発表•お知らせ
2025年11月12日

2025年度 原子力防災訓練(総合訓練)の実施について

 当社は、11月11日に、原子力災害対策特別措置法に基づき、原子力防災訓練(総合訓練)を実施しましたのでお知らせいたします。
 原子力防災訓練は、毎年度、原子力事業者防災業務計画に基づき、再処理工場、高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センター、ウラン濃縮工場、低レベル放射性廃棄物埋設センターにおいて、原子力災害が発生したとの想定を基に、事業部対策本部の組織が有効に機能すること等を確認し、原子力災害に対する緊急時対応能力を計画的かつ効果的に維持・向上させることを目的として実施しています。
 今回の訓練は、再処理工場で臨界が発生したことに加え、その後に起きた地震(震度6弱)の発生により各施設が同時に発災することを想定した訓練を実施しました。

再処理工場 前処理建屋 せん断・溶解設備のインターロック不作動による臨界の発生
高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センター 地震による火災警報の発報
ウラン濃縮工場 液化中の均質槽から室内に六フッ化ウランの漏えいが発生
低レベル放射性廃棄物埋設センター 低レベル廃棄物管理建屋の検査室内で廃棄体の落下が発生

 本訓練は、訓練参加者には事前に訓練シナリオを通知しない、「シナリオ非提示型」で実施し、発災後の事故収束対応や迅速・確実な通報などを行いました。また、公益財団法人 核物質管理センターと合同で訓練を実施し、六ヶ所地域同時発災の状況下における情報共有、支援活動などを実施しました。

【訓練概要】

  1. 日 時:2025年11月11日(火) 13時30分~16時
  2. 場 所:再処理事業所、濃縮・埋設事業所、青森地域共生本社、東京支社
  3. 参加者:合計約680名
    [内訳]
    再処理事業部対策本部:約330名
    濃縮事業部対策本部:約130名
    埋設事業部対策本部:約90名
    全社対策本部(東京、青森含む):約130名
  4. 主な内容
    ●原子力災害等の収束に向けた対応を実施するため、
    • 現場で発生した事故に基づいた災害対応の現場実働および事業部対策本部との連携訓練
    • 事故による放射性物質汚染者および負傷者のサーベイ、応急処置、救護搬送
    • 放射性物質の漏えいを想定し、施設内外での放射線状況を把握するために必要な線量測定、放出・環境モニタリング
     などを実施。
    ●事業部における原子力災害等の収束に向けた対応を行うために必要な支援を実施するため、
    • オフサイトセンターや原子力規制庁緊急時対応センター(ERC)、原子力緊急事態支援組織等への情報提供
    • 万が一の時に避難を円滑にできるようにするための地元自治体などへの迅速な情報伝達・通報連絡訓練や報道機関への公表、会見対応
     などを実施。
  5. 訓練の様子
    〇全社対策本部(事務本館)
     原子力災害等の発生を踏まえ、社長が責任者を務める全社対策本部を立ち上げ、情報収集や原子力災害等対策の対応の指揮をとりました。
    〇再処理工場における重大事故収束対応の訓練の様子
     再処理工場において、臨界発生時の事故収束対応の訓練を実施しました。

    <運転員が防護装備を装着する様子>

    <中性子吸収材を手動供給している様子>

 今回の訓練において、事故発生時の基本動作の確認や迅速な通報連絡、現場における迅速な復旧・収束の手順などを確認することができました。
 地域の皆さまの安全を確保し、より安心していただくためにも、今後もさまざまな事故を想定した訓練を繰り返し実施してまいります。

以上