2020年12月23日
報道関係各位
日本原燃株式会社
日本原子力発電(株)東海第二発電所へ返送した廃棄体の調査結果および再発防止対策と当社の今後の対応について
2020年2月に日本原子力発電(株)東海第二発電所から受け入れた低レベル放射性廃棄体(200リットルドラム缶832本)のうち、3月に底面に錆による損傷を確認した廃棄体1本について、5月に同発電所へ返送し、同電力において詳細調査を行っておりました。(2020年5月7日にお知らせ済み)
このたび同電力における調査結果および再発防止対策と当社の今後の対応について取りまとめましたのでお知らせします。
今後、当社としても、同電力における再発防止対策が確実に実施されていることを確認してまいります。
なお、同発電所から受け入れた廃棄体831本については、2020年3月の検査において健全性を確認し、6月3日までに定置しております。
日本原子力発電(株)東海第二発電所における調査結果および再発防止対策
【調査結果】
- 自主検査前に塗装傷が確認された廃棄体について、塗り直しを実施したが、手順は定めておらず、ウエス等による拭き取りのみであり、錆および塗り直しを考慮した下地処理※は実施していなかった。
※下地処理…塗装を行う前に研磨等により、錆や異物を除去する。 - 自主検査から搬出まで長期保管(2.5年)していたが、保管中および搬出前に廃棄体の点検は行っていなかった。
【原因】
- 自主検査前に塗装傷を確認し、塗り直しを実施したが、手順を定めていなかったため十分な下地処理が行われず、母材表面の錆が除去されなかった。
- 長期保管により廃棄体底面(外面)の母材表面の錆が進展し、錆の体積の膨張により塗装が割れ、剥がれた。
【再発防止対策】
- 「下地処理の実施(手順化)」を行う対策
⇒塗装傷の塗り直し前に、塗装傷箇所およびその周囲の下地処理を実施し、記録を作成することを作業要領書に追記する。 - 「長期保管」への対策
⇒塗り直しを実施した廃棄体について、自主検査後から搬出までに1年以上経過する場合は、搬出前に外観点検を実施し、記録を作成することを手順書に追記する。
当社の今後の対応
【日本原子力発電(株)東海第二発電所に対する取組み】
- 東海第二発電所が実施する再発防止対策が確実に行われていることを廃棄体確認監査にて確認する。
【他発電所に対する取組み】
- 塗り直しをする場合は、下地処理を実施し、塗り直しに関する記録作成を手順化していることを確認する。
- 廃棄体確認監査に係る電力会社との合意事項を定めた「監査ガイドライン」に、水平展開を確認する内容を追記し、水平展開の対応状況を継続的に確認する。
<報告書>
日本原子力発電(株)東海第二発電所から受け入れた廃棄体における錆による損傷の調査結果および再発防止対策と当社の対応について(報告)
以上