【B情報】
2020年7月22日掲載、2020年11月9日原因および再発防止対策掲載
高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センター
高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センターにおける換気設備停止の原因と対策について
2020年7月21日(火)に発生した高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センターにおける換気設備の停止について、その後、本事象が発生した原因について調査を行ってまいりましたが、本日、原因調査結果および再発防止策を取りまとめましたので、お知らせします。
【原因】
今回発生した事象について調査した結果、以下の主な直接原因が確認されました。
- 設備管理部署が発行した作業指示書※1が、操作実施時の送・排風機の運転状態を考慮した適切な作業指示ではなかったこと。
- 運転員は、蒸気加熱コイルの交換に伴う送・排風機の停止操作において、運転手順書※2および作業指示書※1に基づき送・排風機の停止、運転モードの切替え操作を行ったが、運転手順書※2が「両系※3の運転モードを「遠隔自動」から「現場手動」に切替えた場合、送・排風機が停止する」という送・排風機の制御ロジック※4を認識しにくい構成であったため、そのリスクに気付かずに操作を実施したこと。
また、直接原因について要因分析を実施した結果、以下の主な背後要因が確認されました。
- 「両系を「現場手動」に切替えた場合、送・排風機が停止する」旨のリスクが設備管理部署で共有されておらず、作業指示が適切に実施できなかったこと。
- 運転手順書の本文には、「両系を「現場手動」に切替えた場合、送・排風機が停止する」と記載されていたが、個別手順には記載されていないという不備があったこと。
【再発防止策】
確認した原因に対して、以下の主な再発防止策を実施しました。
- 定期的に実施している周知教育の資料に、本事象の事例や原因を追記。(10月28日改正済)
- 設備管理部署において、運転手順書の改正内容の教育、本事象および建屋換気設備の制御ロジックに関する教育、作業指示書作成時における確認事項および留意事項に関する教育を実施。(10月28日実施済)
- 運転手順書の個別手順に操作上の注意事項を追記するとともに、本文に記載していた注意事項についても、容易に目に付くよう記載を見直し。(9月11日改正済)
- 運転操作の段階において、操作上の注意事項に気付ける機会を増やす観点から、監視制御盤の換気設備運転操作画面に注意喚起表示を追加。(7月28日実施済)
また、直接原因について要因分析を実施した結果、以下の主な背後要因が確認されました。
- 「両系を「現場手動」に切替えた場合、送・排風機が停止する」旨のリスクが設備管理部署で共有されておらず、作業指示が適切に実施できなかったこと。
- 運転手順書の本文には、「両系を「現場手動」に切替えた場合、送・排風機が停止する」と記載されていたが、個別手順には記載されていないという不備があったこと。
今後、更なる改善として、誤った運転モード変更が行われないよう、換気設備の設備改造を検討してまいります。
【水平展開】
再処理事業部関係部署に対し、本事象の内容を周知するとともに、同様事象の発生リスクがないか、以下の観点で水平展
開調査を実施した結果、いずれも該当がなく問題がないことを確認しました。
- 非管理区域※1の系統の操作により、管理区域の系統が影響を受ける制御ロジックを有する建屋換気設備がないこと。
- 運転手順書のうち、操作時に使用する個別手順に操作上の注意事項等の記載漏れがないこと。
- 隔離※2の対象が不明確な作業指示書がないこと。
2020年7月22日にお知らせした内容
7月21日(火)14時25分、高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センターにおいて、換気設備の蒸気加熱コイルの定期交換を行うため、非管理区域の送排風機の停止操作を実施していたところ、ガラス固化体受入れ建屋※1およびガラス固化体貯蔵建屋※2の検査室送排風機ならびに管理区域送排風機※3が全台停止し、正圧となりましたが、18時39分に検査室送排風機ならびに管理区域送排風機※3が全台復旧し、18時47分に負圧が維持されていることを確認しました。 停止した原因については、送排風機の停止操作に問題があったと認識しており、今後詳細について調査してまいります。
なお、ガラス固化体は自然通風により冷却されていることから、換気設備の停止による冷却機能への影響はありません。
また、ガラス固化体受入れ建屋およびガラス固化体貯蔵建屋のサーベイの結果、本事象での放射性物質による汚染がないこと、モニタリングポストの指示値に異常がなく、環境への影響がないことを確認しています。
以上