事業情報
【B情報・C情報】
2021年4月2日掲載、2021年8月27日原因および再発防止対策掲載
再処理工場 前処理建屋(管理区域外)

再処理工場 前処理建屋の安全蒸気ボイラAの機能喪失および当社運転員の負傷(管理区域外)の原因と対策について

 2021年4月1日(木)に発生した再処理工場 前処理建屋における安全蒸気ボイラAの機能喪失および当社運転員の負傷について、その後、本事象が発生した原因について調査を行ってまいりましたが、本日、原因調査結果および再発防止策を取りまとめましたので、お知らせします。

1.安全蒸気ボイラAの機能喪失の原因と対策(B情報)

【原因】

 今回発生した事象の原因について調査した結果、安全蒸気ボイラAへの純水供給系統バイパス弁の蓋押さえナット部に破損箇所(ひび割れ)が確認されました。
 蓋押さえナット部の破損の原因は、ハンドルに工具(ハンドル回し)を使用したような塗装の剥離が確認されたため、工具の使用により、当該弁を締めすぎたことで、蓋押さえナット部へ想定外の応力が加わり、時間の経過とともにひび割れが進行し、破損に至ったものと推定しました。

【再発防止策】

2.当社運転員の負傷の原因と対策(C情報)

【原因】

 滴下について運転員から報告を受けた統括当直長および当直長は、運転員に「まずは現場を目視で確認し速やかに報告するよう」指示すべきところ、「漏えい箇所を特定するように」という曖昧な指示をしていました。
 指示を受けた運転員は、目視での確認が困難であったことから、漏えい箇所特定のために、自らの判断で停止していた給水ポンプを起動させたことにより、弁部から予期せぬ純水の飛散が発生しました。<「当直における情報伝達」に関する原因>
 その際、純水が飛散するリスクを考慮しておらず、不十分な離隔距離で保護メガネも装着していなかったことにより、純水が眼に付着し負傷しました。<「運転員における基本動作」に関する原因>

【再発防止策】

 確認した原因に対して、以下の主な再発防止策を実施しました。

<「当直における情報伝達」に関する原因の対策>

<「運転員における基本動作」に関する原因の対策>

【指示】

【ルール化】(5/28ルール改正、6/1施行)

<その他の対策>

2021年4月2日にお知らせした内容

 2021年4月1日(木)12時44分、前処理建屋の安全蒸気A室※1(管理区域外)における安全蒸気ボイラ※2Aの起動確認試験の実施後、当社運転員が、安全蒸気ボイラAに純水を供給する系統から漏えいしていることを確認しました。
 当社運転員が漏えい箇所を詳細に確認したところ、供給系統にある弁が破損していることを確認し、13時31分、統括当直長が安全蒸気ボイラAの機能喪失と判断しました。(B情報)
 安全蒸気ボイラBについては、15時34分に健全であることを確認しており、安全上の機能は維持していることを確認しております。
 なお、供給系統にある弁が破損した原因については現在調査中です。
 また、当社運転員のうち1名が漏えい箇所を詳細に確認した際に、飛散した純水が目に入り痛みを訴えたことから、社外医療機関へ搬送しました。(C情報)
 社外医療機関の診断の結果、「右目炎症、角膜びらん(不休傷)」と診断されました。
 なお、現場は管理区域ではないため、放射性物質による汚染はありません。

  • 安全蒸気A室:
    安全蒸気ボイラAを設置している部屋。(管理区域外)
  • 安全蒸気ボイラ:
    セル内で漏えいした液を安全に移送するための回収装置(スチームジェットポンプ:蒸気を利用して送液するポンプ)に蒸気を供給するボイラであり、一般蒸気設備が使用できない場合に用いる設備。(A系/B系の2系列)
以上