発表•お知らせ
2021年2月9日
日本原燃株式会社

MOX燃料工場の鉄筋健全性確認の状況について

 MOX燃料工場の鉄筋健全性確認については、原子力規制庁との面談において対応状況を説明してまいりましたが、現在の状況をとりまとめましたのでお知らせします。

 当社のMOX燃料工場では、2013年より燃料加工建屋の地下3階の工事を開始しましたが、新規制基準への適合審査の状況を踏まえて2015年から工事を中断し、2017年からは露出鉄筋に対して腐食を抑制するために養生しておりました。
 建屋の建築工事の再開に向け、昨年9月に地下3階床の差筋(約17,300本)の健全性を確認するために抜取試験を実施したところ、細径の鉄筋が腐食により日本産業規格(JIS)の規格値の一部である「伸び」を満足していないことを確認しました。(細径の鉄筋:約3,100本)
 この試験結果を受け、細径の鉄筋は全数の取替工事を実施することとし、1月12日より工事を開始しました。現時点で約2割の工事を終え、4月中旬頃の完了予定です。取替工事が終了した鉄筋については、順次コンクリートを打設して壁を構築するなどの躯体工事を実施していきます。

 太径の鉄筋(約14,200本)については27本の抜取試験(9月、11月に実施)の結果、JISの規格値を満足していました。また、全数の健全性を確認するため、鉄筋径の全数計測を行いました。
 鉄筋径の全数計測の結果、公称径の下限値を下回る鉄筋がないことを確認しました。加えて、各エリアから最も厳しい状態の鉄筋(「最小径」、「根元部減少率が大きい」)を採取し、合計12本に対して引張試験を実施したところ、2本がJISの規格値の一部である「伸び」を満足していないことを確認しました。なお、この2本は全エリアを通じて、「最も細い」または「最も根元部減少率が大きい」鉄筋です。
 当社としては、約14,200本のうち、この2本以外については健全性を確認できたと評価していますが、念のため、他の厳しい状態の鉄筋も含めて、取替工事の範囲を確定させる予定です。取替工事の範囲を確定させた後、準備が整った鉄筋については、順次コンクリートを打設して壁を構築するなどの躯体工事を実施していきます。

以上