廃棄物管理事業の概要
廃棄物管理事業とは
電気事業者(9電力会社・日本原子力発電(株))は、原子力発電所から発生する使用済燃料の一部を、フランスおよびイギリスの再処理工場に委託して再処理しています。
再処理し分離されたウランやプルトニウムは、原子燃料として再利用するため電気事業者に返還され、同時に発生する放射性廃棄物も返還されます。
この放射性廃棄物のうち高レベル放射性廃棄物は、安定した形態に固化したガラス固化体として返還されます。
返還されたガラス固化体は、六ヶ所村の高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センターで、最終的な処分に向けて搬出されるまでの30~50年間冷却・貯蔵されます。
ガラス固化体の輸送は、1995年4月から開始され、2007年3月末までに1,310本がフランスより返還されています。フランスからのガラス固化体の返還は終了し、2010年3月からイギリスからガラス固化体の返還が開始されています。
また、放射能レベルの低い廃棄物(低レベル放射性廃棄物)も返還されることになっています。
「海外からの返還廃棄物の受入れ」の概要
高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センターについて
高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センターは、フランスおよびイギリスから返還されるガラス固化体を最終処分するまでの間、冷却のために貯蔵する施設です。
海外での再処理に伴い発生した廃液中の放射性物質は、溶融ガラスと混ぜ合わせ容器に封入し固化されます。これをガラス固化体と呼びます。ガラス固化体は輸送容器(キャスク)に収納され海上輸送されます。
その後、ガラス固化体が安全に貯蔵管理できるものであることを確認するための検査・測定が行われ、貯蔵建屋に貯蔵します。
貯蔵区域や検査室は、厚さ約1.5~2mの鉄筋コンクリート壁で囲まれ、放射線を遮へいしています。
施設の所在地 | 青森県上北郡六ヶ所村大字尾駮字沖付 |
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施設の概要 |
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鳥瞰図 |
廃棄物管理施設(ガラス固化体受入れ建屋およびガラス固化体貯蔵建屋)の安全性向上対策のための工事状況について(2020年7月28日現在)
廃棄物管理施設(ガラス固化体受入れ建屋およびガラス固化体貯蔵建屋)の安全性向上対策のため、屋根トラス※に補強材(鉄骨)を取り付ける耐震補強工事を実施します。
現在、耐震補強工事を行うための足場を設置しています。また、作業場所に干渉する照明の移設を行っています。
※ トラス:建屋の天井・屋根の荷重を支持している部分。