発表•お知らせ
2025年10月30日

定例社長記者懇談会挨拶概要

 はじめに、今月24日、再処理工場のウラン・プルトニウム混合脱硝建屋において、協力会社社員がフィルタの定期的な交換作業中に体内に放射性物質を取り込むおそれのある状況を発生させてしまい、ご本人・ご家族の皆さまに心よりお詫び申し上げます。
 また、地域の皆さまにも大変ご心配をおかけし、申し訳ございません。改めてお詫び申し上げます。
 ただいまご本人に体調変化がないことは当社産業医の診察で確認しており、心配いただく状況ではないことを丁寧にご本人に説明しているところでございます。
 すでに出社していただいていますが、ご本人のご不安を取り除くためのサポートも含め、今後も経過観察するとともに、内部取り込みの有無をバイオアッセイという方法で確認し、身体への影響を評価してまいります。
 現在、同様の作業を中断し、徹底した原因究明を行っています。引き続き、現場で働く全ての人が安心して仕事をできるように、再発防止対策を講じてまいります。
 本当に申し訳ございませんでした。
 
 本日は、「再処理およびMOXの設工認対応状況」、「再処理工場運転員の技術力の維持・向上」について、ご報告させていただきます。

再処理およびMOXの設工認対応状況

 まず、「設工認対応状況」です。
 再処理・MOXとも次回の審査会合に向け、現在、ヒアリングでの説明を重ねています。
 再処理では、耐震設計のうち建物・構築物について、9月の審査会合でご理解いただいた代表施設の設計から評価結果に至るまでの一連のプロセスに基づき、代表施設以外の評価結果などを説明しています。
 機器・配管についても代表施設の評価結果などを説明しているところです。
 構造設計のうち、「溢水」は、溢水源がどこにあって、水がどのように流れるのかや、設備への影響の有無などを現場で確認した結果を説明しています。
 「可搬型重大事故等対処設備の保管・移動」は、対処設備が適切な位置に配置され、許可でお約束した要員数と所要時間で作業を確実に実施できるか現場で確認した結果を説明しています。
 次回の審査会合では、「溢水」について、「防護対象・設計対象施設の特定や基本的な設計の考え方および設計プロセス」の説明を終わらせたいと考えています。説明の全体計画についても見直しを行い、お示ししたいと考えています。
 MOXでは、第3回設工認で新たに設計方針から説明が必要な重大事故等対処設備の構造設計や、今回の申請対象設備である焼結炉および非常用所内電源設備の耐震評価結果について、ヒアリングでの説明を重ねており、準備が整い次第、審査会合で説明する予定です。
 
 引き続き、しゅん工・操業に向けて、安全を最優先にオールジャパン体制で取り組んでまいります。

再処理工場運転員の技術力の維持・向上

 次に、「再処理工場運転員の技術力の維持・向上」です。お手元の資料をご覧ください。
 当社は、再処理工場のしゅん工・操業をひかえ、運転員の技術力の維持・向上を図るため、フランスのラ・アーグ再処理工場や東海村のJAEAにおいて訓練を行っています。
 ラ・アーグでは、前処理・分離・精製工程の実機運転の経験を積むため、2021年度から2023年度まで計7回にわたって、延べ83名の運転員が訓練を行ってまいりました。この度、2026年度のしゅん工に向けて訓練を再開し、来月から4名、来年2月から2名の計6名を、それぞれ約1か月間、派遣することとしました。
 下の写真は今月22日に行った壮行式の様子です。私から運転員に対して、「操業後の安定運転に向け、実機運転を通して、再処理工場の運転員としての振る舞いや感覚を掴み、自信と責任をもって判断できる運転員になってもらいたい」という思いを伝えました。
 派遣する運転員からは、「操業後、自分たちが主体となって工場の運転を引っ張っていくという気概を持って訓練に臨みたい」、「地域の皆さまに安心いただけるよう、トラブルの未然防止や異常の早期発見ができる運転員に成長したい」といった意気込みを聞き、大変心強く思っています。
 当社運転員はラ・アーグで実機運転を経験することで、運転への自信をつけるとともに技術者としての感性も磨かれています。また、経験を通して得た最新の知見やノウハウを、他の運転員や社内で共有することとしています。
 ラ・アーグへの運転員の派遣は、運転員の技術力の維持・向上に繋がっていることから、しゅん工後も継続していきたいと考えています。
 
 当社事業は、地域の皆さまの信頼があって成り立つものであり、長年にわたって支えていただいている地域の皆さまへの感謝の気持ちを忘れることなく、これからも地域とともに歩み続け、地域の発展に貢献してまいります。

 本日、私からは以上です。