発表•お知らせ
2025年11月21日

再処理工場 協力会社社員の放射性物質の体内取り込みのおそれについて(評価結果)

 10月27日(月)にお知らせした協力会社社員の放射性物質の体内取り込みのおそれについて、バイオアッセイ法※1による評価の結果、3名とも記録レベル※2(2mSv)を超える内部被ばく※3はなく、身体に影響を与えるものではありませんでした。

  • バイオアッセイ法とは、排泄物に含まれる放射性物質を測定することにより、体内に取り込まれた放射性物質の量を推定する方法。
  • 記録レベルとは、ICRP(国際放射線防護委員会)によって定義され、「これを超えたら、その結果が記録されるべきであり、これより低い値は無視される」というレベルとして用いられるもの。<参照:ICRP Publication 78>
  • 内部被ばくとは、体内に取り込まれた放射性物質から受ける被ばくを言い、線量は放射性物質が体内に取り込まれてから50年にわたって受ける量(預託実効線量)を評価する。(職業被ばくの場合)

【概要】

 10月24日(金)11時10分頃、ウラン・プルトニウム混合脱硝建屋 塔槽類廃ガス処理室において、高性能粒子フィルタの交換作業をしていたところ、作業エリア内の放射線環境を測定しているダストモニタの指示値の上昇を確認しました。
 そのため、当該エリアで交換作業を行っていた協力会社社員3名に対して鼻スミヤを実施し、1名からα線を放出する核種が検出されました。放射性物質の体内取り込みのおそれが発生したことから、3名の内部被ばくの有無をバイオアッセイ法で確認しました。その結果、3名とも記録レベル(2mSv)を超える内部被ばくはありませんでした。

【原因と対策】

<作業上の問題点について>

 高性能粒子フィルタの交換作業時に使用する放射性物質を閉じ込めるためのビニルバッグの溶着不良により、ビニルバッグの上部と下部に穴があいて、放射性物質が拡散しダストモニタの指示値が上昇しました。溶着不良が起きた原因と主な対策は、以下の通りです。

【原因調査結果】

【今後の対策】

【放射線防護上の問題点について】

 放射線管理員が、交換作業を行っていた協力会社社員3名のマスクフィルタに付着していたα線を放出する核種による低いレベルの汚染を見落としました。そのうち2名は、汚染の可能性のある身体サーベイエリアから退出して半面マスクを外しマスクの汗の拭き取り等を行い、残りの1名は、汚染の可能性のある身体サーベイエリアでマスクフィルタを外しました。その結果、1名からα線を放出する核種が検出されました。それぞれの原因と主な対策は、以下の通りです

【原因調査結果】

【今後の対策】

【水平展開】

<作業上の問題点について>

再処理事業部以外に対して、今回の高性能粒子フィルタの交換作業のような汚染リスクが高い作業の有無を調査し、同様の作業がある場合には再処理事業部と同様に水平展開を確実に実施します。

<放射線防護上の問題点について>

再処理事業部以外でα線を放出する核種を取り扱う部署に調査を実施した結果、α線を放出する核種による低いレベルの汚染に対する測定技量を確保するための実技訓練や、マスクフィルタ汚染した時の手順書について定められていなかったため、再処理事業部と同様に水平展開を確実に実施します。

 当社は、当社および協力会社社員が二度と放射性物質を体内に取り込むおそれを起こさないよう、再発防止策および水平展開を確実に実施してまいります。

<お知らせ済み>

以上