発表•お知らせ
2020年10月29日

定例記者懇談会社長挨拶概要

 本日は「新規制基準への対応状況」と「再処理工場の運転員による重大事故訓練」、「全社安全大会」の3点についてご報告させていただきます。

新規制基準への対応状況

 はじめに、「新規制基準への対応状況」です。MOX燃料工場の審査については、今月10月7日に原子力規制委員会において審査書案が了承されました。
 現在は、審査書案に対する科学的・技術的意見の募集、経済産業大臣への意見聴取が行われているところでございますが、7月の再処理工場、8月の高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センターの審査合格に続いて、MOX燃料工場も審査書案が了承されたことは、大きな前進と受け止めております。
 今後、安全を最優先に建設工事を進め、安全審査でお約束した内容を現場に確実に反映させ、地域の皆さまにご安心いただけますよう、安全なMOX燃料工場を作り上げてまいります。
 審査に合格すると、安全性向上対策としてやるべきことが固まりますので、2022年度上期のしゅん工は簡単ではないと認識しておりますが、改めて全体の工程を精査し、皆さまにご説明したいと考えています。

 次に、再処理工場についてですが、先週20日の設工認の審査会合で、これまでの設備の選定や類型化などの作業状況を踏まえ、効率的に審査いただけるまとめ方を重視した申請書類を作り上げることが重要と考え、当初10月に計画していた第1回申請を12月に延期しても「申請対象設備の選定」と「類型化」の考え方をしっかりと作り上げることが大事であり優先することをご説明しました。
 「申請対象設備の選定」については、原子力発電所におけるルールを参考に、約10万個の設備から申請対象とする設備の選定方法の整理を行っているところです。
 「類型化」については、容器・配管といった「機種」と耐震・火災といった「評価項目」で整理することとしていますが、「機種」については、審査会合でのご指摘を踏まえ、我々が14機種に整理していたものを、機種の持っている機能に応じてもう少し細分化できないか検討しているところです。
 いずれの作業についても、今後、申請書のアウトプットのイメージを規制庁と共有し、意思疎通を図りながら作業を進めて行きたいと考えております。
 引き続き、電力のご支援をいただきながら、設工認の申請準備に全力を尽くしてまいります。

再処理工場の運転員による重大事故訓練

 次に、再処理工場のしゅん工・操業に向けた取り組みの一つである「運転員による重大事故訓練」についてご説明します。お手許の資料をご覧ください。
 再処理工場では、万が一、重大事故が発生した場合でも、速やかに対処することで事故の拡大を防ぎ、地域の皆さまへの影響をできる限り小さくするための対応を行ってまいります。
 一人ひとりが迅速かつ的確に事故の収束対応ができるよう、瓦礫撤去や放水砲の訓練など様々な訓練を繰り返し実施しておりますが、今回は各建屋内で事故の対応にあたる運転員の訓練をご紹介します。
 今年度は、5月に約180名で初動対応訓練、6月には約60名で臨界事故を想定した訓練、9月と10月には地震により外部電源が喪失し、6台ある非常用ディーゼル発電機も使用できなくなり、水素爆発や蒸発乾固といった重大事故が同時に発生したことを想定し、運転員約300名が各建屋の中で初動対応と事故の拡大防止対策の訓練を行いました。
 上の2つの写真は、大規模地震の発生により、建屋内の設備や機器が損傷したことを想定し、初動対応要員が汚染防護服や酸素呼吸器などの防護具を装着して、現場パトロールの結果に基づき、機器の損傷状況を確認している様子です。
 下の2つの写真は、事故の拡大防止対策として放射性物質を建屋の外に出さないように、廃ガス処理設備の弁の閉止操作を行っている様子や風量を調節する装置の閉止操作に向かう様子を表す写真です。
 これらの訓練を通じて、万が一、重大事故が発生した場合にも、しっかりと事故を収束し拡大を防止できるよう技術力の向上に努めてまいります。

全社安全大会

 次に、先週20日に開催した全社安全大会ですが、当社およびグループ会社と協力会社91社、あわせて約300名がこの安全大会に参加し、「工事の安全品質の向上と労働災害ゼロの実現」に取り組むことを改めて誓い合いました。
 今後、工事が本格化してまいりますが、作業現場から、不安全箇所、不安全行為をなくすことを徹底し、当社で働く全ての仲間が安心して安全に働ける現場づくりを目指してまいります。
 

 最後になりますが、先週21日に開催されました核燃料サイクル協議会について触れさせていただきます。
 当日は、私も出席させていただきましたが、青森県からの確認・要請に対し国からサイクル政策をぶれることなく進めることが改めて示されました。
 サイクルの推進が改めて確認されたことは、ありがたく、大変心強く思っており、青森県の皆さまの思いをしっかりと受け止め、再処理工場、MOX燃料工場のしゅん工と安全で安定した操業の継続に向けて全力で取り組んでいかなければならないとの思いを強くした次第です。
 引き続き、六ヶ所村の皆さまをはじめ青森県の皆さまが、私たちの事業を受け入れ、これまで支えてくださったことを忘れずに、安全を最優先に、原子燃料サイクルの確立に向け、当社社員、グループ会社、協力会社が一丸となって取り組んでまいります。

 本日、私からは以上です。