発表•お知らせ
2024年12月25日

定例社長記者懇談会挨拶概要

 本日は、「再処理およびMOXの設工認対応状況」と、今年最後の懇談会となりますので、この1年を振り返らせていただきたいと思っています。

設工認の対応状況

 まず、「設工認の対応状況」です。
 今月20日に開催された審査会合で、再処理は耐震設計および構造設計を「説明の全体計画」に沿って計画通りご説明し、MOXは第2回設工認の全体像をご説明しました。
 再処理の耐震設計では、建物・構築物に関して、5つの施設の地震応答解析結果を、構造設計では、水素爆発対策などの条文に関して、対象施設の特定や設計プロセス等を、保安電源設備などの条文に関して、具体的な設計や評価をご説明し、大きな論点はございませんでした。 
 説明の全体計画を今後も規制庁と共通認識を持って進めていくことが重要であると考えており、よりきめ細かく進捗状況を共有できるように構造設計の設計項目を当初の約30項目から約150項目に細分化しました。また、左側に「説明ステータス」の欄を設け、進捗を把握し易くしました。引き続き、設工認にしっかりと対応してまいります。
 なお、今月の審査会合を踏まえた「再処理工場のしゅん工に向けた進捗状況」は、今週27日に当社ホームページに掲載しますので、ご確認いただければと思います。
 MOXについては、先月の審査会合で、2023年2月に申請した第2回設工認に係る全ての項目の説明が完了し、「全体像を整理して説明するように」とのコメントがあり、今回、第2回設工認の申請対象設備や説明項目の全体像を整理してご説明しました。
 規制庁から、「補正に向けた準備を適切に進めること」とのコメントがありましたので、これまでの議論の結果を適切に補正書に反映し、できるだけ早期に提出したいと考えています。
 再処理工場、MOX燃料工場ともにしゅん工に向け、引き続き、安全を最優先にオールジャパン体制で取り組んでまいります。

1年の振り返り

 次に、今年1年を振り返らせていただきます。
 今年は、女川、島根の原子力発電所の再稼働、むつ市の中間貯蔵施設の操業開始、我々のウラン濃縮工場の生産開始、上関町での中間貯蔵施設の地質調査、最終処分地の選定に向けては、寿都町、神恵内村で文献調査の報告書が取り纏められ、玄海町では文献調査が始まるなど進展しました。さらに、国の第7次エネルギー基本計画の策定に向けた議論も行われており、日本全体で「原子燃料サイクルの輪の確立に向けて動き出した」と言える年でした。
 ウクライナや中東情勢の悪化もあり、世界的にも原子力の必要性がカーボンニュートラルのみならず、エネルギーセキュリティ確保の観点からも見直された1年となったと思います。
 その中で8月に、原子燃料サイクルの中核である再処理工場とMOX燃料工場のしゅん工目標を変更し、皆さまにご心配をお掛けいたしましたが、この2つの施設を責任を持って、しっかりと動かすことが必要であると確信しています。
 
 当社の現場に目を転じますと、今年1月の懇談会で、私から1年の抱負として、「万が一の事故を想定し、現場での日頃の備えや、速やかに安全な状態に移行できるように、日頃から実践しておくことが重要である」と申し上げました。
 今年2月の厳冬期訓練、10月の原子力防災訓練、9月から12月に実施した青森県内4つの病院との緊急被ばく医療訓練など、1年を通じて様々な訓練を繰り返し行い、万が一の際にも確実に対応できるよう取り組んでまいりました。
 また、再処理工場を長期にわたって安全・安定的に運転していくため、保全業務見学会や当社施設を活用した教育・訓練など、地元企業の方々の参入促進に向けた取り組みも継続的に実施してまいりました。
 さらに今年は、昨年多かった現場での労働災害を撲滅すべく、作業における「危険予知」の感度を高め、更なる安全意識の向上を図ることを目的として、現場作業にあたる作業班ごとに、作業開始前のミーティングで、徹底的に危険予知のための議論も行ってもらいました。
 昨年43件であった労働災害が、今年度は現在までに13件と減少しています。確実に成果を出していただいていると、協力企業の皆さまには感謝しておりますが、災害はゼロにしなくてはいけないと思っています。
 引き続き、災害ゼロに向けて、「不安全な環境」と「不安全な行動」を徹底的に排除し、現場で働く全ての方々と力を合わせて、安心して働ける現場にしてまいります。
 お手元の資料に、今ご紹介したような「2024年の主な動き」を纏めましたので、後ほどご覧ください。
 来年は、再処理工場では、設工認の認可を目指し、計画的に説明を進めるとともに、設工認審査から検査へと円滑にフェーズを移していくこと、MOX燃料工場では、第2回設工認の認可取得と、第3回以降の設工認の審査対応に加え、建設工事を着実に進めること、ウラン濃縮工場と低レベル放射性廃棄物埋設センターでは、工事と操業を並行して進めてまいります。
 引き続き、当社と協力企業が一体となって、安全を最優先に事業を進めてまいります。

 最後に、昨日開催された「核燃料サイクル協議会」についてです。
 協議会では、宮下知事から「原子力・核燃料サイクル政策の推進」や「再処理工場のしゅん工・操業に向けた取組」などについて確認・要請が行われ、国から「原子力発電と核燃料サイクルの推進は、一貫した国の基本方針であり、六ヶ所再処理工場のしゅん工に官民一体で取り組む」ことが示されました。
 サイクル政策の推進が改めて示されたことは大変ありがたく、心強く思っており、一日も早い再処理工場、MOX燃料工場のしゅん工に向けて、責任を持って全力で取り組んでいかなければならないとの思いを強くしました。
 引き続き、青森県ならびに六ヶ所村の皆さまが私たちの事業を受け入れ、これまで支えてくださったことを忘れずに、安全を最優先に、原子燃料サイクルの確立に向け、当社と協力企業が一体となって取り組んでまいります。

 本日、私からは以上です。