神戸製鋼所による検査データへの不適切な対応について(健全性確認結果)
2017年10月25日、当社は神戸製鋼所より、今後製作する予定の新型遠心機に使用するため保管している部品のなかに、部品の品質を確認するための検査データに不適切な行為が確認された部品があるとの報告を受けるとともに、本件に係る発注経緯などについて、取りまとめました。(2017年10月26日、10月30日お知らせ済み)
その後、当社は、情報収集および不適切な行為による遠心機機能への影響等について、別の検査機関にて調査を行った結果、部品の健全性に問題がないことを確認しましたので、お知らせします。
なお、主な調査方法等は以下のとおりです。
○神戸製鋼所が硬度測定装置の更新を行った際、硬度に係る測定結果が更新前よりも低い値が表示されたため、以前の装置の記録と更新後の記録の差分を検査データに加算して記録(検査成績書)を作成していたため、不適切な行為を行った部品の健全性確認を行いました。
○不適切な行為が行われる以前に製造された部品の硬度測定のために作製した試験片と、不適切な行為が行われていた期間に製造された部品の試験片を、別の検査機関で再測定した結果、両者は同程度の硬度であり、適切なものであることを確認した。
2017年10月30日にお知らせした内容
10月25日、神戸製鋼所より、新型遠心機における部品の品質を確認するための検査データに不適切な行為が確認されたとの報告を受けました。当該部品は今後製作する予定の新型遠心機に使用する予定であったものであり、現在設置している新型遠心機には使用されていません。(10月26日お知らせ済み)
当社は、2012年に旧型から改良した新型遠心機を75トンSWU/年規模で六ヶ所ウラン濃縮工場へ導入しており、現在新たに375トンSWU/年規模の増設に向けた準備を進めています。
今般、神戸製鋼所に発注した経緯などについて、以下のとおりとりまとめましたのでお知らせいたします。
○新型遠心機の一部の部品は、耐腐食性等確保の為、表面処理を施す必要があり、神戸製鋼所と当社との間で新型遠心機(450トンSWU/年規模)について、製造プロセスおよび製品仕様を確立してきました。このことから、当社は、当該表面処理を神戸製鋼所に発注しており、新型遠心機の増設分についても、2012年に神戸製鋼所と契約を締結し、発注しました。
○当社は、当該表面処理を神戸製鋼所に発注するにあたり、調達プロセスの各段階において、以下の確認を実施しています。(図―1)
○神戸製鋼所によると、今回確認された検査データに関する書き換え行為は、今後新たに増設を予定している現在準備中の375トンSWU/年の部品の一部について、2013年に検査で測定するための装置の更新を行った以降行われていたもので、具体的には、硬度に係る測定結果が更新前よりも低い値が表示されたため、以前の装置の記録と更新後の記録の差分を検査データに加算して記録(検査成績書)を作成していたとのことです。(図―1、2)
なお、既に納入済みの75トンSWU/年分の部品に係るデータについても確認中です。
○当社は、製品納入時に、納入された部品全数に対して検査成績書で要求仕様を満足していることを確認しておりますが、検査成績書作成段階において測定データに対し適切でない加算が行われたものであり、契約に基づき神戸製鋼所から提出された要領類で確認した行為(測定結果が検査成績書に記載される)とは異なる行為がなされたものと考えています。
○品質保証計画書では、当該検査プロセスを変更する場合には、当社への申請、承認を受けることが必要であるとしていますが、これが実施されておりませんでした。
○なお、当該部品は新型遠心機のウラン閉じ込め機能を担保しているケーシング等に関係するものではないことから、六ヶ所ウラン濃縮工場の安全性に影響を与えるものではないと考えております。
○当社は、引き続き、本件に係る情報収集に努めるとともに、当該行為による遠心機機能への影響等について調査を行ってまいります。
2017年10月26日にお知らせした内容
10月25日、神戸製鋼所より、新型遠心機における部品の品質を確認するための検査データに不適切な行為が確認されたとの報告を受けました。
神戸製鋼所によると、2013年に当該データを測定するための装置の更新を行った際、測定結果が更新前よりも低い値が表示されたため、以前の装置の記録と更新後の記録の差分を検査データに加算して、当社への連絡を行わず記録を作成していたとのことです。
これまでの調査の結果、当該部品は今後製作する予定の新型遠心機に使用する予定であったものであり、現在設置している遠心機には使用されていません。
当社といたしましては、引き続き調査を行ってまいります。