発表•お知らせ
2021年1月28日

定例記者懇談会社長挨拶概要

 今年最初の懇談会となります。県政記者会の皆さま、本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 昨年は、再処理工場、高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センターおよびMOX燃料工場の事業変更許可をいただき、低レベル放射性廃棄物埋設センターの3号埋設も審査の終盤まで進めることができました。
 設工認についても、再処理工場、MOX燃料工場の初回申請を行い、ウラン濃縮工場も生産運転再開と新型遠心機への更新工事などに係る申請をするなど、各事業が大きく前進した1年でした。
 今年は、再処理工場をはじめ各事業とも本格的な安全性向上対策工事を計画的に進めていきます。
 現場に軸足を移し、当社で働く仲間の心をひとつにして、さらに力強く歩みをはじめる年にしたいと考えています。

しゅん工・操業に向けた様々な取り組み

 現在、再処理工場やMOX燃料工場の工事現場では、冬季でも安全で働きやすい作業環境を整え、天候に左右されることなく計画的に工事を進められるよう様々な対策を講じています。お手許の資料をご覧ください。

 再処理工場の冷却塔の工事現場では、飛来物防護ネットを設置するための人工岩盤の打設や基礎の工事を行っています。左の写真のように大型の屋根を設置し、雪が降ったり、気温が低くてもコンクリートの品質を保てるようにしています。
 主排気筒の竜巻対策作業の現場では、昨年皆さんに見ていただいた空調ダクト周囲の防護板に耐火塗装工事を行っています。右の写真のように作業エリアを区画し、塗装に適した環境を確保しています。

 MOX燃料工場では、地下3階部分で鉄筋の取替工事などを行っています。右の写真の赤の枠で示すように、作業エリアに縦70m、横30mのきな屋根を設置しました。
 また、黄色の枠で示している地下で使用する鉄筋や資機材の積み下ろし作業などを行うエリアには、ロードヒーティングを設置しました。これらの対策により、作業環境を改善し、作業員の転倒防止や除雪作業の時間短縮を図っています。

 この他にも、積雪・凍結などによる転倒災害を防ぐため、転倒しやすい場所に滑り止めマットを設置したり、融雪剤の散布を行うなど不安全箇所を除去し、労働安全・労働災害防止に努めています。

 今後も、様々な対策を講じることで冬季作業を着実に進めることが出来るよう、当社で働くすべての仲間が作業しやすい環境を整え、安全を最優先に工事を進めてまいります。

設工認申請について

 次に、設工認申請についてですが、冒頭申し上げた通り、昨年末12月24日に初回の申請としてMOX燃料工場の建物と再処理工場本体冷却塔の機電設備に関する設工認の申請書を規制庁に提出し、ヒアリングや審査会合で説明しているところです。
 来月の審査会合に備え、論点を整理して、ご説明できるよう準備を整えています。 引き続き、電力の支援をいただきながら、設工認の審査対応にしっかりと取り組んでまいります。

 

 最後になりますが、今年はエネルギー基本計画の改定や2050年カーボンニュートラルの達成に向けた具体的な取り組みに関し本格的に議論が行われることになると考えており、これを機に改めて原子燃料サイクルの意義が再確認されることを期待しています。
 資源の乏しい日本のエネルギー事情や脱炭素社会の実現、さらには全国的な厳しい寒さにより電力需給がひっ迫している現在の状況を踏まえると、原子力発電は日本になくてはならない重要なエネルギー源であると考えています。
 私どもが担っている原子燃料サイクル事業は、この原子力発電のメリットを最大限享受するために必須だと確信しています。再処理を始めとする各事業を、責任を持ってしゅん工・操業させ、原子燃料サイクルを確立させることが私の使命だと思っています。
 これまで当社事業を支えていただいている地域の皆さまの思いを忘れることなく、私が先頭となって、社員・グループ会社・協力会社が一丸となって安全を最優先に全力で取り組んでまいります。

 本日、私からは以上です。