発表•お知らせ
2018年5月16日

平成29年度第4回保安検査の結果について

 当社各施設の平成29年度第4回保安検査において指摘されておりました「再処理施設 低レベル廃棄物処理建屋内作業における計画及び放射線防護上の措置の未実施」につきまして、本日の原子力規制委員会において、保安規定違反(監視)との判定を受けました。
 当社は、今回の判定を重く受け止め、原因究明の結果に基づき、再発防止に取り組むとともに、今後も確実に改善活動を継続してまいります。

【再処理施設 低レベル廃棄物処理建屋】
○低レベル廃棄物処理建屋内作業における計画及び放射線防護上の措置の未実施

背景

 2018年2月15日、低レベル廃棄物処理建屋焼却装置第2室(管理区域内)に入域していた協力会社作業員が退域のため、身体の汚染検査を行った際、靴底に汚染が確認されました。
 作業員の移動経路について汚染の確認をした結果、焼却装置第2室において汚染があることを確認しました。なお、その他についてはすべて汚染が無いことを確認しています。また、靴底の汚染が確認された作業員については、身体サーベイにて身体汚染がないこと、鼻スミヤにて内部被ばくがないことを確認しました。

原因

 汚染が発生した経緯について調査したところ、汚染の要因は過去に低レベル廃棄物処理建屋でセラミックフィルタ逆洗ライン伸縮継手※1にピンホールが発見された事象の原因調査(2017年8月~9月)の過程にあることを確認しました。
 原因調査では、伸縮継手の一部を切り出した試料をウラン・プルトニウム混合脱硝建屋に運搬し、同建屋のグローブボックス内にある装置によりピンホールの調査を行っており、この際、グローブボックス内の汚染が試料に付着したと考えています。
 原因調査の過程において、試料の表面の錆により十分な観察ができなかったことから、錆の洗浄を行うために試料をグローブボックスから取り出し、専用容器に入れて低レベル廃棄物処理建屋へ返却しました。
 試料の返却にあたり、作業員はグローブボックス内の汚染が試料に付着した可能性を認識していなかったため、作業要領書および作業票の改正、放射線管理計画の変更および放射線防護上の措置を講じないまま、ウラン・プルトニウム混合脱硝建屋から返却された試料を低レベル廃棄物処理建屋の密閉されていない作業エリアで開封しました。このため、試料に付着していた汚染が作業エリアおよび周辺に拡大して残存し、2018年2月15日に作業員の靴底に汚染が付着したものと推定しました。

再発防止対策

 ウラン・プルトニウム混合脱硝建屋のグローブボックス内に汚染があることを認識していなかったこと等を踏まえて、本事案に関する事例教育を本年2月20日に実施しました。
 また、正しく放射線環境を確認しなかったこと等を踏まえ、管理区域内に設置された他部署が所管するグローブボックス等で取り扱った物品を密閉されていない状態で取り扱う場合は、汚染の可能性等について必ずグローブボックス等所管する部署に確認し、必要に応じて放射線管理計画書に反映するよう、本年3月1日に関係各課に周知・徹底を図りました。
 今回の事例を含め、再処理工場における放射線管理上考慮すべき主要な核種について教育を実施し、これを継続します。また、ウラン・プルトニウムを取り扱う部屋から発生した表面汚染が基準を超える汚染物品を開封する際は、グローブボックスやグリーンハウス内等で開封する旨を社内規定に記載します。

  • ※1:セラミックフィルタからの熱による配管の熱膨張等の変動を吸収する部材
以上