発表•お知らせ
2022年2月24日

定例社長記者懇談会挨拶概要

 本日は「設工認申請の対応状況」、「厳冬期訓練」、「新型コロナワクチンの3回目の職場接種」、「再処理工場およびMOX燃料工場の暫定的な操業計画」についてご報告させていただきます。

設工認申請の対応状況

 まず「設工認申請の対応状況」です。
 先月31日の審査会合では、再処理の飛来物防護ネットの地盤液状化による冷却塔への波及的影響評価、MOX建屋の耐震評価結果についてご説明しました。
 再処理については、昨年12月の審査会合でお示しした飛来物防護ネット架構の設計に用いる解析モデルの妥当性の検証方法に基づき、検証した結果と基準地震動全13波に対する影響評価結果をご説明しました。
 規制庁からは、鉛直応答の影響評価について合意した検証方法通りに行われていない、液状化と非液状化、その中間状態での地震荷重の評価について、結果に対する考察が不足しているとのご指摘がありました。
 MOXについては、これまでの審査会合で議論した耐震評価結果を取り纏め、建屋の耐震性に問題がないこと、重大事故等への対処が可能であることをご説明しました。
 規制庁からは、重大事故等への対処について、基準地震動の1.2倍の地震力に対しても必要な機能が維持できることを事業許可時の事故対処の議論を踏まえて、丁寧に説明するようご指摘がありました。
 こういった状況から、次回の審査会合を確実に乗り切るために、耐震関連について当社、電力、協力会社を含めたオールジャパン体制を東京に構築し、これにより、情報の一元化、情報共有の徹底、方向性決定の迅速化を図ることとしました。更に、この最前線に役員を投入し、先頭に立って審査対応にあたらせることとします。
 来週28日の審査会合では、再処理、MOXのご指摘いただいた内容について、しっかりと整理の上、ご説明させていただきます。
 第1回設工認の補正書については、来週28日の審査会合での議論を踏まえて速やかに提出したいと思っています。引き続き、設工認対応に全力で取り組み、目標通りのしゅん工を目指してまいります。

 ウラン濃縮工場については、今月4日に第5回設工認の認可をいただきました。2018年9月に第1回を申請してから約3年半を要しましたが、5分割の最後の設工認が終了し、生産運転再開に向け大きく前進したと考えています。
 今月9日にお知らせしておりますが、2022年9月の生産運転再開という新たな目標に向けて、社員、協力会社が一丸となって、安全を最優先に設工認の内容をしっかりと現場に反映させ、地域の皆さまに安心していただける施設を作り上げてまいります。

厳冬期訓練

 次に、再処理工場のしゅん工・操業に向けた様々な取り組みとして、「厳冬期訓練」をご紹介します。お手元の資料をご覧ください。
 当社は、事故を起こさないように様々な安全対策を講じていますが、それでも事故が起きてしまった時に備え、事故の拡大を防ぎ、地域の皆さまへの影響をできる限り小さくするため、1年を通じて様々な訓練を繰り返し行っています。
 先週17日には、厳冬期の厳しい環境下で尾駮沼からの取水と放水訓練を実施しました。重大事故等により建屋から放射性物質が放出された時、その拡散を抑制するために敷地内にある約2万立方メートルの貯水槽2基から放水砲で放水を行います。その貯水槽への水の補給が必要となった場合には、敷地外水源である尾駮沼から取水させていただくことを計画しています。
 写真のように、尾駮沼から水中ポンプと大型移送ポンプ車で水を汲み上げ、放水砲で放水するといった動作が迅速に行えるよう、訓練で習熟を図っています。
 来月は、停電を想定した電源車による給電訓練、水素爆発の発生を防止するための可搬型空気圧縮機の起動訓練、六ヶ所村内の居住地から事業所まで徒歩で参集する訓練を実施する予定です。引き続き、様々な事象を想定した訓練を繰り返し実施し、万が一の際にも迅速、確実に対応できるよう取り組んでまいります。

新型コロナワクチンの3回目の職場接種

 次に、「新型コロナワクチンの3回目の職場接種」についてです。
 当社は、これまでも様々な感染防止対策を講じてまいりましたが、先月、今月と構内のいくつかの事務所でクラスターを発生させ、地域の皆さまには大変ご心配をおかけしておりますことを、あらためてお詫び申し上げます。
 先月のクラスター発生以降、速やかに役員を含む当社幹部が、社内はもとより、協力会社の現場や事務所の朝礼に参加し、対策の徹底を要請しました。また、協力会社の執務室や詰所、休憩室など人の集まる所で、適切な感染防止対策が取られているか直接確認し、対策が不十分な場合には改善を図っていただいています。
 当社は、来月14日から3ヶ月にわたり、構内で働く希望者全員を対象に、3回目の職場接種を実施することとしました。今回も再処理工場・ウラン濃縮工場などの運転や警備等で交替勤務を行っている社員や協力会社の方々を優先して行う予定です。
 引き続き、地域の皆さまにご安心いただけるよう、国や青森県の方針に従い、感染拡大防止対策の徹底、強化に取り組んでまいります。

再処理工場およびMOX燃料工場の暫定的な操業計画

 最後に、「再処理工場およびMOX燃料工場の暫定的な操業計画」についてです。
 当社は、今月10日、使用済燃料再処理機構からの依頼に基づき、2022年度から2026年度の再処理可能量およびMOX燃料加工可能量を取りまとめた暫定的な操業計画を再処理機構に提出し、その旨を公表させていただきました。この計画は、当社が技術的に達成可能な再処理量およびMOX燃料加工量を示したものです。操業にあたっては、今月18日に電気事業連合会が公表したプルトニウム利用計画も踏まえて、再処理機構が策定する実施中期計画に基づき、行ってまいります。
 当社としては、再処理工場とMOX燃料工場をしゅん工させ、全ての事業において当社と協力会社が一体となって、安全に操業できる体制を構築してまいります。

以上