を除去するために配備します。

6. 可搬型空気圧縮機

水素爆発対策

既設の空気圧縮機が停止した場合でも、高レベル廃液貯槽内での水素滞留、水素濃度の上昇を防ぐために設置します。

7. 凝縮器

蒸発乾固対策

高レベル廃液等を内包する貯槽の冷却機能が喪失し、高レベル廃液等が沸騰に至った際に発生する放射性物質を含む蒸気を冷却して、凝縮水として回収し、放出する放射性物質を抑制するために設置します。

再処理施設の状況(2020年7月28日現在)

1. 前処理建屋(2020年7月28日撮影)

2. 分離建屋(2020年7月28日撮影)

3. 精製建屋(2020年7月28日撮影)

4. 第1ガラス固化体貯蔵建屋(2020年7月28日撮影)

5. 非常用電源建屋、高レベル廃液ガラス固化建屋、前処理建屋、使用済燃料受入れ・貯蔵建屋ほか(2020年7月28日撮影)