当社敷地内(管理区域外)における火災の原因と対策について
2020年3月21日に発生した当社敷地内の緊急時対策建屋(建設中)の工事現場(管理区域外)における火災について、その後、本事象が発生した原因等について調査を行ってまいりましたが、今般、「火災発生」と「通報連絡遅れ」に係る原因及び今後の対策等を取り纏めましたので、お知らせします。
〇火災発生について
【原因】
電線管サポートの溶接作業中、溶接部材の塗装剥離(グラインダーによる研磨)が不十分であったため、スパッタ(溶けた金属の微小塊)が発生し、溶接箇所から滴下して難燃シートを貫通し、溶接箇所の下部に設置していた充電器盤を覆う養生シートに付着したことで、発火して火災が発生したと判断しました。
溶接作業場所において、火気使用作業時の養生として不燃シートや不燃材(ブリキ板)による養生が行われていなかったことに加え、スパッタが落下した充電器盤を覆う養生シートについて、難燃シートを使用すべきところ可燃性のポリエチレンシートを使用していました。
また、当社は、火気使用作業における養生について、現場では不燃シートを使用するなど、適切に行われているものと思い込んでおり、確認をしていませんでした。
【対策】
元請会社は、スパッタの発生を抑制するため、溶接前に部材の塗装を十分に剥離することを施工要領書に明記します。
また、初めて火気使用作業を行う際や、作業エリアの変更の都度、当社と元請会社の双方が立ち合いのもと、火気作業養生チェックシートに基づき、可燃物の撤去または不燃シート等で養生されていること等を現場で確認したうえで、火気使用作業を許可することとしました。加えて、火気使用作業期間中に当社が抜き取りで現場における養生等の実施状況の確認を行うこととしました。
〇通報連絡遅れについて
【原因】
火災発生から社内外関係機関へのトラブルの連絡(第1報)発信までに時間を要したのは、火災現場が建設中の建物の地下階で、携帯電話の電波が届かない場所であり、通信環境を考慮した通報連絡手段の確保が出来ていなかったことから、連絡責任者との情報共有に時間を要し、通報が遅れたものと判断しました。
【対策】
当初から設置予定としていた緊急時対策建屋内通信設備(PHS)について、予定を前倒しして暫定運用を開始し、携帯電話の電波が届かなかった場所の通話を可能としました。(4/3実施済み)
万一、発見者自ら連絡責任者に通報連絡が出来ない場合には、状況を把握している者が速やかに連絡通報するようルールを改正するとともに、通報連絡先に必要な情報を記載した現場掲示物(ポスター)の見直しを実施することとしました。(4/23、24実施済み)
また、連絡責任者が通報連絡に必要な情報が入手できなかった場合、特任判断当番者※へ確認し、助言を求めるようルールを改正することとしました。(4/23、24実施済み)
2020年3月21日にお知らせした内容
本日、11時30分頃、当社敷地内の緊急時対策建屋(建設中)の工事現場(管理区域外)において、協力会社作業員が電線管サポートの溶接作業を行っていたところ、スパッタ(溶けた金属)が難燃シートを貫通し、その下にある養生シートに引火したため、直ちに消火活動を行い消火し、その後、公設消防に通報しました。公設消防による現場確認の結果、12時05分に火災と判断されるとともに、鎮火が確認されました。本事象による周辺環境への影響はなく、負傷者もおりません。現在、現場作業は中止しております。原因については調査中です。