発表•お知らせ
2019年10月31日
報道関係各位
日本原燃株式会社

再処理工場 ウラン・プルトニウム混合脱硝建屋における廃気処理設備の第1排風機両系の停止について(原因と対策)

 2019年8月26日に発生しました、再処理工場ウラン・プルトニウム混合脱硝建屋における廃気処理設備の第1排風機A・B両系の停止(A系:定期点検中 B系:故障)については、2019年9月3日にA・B両系が復旧しております。
 その後、第1排風機B系の故障については、モータと排風機をつなぐ駆動用ベルトの仕様が異なっていたこと(高耐久グレードのベルトを取り付ける仕様に対して標準グレードのベルトを取り付けていたこと)が直接原因と判断しました。
 今般、仕様の異なるベルトが取り付けられていた原因および今後の対策等について取りまとめましたのでお知らせします。
 主な原因および今後の対策は、調達段階、工事段階、不具合発生段階の段階毎に分けて、以下の通りまとめております。

○調達段階(発注・納入)/2018年2月~4月

【原因】
  • 部品発注の際、見積依頼書、見積書、注文書に仕様などが記載されていることについて、各書類を相互に確認する仕組みがなかった。その結果、要求事項(仕様)が納入会社に正確に伝わらなかった。
  • 担当者は、部品納入時の確認に関する社内ルールの理解が不十分だった。その結果、要求事項(仕様)と納品された部品が一致しているか確認できなかった。
【対策】
  • 見積依頼書に明記した仕様が自ずと転記される注文システムへ改修を行い、当社からの要求事項(仕様)が確実に納入会社へ伝わるようにする。(運用開始済み)
  • 注文書等の調達仕様書に要求事項(仕様)を明記することの徹底、社内ルールに規定している納入時における確認(調達仕様書(注文書含む)、現物、納品書の3点確認)の徹底を目的に教育を実施する。

○工事段階(部品取り付け)/2019年1月~2月

【原因】
  • 部品受け渡し後に提出される書類を上司が確認する社内ルールがなかった。その結果、要求事項(仕様)とは異なるグレードのVベルトを受け渡したことに上司が確認できなかった。
  • 担当者は、協力会社、元請会社から指摘を受け、ベルトの仕様が違うことに気づいたが上司に状況を報告せず、作業要領書の改訂を行わなかった。その結果、その状況を上司が確認できなかった。
【対策】
  • 社内ルールを改訂し、部品受け渡し後に提出される書類について組織的にチェックできるようにする。
  • 安全意識の維持・向上に資するため、「報告・連絡・相談」の重要性について、再処理工場長メッセージを発信するとともに、責任を持って行動することの重要性も含めた社内教育を定期的に実施し、安全意識の定着を図る。

○不具合発生段階/2019年6月~8月

【原因】
  • 排風機Aのベルト交換作業時、脱落したベルトの仕様を確認しなかった。その結果、異なった仕様のベルトが取り付けられていたことを把握できなかった。
  • 排風機Aのベルト脱落は設備起因によるものと想定したため、ベルトの仕様の違いまでは気が付かなかった。その結果、要因分析が不十分となった。
【対策】
  • 不具合発生時に部品単位までの現物確認を徹底するとともに、当該設備の運転および設計の変遷に関する知見の継承を目的に教育を実施する。
  • 要因分析する際の標準的な着眼点(人、設備、材料・部品、測定、方法・プロセス、管理、環境の各要因項目に対し、視点を細分化)を整理し、マニュアルを新規作成する。
   
以上