定例社長記者懇談会挨拶概要
本日は、「再処理およびMOXの設工認対応状況」と「低レベル放射性廃棄物埋設センター3号埋設施設の操業開始」についてご説明いたします。
再処理の設工認対応状況
まず、「再処理の設工認対応状況」です。
先月31日に開催された審査会合で、当社から、「年度内に審査での説明の進捗を確実なものとするため、耐震設計は、建物および機器が新しい地震動で耐震性を有していることの結果を一例で説明すること、構造設計は、新規制基準の肝である重大事故の条文について、設計プロセスから類型化まで説明することとしたい」と申し上げました。
具体的には、耐震設計では、機器・配管系に関して、対象施設の特定や設計プロセス等を説明し、特に再処理施設特有の機器であるパルスカラムの設計プロセスと評価方法等を説明しました。その結果の一部について「説明の全体計画」を前倒しして、年度末に示すこととしております。
構造設計では、竜巻の条文や重大事故の条文である水素爆発等に関して、対象施設の特定や設計プロセス等を、安全避難通路の照明等の条文に関して、具体的な設計結果や評価を説明し、大きな論点とはなりませんでした。
長﨑委員からは、全体計画に沿って、計画通り進んでおり、年度末にはある程度の設計結果等の説明ができる見通しが立ってきた、説明の形も出来上がってきた、とのコメントをいただいております。
明日開催される審査会合でも、全体計画に沿って耐震設計と構造設計を説明することとしています。
今後も進捗をしっかり管理しながら計画的に説明を進め、引き続き、しゅん工に向けて安全を最優先にオールジャパン体制で取り組んでまいります。
MOXの設工認対応状況
次に、「MOXの設工認対応状況」です。
2023年2月に申請したMOX燃料工場の第2回設工認について、昨年12月の審査会合で、「補正に向けた準備を適切に進めること」とのコメントがあり、今月14日、これまでの審査会合での議論の結果を反映した補正書を、原子力規制委員会に提出しました。
当社としては、早期に認可をいただけるよう、審査会合での説明内容を補正にどのように反映したかなどを丁寧に説明してまいります。
また、第2回の認可後に、第3回の申請を速やかに行えるよう、並行して準備も進めてまいります。
MOX燃料工場の建設現場では、現在も冬季対策を行いながら工事を進めていますが、先月31日、資機材倉庫へ搬入するために吊り上げていた大型機器を落下・横転させ、協力会社の社員1名が機器と地面の間に挟まれ、重傷を負うという重大な労働災害を発生させてしまいました。
怪我をされたご本人、ご家族の皆さまに心よりお詫び申し上げます。地域の皆さまにも多大なるご心配をおかけして誠に申し訳ございません。
原因は、吊り上げ治具の不良と作業エリアの安全確保を怠ったことであり、全ての事業部において、直ちに重量物を取り扱う作業の安全確認を行いました。さらに、今回の原因にあたる吊り上げ治具と同様の治具を使用している作業については、さらに適切な治具が使用されていることを確認し作業を再開しました。
重量物の取扱い作業にあたって、適切な吊り上げ治具を正しく使用しているかの確認を必ず行うことや、吊り上げ作業時に立ち入り禁止エリアを確実に設定するなど、二度とこのような災害を起こさないよう、再発防止対策を徹底しました。
当社全体で昨年度43件あった労働災害が、今年度は現在までに16件と減少していますが、労働災害はゼロがあるべき姿であり、「不安全な行動」と「不安全な環境」を徹底して取り除き、全社を挙げて現場の安全を確保してまいります。
低レベル放射性廃棄物埋設センター3号埋設施設の操業開始
最後に、「3号埋設施設の操業開始」についてです。お手元の資料をご覧ください。
3号埋設施設は、2021年7月に事業変更許可をいただき、工事を進めてきました。
昨年10月に、3号埋設を構成するピット全8基のうち2基の構築工事とクレーンの組立て作業が完了、来月5日に、低レベル廃棄物管理建屋へ3号埋設地に定置する初めての廃棄体を受け入れて、操業を開始します。
写真のように2020年当時更地だった場所で、2021年3月に掘削を始め、地表面から約21m下の岩盤まで掘り進め、岩盤検査後、2021年11月にピット構築工事を開始し、クレーンの組み立て・試運転なども含め、操業に向けて着実に作業を進めてまいりました。
これまで約260社、延べ5万人の方々に工事に携わっていただき、無事に操業できる状況になりました。地元企業の皆さまをはじめご協力いただいた方々に、この場をお借りして感謝を申し上げます。
2032年度までに全8基のピットを構築し、全体で約21万本の充填固化体を埋設する計画です。引き続き、全国の電力会社からの廃棄体を受け入れ、安全かつ安定的な操業を継続してまいります。
当社事業は、地域の皆さまの信頼と支えがあって成り立っているということを忘れることなく、これからも地域とともに歩んでまいります。
本日、私からは以上です。