再処理事業所構外への油圧作動油の漏えいについて
(原因と対策)
(原因と対策)
2020年11月17日に発生しました、二又川および尾駮沼への油圧作動油の流出について、今般、原因と対策を取りまとめましたので、お知らせいたします。
【原 因】
水中ポンプをメーカーの工場にて調査した結果、水中ポンプのメカニカルシール※1が損傷していること、および油圧ホースによじれの痕を確認しました。
メカニカルシールの損傷は、過去に水中ポンプを空運転(水の無い状態もしくは低水位状態で運転)したことで、メカニカルシールとカウンタシール※2の間にある油圧作動油(潤滑剤の役割も兼ねている)が熱により枯渇し、両シールが直接接触したことで発生、今回損傷箇所を通じて漏えいしたものと推定しています。また、油圧ホースのよじれにより、メカニカルシールの損傷箇所にかかる圧力が高まり、油圧作動油が漏れやすくなった可能性があると推定しています。
本事象は、作業手順書に空運転やホースのよじれに対する注意事項等の記載が無かったこと、および作業員への教育が不足していたことによる、作業方法の問題が根本原因と判断しております。
※1:ポンプの動力を伝える軸部分(シャフト)をシールするためのパッキン部品
※2:メカニカルシールの対となるパッキン部品
【再発防止対策】
・水中ポンプの空運転を防ぐため、常に水中ポンプを水面より下に設置するための目印を表示します。
・大型移送ポンプ車は水中ポンプが2台あることから、1台のみ使用した場合の運転号機の間違いによる空運転を防ぐ
ため、常に水中ポンプを2台とも水中に入れて運転します。
・油圧ホースの展張および回収時は、よじれのないことを確認します。
・二又川、尾駮沼で取水する場合は、万が一の漏えいに備え、事前に、水中ポンプ周辺にオイルフェンスを設置します。
・すべての対策について、手順書に記載するとともに作業員へ教育を行います。