発表•お知らせ
2017年9月29日

定例社長記者懇談会挨拶概要

 はじめに、雨水の浸入やダクトの損傷など一連の問題について、青森県民の皆さまをはじめ、広く社会の皆さまに大変なご心配をおかけしており、誠に申し訳なく存じます。深くお詫び申し上げます。

 今回の問題は、ウラン濃縮工場・再処理工場の一部の設備について、その状態を把握出来ていなかった、すなわち管理された状態ではなかったことが皆さまにご不安を与える結果となりました。
 これは自らが気付き速やかな対策ができていれば発生を防止できたものと考えております。

 このため、まずは現場の安全確保を最優先に対応することとし、お手許の資料1の雨水浸入の対応にありますとおり、今月末までに配管ピット内に設置している安全上重要な設備について、全数把握と健全性の確認を実施します。
 次に、再処理工場全体の約60万を超える機器のうち、その約1割未満にあたる安全上重要な設備の全数把握と健全性確認を10月末までに実施します。
 残り約9割の安全上重要な設備以外の設備については、12月末までに全数把握と健全性の確認を行います。
 再処理工場のしゅん工時期は厳しいと認識しておりますが、この対応を優先させるため、全社をあげた対応に加え、社外の協力も得ながら、出来るだけ早い時期に設備を管理された状態にし、地域の皆さまにご安心いただけるよう、全力で取り組んでまいります。

 また、資料2のウラン濃縮工場のダクトの損傷等に対する対応についても、10月末を目標に、腐食や錆・変色などがあったダクト等の設備・機器の交換や補修を行います。これを踏まえて約2万2千件あるすべての設備・機器について、10月末までに管理された状態にします。
 また、設備・機器の点検および更新について、2018年12月の完了を目標に行います。

 なお、再処理工場の雨水の浸入については、点検すべきところを点検していなかったことなど、ウラン濃縮工場のダクトの損傷については、その点検内容や管理方法が不適切だったことなどについて、保安規定違反に該当すると考えており、再発防止を徹底してまいります。

 次に、資料3のJAEA大洗事故の水平展開の不足に対する対応方針ですが、このような重大な事象が発生した場合は、経営層の参画に加え、リスクの抽出の観点から各事業部の専門的知識を有するメンバーを参画させ、全社的な体制を構築するとともに、当社施設の特徴を踏まえたリスクを抽出し対応を実施します。
 濃縮事業部では、今月、フッ化水素の漏えいおよび内部被ばく事象の対応訓練ならびに総合訓練を実施しました。
 再処理事業部では、9月20日にMOX粉末の大規模な飛散を想定した訓練を実施するなど、従来実施してきた放射性物質による汚染や内部被ばくの訓練に加え、化学物質による被災も想定した訓練を行っております。
 これらの訓練を踏まえて、対応手順や必要な資機材の見直し等も行っていきます。

 次に、資料4の全社としての改善の取り組みの強化についてご説明します。
 当社は、昨年12月に原子力規制委員会より発出された報告徴収命令を受け、全社で品質保証活動の改善に取り組んでおりますが、いまだ途上にあり、原子力規制委員会や審査会合の場において、現在の状況に対して厳しいご指摘を受けております。
 今回の一連の問題は、自らが気付き速やかな対応に繋ぐことができていなかったという共通課題があり、会社全体として本課題に対する取り組みの浸透が不足しておりました。
 また、保安検査等において、自らが実施したこと、実施できなかったことの事実を正確に説明できず、問題の所在を明確に示せなかったことも共通の課題としてあげられます。
 これらに対する対策としてのセルフチェックの強化を行う責任者を各事業部に配置しました。これは、重要な保安業務の計画実施状況を実施者と異なる視点でチェックするものです。
 また、全社におけるチェック機能の強化については、「全社監視チーム」を設置します。このチームは、今回の一連の問題の対策に係る計画策定から実施結果検証に至るまでの各事業部の活動を全社でチェックする社内横断的なチームです。
 さらに、「保安上重要な事象に対する社内検討体制の強化」を行います。これは、保安上重要な事象については、その計画、実施結果について、安全委員会や品質・保安会議で審議し、また、迅速性、実効性を高めるため、専門知識を有する社員を含む特別に定める体制を設置・検討できるようルールを見直すものです。
 これらの取り組みは、安全・品質改革委員会の中で積極的に議論するとともに、経営層を含めた幹部が、自らの気づきを改善につなげる等の意識の向上を図ることにより、各自が責任をもって課題に取り組んでまいります。
 なお、これらの改善状況については、ホームページに掲載し、広く情報を発信してまいります。

 最後になりますが、今回の改善活動を最優先課題として私自らが先頭に立ち、地域の皆さまの安全・安心を最優先に、全社をあげて取り組んでまいります。

 本日、私からは以上です。

以上