発表•お知らせ
2020年12月1日

全社防災訓練の実施について

 当社は、本日、原子力災害対策特別措置法に基づき、全社防災訓練を実施しましたのでお知らせいたします。
 この訓練は、毎年度、原子力事業者防災業務計画に基づき、全社対策本部および事業部対策本部の組織が原子力災害の発生および拡大防止に有効に機能することを確認する目的で行っています。
 今回の訓練は、地震の発生(六ヶ所村最大震度6強)を起因として、4事業(再処理工場、高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センター、低レベル放射性廃棄物埋設センター、ウラン濃縮工場)が同時に被災することを想定し、重大事故の発生防止や拡大防止のための対応手順の確認を行うとともに、社外に対する迅速・確実な通報連絡の確認を行いました。
 なお、4事業が同時に被災することを想定した訓練は、2018年2月以来となります。

 今回の訓練は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止対策として、全社対策本部および事業部対策本部の十分な換気対策を講じた上で、マスクの着用、検温システムによる体温測定、手指のアルコール消毒等の徹底を行いました。
 なお、今回は、自治体や電力関係者のご視察および報道関係者のご取材等を中止させていただき実施しました。

【全社防災訓練の概要について】

  1. 日 時 2020年12月1日(火) 9時30分~15時00分
  2. 場 所 再処理事業所、濃縮・埋設事業所、事務本館、青森地域共生本社、東京支社
  3. 参加者 増田社長はじめ、合計約800名
    [内訳]
    再処理事業所 約450名
    濃縮事業所 約150名
    埋設事業所 約100名
    事務本館 約80名
    青森地域共生本社 約10名
    東京支社 約10名
    評価者(社外)4名
  4. 主な内容

    【再処理事業所】

    (再処理工場)
     再処理工場の外部電源が喪失すると共に火災が発生し、重大事故のうち「蒸発乾固※1」や「水素爆発※2」等の発生を想定し、以下のような作業を実施しました。
    〇屋内アクセスルートの確認作業
    〇使用済み燃料貯蔵プールの水位測定作業
    〇水素爆発の防止対策として、圧縮空気手動供給ユニットからの圧縮空気供給作業(模擬操作)
    〇蒸発乾固、水素爆発の拡大防止対策の一部実施(隔離弁操作、可搬型セル導出ユニット流量計・差圧計設置、ダンパ閉止等の模擬操作)
    現場における負傷者の発生(汚染あり)による救護作業
    構内での火災発生による消火作業(火災は模擬)

    • 蒸発乾固:
      安全冷却水系の機能が喪失すると貯槽内の溶液(廃液や溶解液)の温度が上昇し溶液が沸騰する。沸騰により揮発した放射性物質が発生または溶液温度が120℃まで上昇する事象。
    • 水素爆発:
      貯槽内の溶液(廃液や溶解液)中に含まれる水が放射線により分解され水素が発生する。その水素が貯槽内に溜まることにより、水素濃度が上昇し爆発する事象。

    (高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センター)
     高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センターでは、ガラス固化体の受入れ検査中にガラス固化体が検査室内床面に落下し、ガラス固化体の破損による放射性物質の外部への放出を想定し、以下のような作業を実施しました。
    〇破損したガラス固化体についてのハンドリング等の処置対策の検討
    〇北換気筒線量上昇を想定し、放出量確認のためのろ紙測定作業
    〇建屋換気設備の運転停止、目張り(模擬操作)による、施設外への放射性物質の放出抑制対策

    【濃縮事業所】

     濃縮工場内の2号発回均質棟にある液化中の均質槽等に損傷が発生し、放射性物質の屋外への漏えいを想定した以下のような作業を実施しました。
    〇消防自動車によるウラン濃縮建屋 中央操作棟および2号発回均質棟への放水作業
    〇ウラン濃縮建屋 2号発回均質棟内の損傷した均質槽等への応急対策作業

    【埋設事業所】

     外部電源が喪失(ブラックアウト)したことを想定し、低レベル廃棄物管理建屋の検査室において、廃棄体搬送装置上の廃棄体が落下する事象が発生するとともに、安否確認により施設内に不明者が発生することを想定し、以下のような作業を実施しました。
    〇事象収束訓練
    〇避難誘導訓練
    〇放射線モニタリング訓練

【今回の訓練に対する当社のコメント】

 新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止対策をしっかりと講じたうえで、いついかなる状態でも確実に対応できるよう、今後も様々な事象を想定した訓練を繰り返し行い、地域の皆さまに安心していただけるよう、災害時・非常時の対応力、技術力の強化を図ってまいります。

〇全社対策本部の様子(事務本館)

 重大事故の発生を踏まえ、社長の増田が本部長を務める全社対策本部を立ち上げ、情報収集や重大事故対策の対応の指揮をとりました。

※対策要員約80名が参集した全社対策本部

 

〇各事業部対策本部の様子

 重大事故の発生を踏まえ、各事業部長が本部長を務める事業部対策本部を立ち上げ、情報収集や重大事故対策の対応の指揮をとりました。

■再処理事業部 緊急時対策室

 

■濃縮事業部 緊急時対策室

■埋設事業部 緊急時対策室


〇車両火災の消火対応(ボイラー用燃料受入れ・貯蔵建屋付近)

 ボイラー用燃料受入れ・貯蔵建屋付近で車両火災が発生したと想定して、自衛消防隊が出動し、消火専門隊が大型化学高所放水車を使用した放水による火点の泡消火(水放水)を実施し、消火班は周囲の可燃物の防御散水を実施しました。


〇新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止を徹底した訓練の様子

 全社対策本部への全入室者に対して検温システムによる体温測定を実施し、参加者全員へマスク着用を徹底しました。また、中央席着席者以外はフェイスシールドを着用したほか、換気のための大型扇風機の設置など感染拡大防止対策を十分に行ったうえでの訓練を実施しました。


※動画はこちらをご覧ください


<参考①:各事業部で実施しているその他の主な訓練>

<参考②:定例記者懇談会配布資料へのリンク>

※本資料の写真が必要な場合はお問合せ願います。

以上