定例社長記者懇談会挨拶概要
本日が今年最初の懇談会となりますので、「今年の抱負」を述べさせていただきます。
今年の抱負
今年は、国のエネルギー基本計画が決定し、その計画に沿って具体的な政策が形となる重要な年と認識しております。
昨年末に示されたエネルギー基本計画案では、再処理工場とMOX燃料工場のしゅん工を、必ず成し遂げるべき重要課題と位置付け、官民一体で責任を持って取り組むことが示されました。さらに、ウラン燃料のサプライチェーンを確保するため、戦略的にウラン濃縮に関する技術を維持することも示されました。
これらを踏まえ、私は年頭のメッセージで、「当社の活動そのものが国の方針や重要課題となっていることを認識し、日本が将来にわたって豊かな暮らしを維持するためには、当社事業が必要不可欠であるという誇りと責任を強く持って事業に取り組んでいこう」と全社員に伝えました。
各事業の今年の目標を具体的に申し上げますと、再処理事業は、「2026年度中」のしゅん工に向け、説明の全体計画通り、今年11月までに審査会合での説明を終えることです。
今月31日に開催される審査会合でも、「説明の全体計画」に沿って説明を行ってまいります。
また、審査を着実に進めることが大前提とはなりますが、今年は審査から検査へシフトしていく年となります。適切な検査により、設備が設工認の申請書で約束した通りに設計・施工されていることを確認できるよう、しっかりとした検査体制を構築してまいります。
燃料製造事業は、「2027年度中」のしゅん工に向け、第2回設工認の認可を得ること、そして、第3回の申請をできるだけ早期に行ってまいります。第2回の設工認の補正書については、これまでの議論の結果を反映する作業を進めているところであり、来月中に提出したいと考えています。
審査に加え、設備の設計・製作、工事、検査などの現場作業も、引き続き、安全を最優先に進めてまいります。
濃縮事業は、濃縮ウランの生産運転を続けている75トンの現在の設備を安全最優先で運転し、昨年7月に使用前確認証を受領した増設分75トンも生産運転を開始することで、150トン体制にしてまいります。
濃縮事業は、原子力発電を支える重要な技術であり、国から遠心分離機の製造や開発に関する支援もいただいております。濃縮ウランの供給や活用は国際的にも重要度が増しており、引き続き、ウラン濃縮技術の維持・向上に努め、国内外のエネルギーセキュリティの確保に貢献してまいります。
埋設事業は、引き続き、全国の電力会社からの廃棄体を受け入れ、安全かつ安定的な操業を継続してまいります。加えて、3号埋設施設の操業開始、モックアップ試験を通した覆土の施工方法の確立にも取り組んでまいります。
今年は各事業とも「現場を動かす年」になることから、「現場の安全」を何よりも大切にしたいと考えています。
プラントの安全と品質を確保するために、これまで以上に社員が現場に足を運び、現場に密着、精通することで、その作業を本当に進めて良いのか、設備の状態が健全に保たれているかを的確に判断できるといった現場力を向上させてまいります。
また、労働災害を撲滅するために、「不安全な行動」と「不安全な環境」を徹底して取り除き、現場の安全を確保してまいります。
お手元の資料をご覧ください。今私が申し上げた「今年の目標」や「現場の安全」について、各事業部長からも同様に、今年の決意として社員に伝えてもらっています。
当社事業は、地域の皆さまの信頼があって成り立つものであり、引き続き、当社社員と協力会社が一体となって、安全を最優先に事業を進め、一日も早い原子燃料サイクルの確立に向けてオールジャパン体制で総力を挙げて取り組んでまいります。
本日、私からは以上です。