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輸送方法

 原子燃料等の輸送物は、船舶による海上輸送、トラックなどによる陸上輸送などで運ばれます。海外から輸送される天然六フッ化ウランの場合、陸揚げされた後、濃縮工場まで陸上輸送されます。使用済燃料は、多くの場合、原子力発電所から再処理工場へ海上輸送されます。

 また、原子燃料輸送物は、車両または船舶などへの積載方法、積載量などについて厳しく制限されています。輸送容器は、設計が技術的基準を満たしていることの審査を受け、製作段階では設計どおりに製作されていることが確認されるなど、安全性が国によってチェックされます。

 輸送経路等の選び方も、安全輸送の重要な要素です。事前に輸送経路を十分調査し、輸送日時、経路、車両の速度、車列の編成等を適切に選定し、より安全な輸送を確保します。

 もちろん、輸送中の核防護にも万全を期しています。安全性はもちろん、核物質が盗まれたりすることがないように対策がとられています。核物質が入った容器は簡単に開けられないように施錠、封印などで厳重に管理されています。

陸上輸送

一般公衆に対する安全確保をより確実にするため、核分裂性輸送物の輸送に対しては、積載車の前後に伴走車を配備して、輸送隊列を編成のうえ輸送します。車両には無線機、自動車電話等を備え、他の車両や輸送本部と常時連絡をとりながら安全を確認します。輸送隊列には指揮をとる運行責任者の他に、放射線管理の専門技術者等が同行します。

隊列輸送は連絡通報体制の整備と合わせて、核物質防護上の観点から大切な措置となっています。

※原子燃料等の輸送物は、その中に収納される原子燃料の放射能の量が少ない順にL型、A型、B型の三つに区分されます。他に、特に放射能の濃度が低いものや、表面のみが放射性物質により汚染されたものを収納するためのIP型輸送物があります。さらに、臨界安全性を確保する必要のある輸送物(核分裂性輸送物)と必要のないものの区別があります。

海上輸送

使用済燃料、プルトニウムおよび高レベル放射性廃棄物の海上輸送には、法令の条件を満たした専用の輸送船が使われます。専用の輸送船は、万一の衝突などを考慮して船体の底面や側面を二重構造にしたり、衝突を未然に防止するシステムなどの安全対策が講じられています。

また、海上輸送においても、陸上輸送の場合と同様の目的で、核分裂性輸送物を積載した船舶に対し、港湾内等において巡視船が警備に当たります。

使用済燃料専用輸送船の内部構造