臨時会見社長挨拶概要
県政記者会の皆さま、エネルギー記者会ならびに規制庁記者の皆さまにおかれましては、お忙しい中、急遽お集まりいただき、ありがとうございます。日本原燃の増田でございます。
本日は、再処理工場とMOX燃料工場の新たなしゅん工目標についてご報告させていただきます。
当社は、再処理工場のしゅん工を「2024年度上期のできるだけ早期」、MOX燃料工場のしゅん工を「2024年度上期」として、設工認の審査、工事および検査に取り組んでまいりましたが、審査に時間を要していることから、新たなしゅん工目標を、再処理工場は「2026年度中」、MOX燃料工場は「2027年度中」といたしました。
本件について、本日、電気事業連合会の佐々木副会長にご同席いただき、青森県の宮下知事ならびに丸井県議会議長へご報告、同時刻に弊社の大柿が、六ヶ所村の戸田村長ならびに鳥山村議会議長へご報告いたしました。
知事からは、「27回目の変更であり、新たな工程を示しても信頼できない」、「情報管理を徹底すること」、「会社として度重なる延期への責任をどう考えるのか」といったお言葉をいただきました。
村長からは「再度の延期は大変残念であり、遺憾であること」、「更なる延期は無いよう、全社員が一丸となって取り組むとともに、地域の経済対策、地域振興など、関係する全ての対策に万全を期すこと」、「エネルギー資源に乏しい我が国が選択した再処理という使命を今一度、社員皆で心に刻み、果たすべく役割に邁進してほしい」といったお言葉をいただきました。
度重なるしゅん工目標の見直しにより、青森県ならびに六ヶ所村の皆さまにご心配とご迷惑をお掛けし、誠に申し訳ございません。
知事、村長のお言葉をしっかりと受け止め、新たなしゅん工目標に向けて、全力で取り組んでまいります。
今回検討してまいりました、新たなしゅん工目標について、ご説明いたします。お手元の資料をご覧ください。まず、再処理工場についてご説明します。
(1)の設工認審査についてですが、耐震設計では、基礎となる地盤モデルに、既認可を踏襲することを意識しすぎ、データ活用ができていなかったため、最新のデータを用いた基本地盤モデルに見直しました。耐震評価では、地盤モデルを見直しても従来の評価結果を活用できると考えていましたが、基準適合性をしっかりと説明するため、全て再評価することとしました。
構造設計等でも、設計の考え方に基づき説明しようと考えていましたが、基準適合性を確実に説明するためには、全ての条文について設計の考え方そのものも見直す必要があると判断しました。
審査が長引いてきた原因は、ただいまご説明した既認可、過去の評価、過去の設計に固執したことにあったと考え、8月26日の審査会合で、再評価、設計の見直しを行うことをご説明しました。
以上のことから、審査の期間として2026年3月までの1年半を見込むこととしました。
次に、(2)の工事についてですが、先ほど申し上げた当初の設計の考え方そのものを見直すことにより、竜巻対策、火災対策および重大事故等対策に追加工事が必要となります。工事に必要な期間は、現時点では、新たなしゅん工目標に影響を与えないと見込んでいます。
(3)の検査については、これまで4~7か月として精査を進めてまいりましたが、至近の電力会社の検査実績等を踏まえ重大事故等対処訓練に要する期間を考慮した結果、認可後に9か月の期間を見込むこととしました。この期間には、認可後の工事も含んでいます。
これらをまとめ、審査に1年半、その後の検査に9か月、そこに不確定要素を加味して、再処理工場の新たなしゅん工目標を2026年度中としました。
次に、右側2のMOX燃料工場の新たな工程についてご説明いたします。
まず、(1)の設工認審査ですが、MOX燃料工場の設工認審査は初めてとなりますので、再処理工場との関連性および整合性の考慮など、説明方針の共通認識を得るまでに時間を要しました。
8月26日の審査会合での議論を踏まえ、第2回申請の説明計画を2024年10月とお示ししましたが、第3回、第4回の説明に要する期間も考慮し、審査期間を2026年5月までと見込むこととしました。
(2)の工事・検査については、設工認の認可後に実施する工事および再処理工場しゅん工後でなければ実施できない再処理工場との接続工事に要する期間を考慮し、さらに重大事故等対処訓練や検査の期間を加えた結果、工事・検査の完了時期を再処理工場しゅん工から約1年後としました。
以上のことから、MOX燃料工場の新たなしゅん工目標を2027年度中としました。
今後、再処理工場、MOX燃料工場とも、新たなしゅん工目標に向けて、着実に対応してまいります。
3に、今後の対応を示しますが、特に、しゅん工に向けた取組みを着実に進めていくための具体的な取組みとして、主なものを2つ示しました。
①引き続きステアリングチーム、プロジェクトマネージャを中心に、審査・工事・検査における課題について、論点や規制庁の指摘事項を的確に把握し、説明の充実を図ってまいります。
また、②今回お示しした「説明の全体計画」については、審査のスケジュール等を規制庁と共通認識を持ち、必要に応じて見直しを行い、進捗管理を徹底してまいります。
引き続き、電力、メーカをはじめ産業界全体からの支援を受けながら、新たなしゅん工目標に向け、安全を最優先にオールジャパン体制で取り組んでまいります。
当社事業は、地域の皆さまの支えがあって成り立っているということを忘れることなく、原子燃料サイクルの確立に向け、一日も早いしゅん工・操業を目指し、引き続き全力で取り組んでまいります。
本日、私からは以上です。