ウラン濃縮工場 モニタエリア(管理区域内)手洗いシンク付近からの水の漏えいについて(原因と対策)
2023年4月13日に発生しました、ウラン濃縮工場の電気温水器の配管の水抜き弁(温水供給ラインドレン弁)が開いていたことによるモニタエリア(管理区域内)手洗いシンク付近からの水の漏えいについて、今般、原因と対策を取りまとめました。
【原因】
4月13日に電気温水器へ水を供給するため、補給水配管元弁を開けた際、本来「閉」であるべき電気温水器の配管の水抜き弁(温水供給ラインドレン弁)が「開」となっていたことで、漏えいしたものと推定しています。
当該水抜き弁が、「開」となった経緯については、弁の操作履歴の確認や、操作した可能性がある当社社員や協力会社社員へ聞き取り調査を行ったものの、当該水抜き弁が図面に記載されておらず、かつ所掌が不明確で、管理されていない弁であったことから、特定には至りませんでした。
調査の中では、同年3月9日に電気温水器の年次点検を行った際にも、補給水配管元弁を開けていたことを確認しており、その際同様に当該水抜き弁から水が漏えいしていたものと推定しています。
年次点検の際を含め、当該水抜き弁が「開」となっていたことに気づけなかった原因は、以下の5点であると考えています。
- 当該水抜き弁はレバーハンドルタイプの動作しやすい構造で、何らかのはずみで接触した場合、接触した本人が弁を操作した自覚を持てない状況であったこと。
- 当該水抜き弁が図面に記載されておらず、かつ所掌が不明確で、管理されていない弁であったことから、点検後の系統確認の中で当該水抜き弁の確認がなされなかったこと。
- 点検の中で、電気温水器の内圧が上がらない事象を確認していたものの、機械保全課員の知識・経験不足により、圧力計の不具合と誤った判断をしたこと。
- 点検を実施した機械保全課員が、電気温水器の内圧が上がらない事象について、不適合登録および点検作業終了時に関係部署への共有を行っていなかったこと。
- 点検を実施した機械保全課員が、報告書の記載方法を誤ったこと。
【再発防止対策】
当該水抜き弁の所掌が不明確であり、設備を管理できていなかったことから、当該水抜き弁を図面に記載し、所掌を運転管理課とすることで、設備管理を是正しました。
その上で、当該水抜き弁が「開」となっていたことに気づけなかったことに対しては、以下の対策を行います。
- レバーハンドルのハンドル部分を取り外すことで、意図せず弁が操作されないようにしました。
- 図面に当該水抜き弁を記載し、所掌を運転管理課とすることで、系統確認の点検対象となる様、設備を管理することとしました。
- 今回の事象に関する周知・教育を機械保全課員に実施し、経験の浅い社員が不具合対応する際に上位職が現場で確認することをマニュアルに反映しました。
- 不適合登録に関する社内ルール、点検作業終了時における引継ぎに関する再教育を機械保全課員に実施しました。
- 点検結果の記載方法に関する教育を機械保全課員に実施しました。
<添付資料>
2023年4月14日にお知らせした内容
4月13日(木)18時08分頃、ウラン濃縮工場ウラン濃縮建屋(管理区域内)の1階モニタエリアにおいて、現場巡視中の当直員が、手洗廃水配管溝から水が溢れていることを確認しました。
事象発生後、現場確認を行ったところ電気温水器の配管の水抜き弁が開いていたことによる放射性物質を含まない水の漏えいを確認したことから、速やかに当該弁を閉止し、漏えいを停止させました。
漏えい量は約1,000リットルと推定しています。
本事象による周辺環境への影響はありません。