空間放射線量率のQ&A
空間放射線量率計とは?
空間放射線とは空間を飛び交っている放射線のことで、宇宙から降り注いでくる放射線や大地や大気からの放射線などがあります。「空間放射線」を連続測定することにより、施設から環境への影響があった場合速やかに検知することができます。なお、このシステムへ表示している数値は空間放射線の量を1時間あたりに換算した「空間放射線量率」として表したもので単位としては「nGy/h(ナノグレイ毎時)」が用いられています。ふだん測定されているのは主に大地などからの放射線で、地質の違いなどにより地域で差があります。また同じ場所であっても気象条件などにより変動しています。青森県における空間放射線量率の測定値は、通常15~30nGy/h程度です。ただし、雨や雪が降ると大気中のチリが地表に落ちて測定値が上昇したり、雪が積もると大地からの放射線が遮られ低くなることもあります。
単位:nGy/hとは?
モニタリングポスト指示値の単位「ナノグレイ[nGy/h]」は1時間あたりの放射線量を示しています。通常この地域では、約8~85ナノグレイ毎時を示しています。「グレイ」とは放射線が物質にあたった時、その物質が吸収する放射線量を表す単位です。「n[ナノ]」とは、10億分の1を表しています。
再処理工場で使用済燃料のせん断を行うと敷地周辺の放射線の量が1時間あたりで100nGy/h程度に上昇することがあります。仮にこの地点に10時間いたとしても、0.0008mSv[ミリシーベルト]です。これはニューヨークへの飛行機旅行でうける放射線量の約200分の1という低い値ですので人体に影響をあたえることはありません。
電気事業連合会「原子力・エネルギー図面集2015」より
どうして測定値が変動するの?
モニタリングポストでは放射線の量の変動を連続的に監視しています。測定値には、大地に含まれる天然の放射性物質などから出る放射線などが一緒に測定されますが、設置場所の地質条件や、天候により変動します。上のグラフは、晴れ、雨、積雪、再処理工場操業の時の放射線量の違いを表したものです。測定地点が同じでも、自然放射線量は晴れの日に比べて雨や雪の降り始めにチリが地表に落ちて線量率が上昇し、雪が積もると大地からの放射線が遮られ低くなる傾向にあります。
通報基準ってなに?
原子力災害対策特別措置法が、平成12年6月16日より施行され、事業所の境界付近においてモニタリングポスト[放射線測定設備]の測定値が以下のいずれかの場合、事業者は直ちに主務大臣、原子力規制委員会、知事、市町村長へ通報することが定められています[同法第10条]。
モニタリングポストの測定値は、雷等の電気的ノイズの影響により、指示値が上昇する場合もあります。このため、法令では落雷の影響による誤信号は含まれません(日本原燃では種々のノイズ対策を行っていますが、モニタリングポスト近くに落雷にあった場合は、測定値に変動が生じることもあります)。
※通常1Gy[グレイ]=0.8Sv[シーベルト]で換算しますが、緊急時は1Gy[グレイ]=1Sv[シーベルト]と換算して、迅速な対応をすることにしています。
[1] 5μSv/h 10分以上継続
[2] 5μSv/hが2台以上で同時検出
いずれも落雷の影響を除く
[Sv=Gy] μ[マイクロ]=1,000,000分の1