再処理事業所における原子力防災訓練の実施について
当社は、本日、再処理事業所において、原子力防災訓練を実施しましたのでお知らせいたします。
この訓練は、毎年度、原子力事業者防災業務計画に基づき、事業部対策本部の組織が原子力災害の発生および拡大防止に有効に機能することを確認する目的で行っています。
今回の訓練では、地震の発生(六ヶ所村最大震度5強)により、再処理施設の外部電源が喪失したとの想定で、重大事故の発生防止や拡大防止のための対応手順の確認を行うとともに、社外に対する迅速・確実な通報連絡の確認を行いました。
本日の訓練は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止に向けた対策として、訓練参加者全員の体温確認を事前に行ったほか、緊急時対策本部においては、マスクの着用、入室前の手指のアルコール消毒などを徹底したうえで実施しました。なお、本日の訓練は、自治体や電力関係者のご視察および報道関係者のご取材等を中止させていただき実施しました。
【原子力防災訓練の概要について】
- 日 時 2020年3月6日(金) 13時00分~16時20分
- 場 所 再処理事業所、事務本館、青森地域共生本社、東京支社
- 参加者 増田社長はじめ、合計約300名
[内訳]
再処理事業所 約200名(再処理緊急時対策本部、現場作業含む)
事務本館 約80名
青森地域共生本社 約10名
東京支社 約10名
評価者(原子力規制庁他)5名 - 主な内容
地震の発生により、再処理施設の外部電源が喪失し、重大事故のうち「蒸発乾固※1」や「水素爆発※2」等の発生を想定し、以下のような作業を実施しました。〇蒸発乾固の発生・拡大防止対策としての機器への直接注水準備作業〇水素爆発の防止対策としての貯槽内の水素を掃気するための圧縮空気供給系へのコンプレッサーの接続作業〇重大事故発生時に尾駮沼から冷却水を確保するためのアクセスルートにおけるホース展張作業〇アクセスルートにおけるホイールローダによる瓦礫撤去作業
- 蒸発乾固:
安全冷却水系の機能が喪失すると貯槽内の溶液(廃液や溶解液)の温度が上昇し溶液が沸騰する。沸騰により揮発した放射性物質が発生または溶液温度が120℃まで上昇する事象。 - 水素爆発:
貯槽内の溶液(廃液や溶解液)中に含まれる水が放射線により分解され水素が発生する。その水素が貯槽内に溜まることにより、水素濃度が上昇し爆発する事象。
【今回の訓練に対する当社のコメント】
地域の皆さまの安全・安心のため、現在行っている安全性向上対策工事をしっかりと進めるとともに、今後も、設備の運転はもとより、災害時の対応においても、様々な事象を想定した訓練を繰り返し行い技術力の強化を図ってまいりたいと考えています。
〇全社対策本部の様子(事務本館)
重大事故の発生を踏まえ、社長の増田が本部長を務める全社対策本部を立ち上げ、情報収集や重大事故対策の対応の指揮をとった。
※対策要員80名が参集した全社対策本部
〇ホース展張作業の様子(アクセスルート)
蒸発乾固の発生・拡大防止対策、使用済燃料貯蔵プールの水位低下対策として施設や機器への直接注水を行うため、アクセスルートにおいてホース展張訓練を行った。(尾駮沼から取水し各施設へ直接注水するためのホース展張の一部)
※内径30cmのホースを約250m展張
〇瓦礫撤去作業の様子(アクセスルート)
重大事故発生時の収束作業に支障を及ぼすことが考えられることから、ホイールローダによる瓦礫撤去訓練を行った。
※ホース展張車を運転できる大型免許は約80名が所持、ホイールローダを運転できる大型特殊免許は約40名が所持(再処理事業所2019年6月現在)
<参考①:当再処理事業部で実施しているその他の主な訓練>
- 要素訓練(異常・非常時、総合・個別)
- 消防総合訓練
- 交流電源喪失対処訓練
- 放射性物質の対処訓練(大規模飛散、身体汚染)
- 化学物質の対処訓練
- 重大事故等対処訓練(燃料損傷防止、臨界対応、蒸発乾固/水素爆発対応など)
- 通報連絡訓練
- 非常時の要員呼び出し訓練
- 参集訓練
<参考②:定例記者懇談会配布資料へのリンク>
※本資料の写真が必要な場合はお問合せ願います。
- 2019年6月27日配布資料(瓦礫撤去訓練、中性子吸収材の注入訓練、放水砲の操作訓練、漏洩確認訓練、タイベック着脱装時訓練)はこちら
- 2020年2月27日配布資料(夜間の電源喪失時訓練、参集訓練)はこちら