発表•お知らせ
2023年2月28日

定例社長記者懇談会挨拶概要

 お忙しい中、お集まりいただきましてありがとうございます。増田でございます。
 はじめに、今月22日に公表した再処理工場でのIAEA査察カメラによる監視の一時中断、ならびに、先月28日に公表した再処理事業所構内での消防車両火災につきまして、地域の皆さまや関係する皆さまにご心配とご迷惑をおかけしたことを深くお詫び申し上げます。

 本日は、「再処理工場でのIAEA査察カメラによる監視の一時中断」、「再処理事業所構内での消防車両の火災」、「設工認の対応状況」、「青森県・げんねんジュニアロボットコンテスト」の4点についてご報告させていただきます。

再処理工場でのIAEA査察カメラによる監視の一時中断

 まず、「再処理工場でのIAEA査察カメラによる監視の一時中断」です。 
 先月28日、前処理建屋の電気設備の点検のため、電源を停止した際、IAEAが使用済燃料の移動を監視するための査察カメラを設置している部屋で、約2時間にわたり、照明が全て消灯したため、カメラによる監視ができない状況になりました。
 この部屋は人が立ち入ることのできない部屋でセルと呼びますが、このセルでは、使用済燃料を貯蔵しているプールから燃料を1体ずつ横倒しにして、せん断装置へ送り出す作業を、遠隔で実施します。
 セルの中には、設備の運転を監視したり、設備の保守作業を行うために照明を設置しており、そこにIAEAの査察カメラも設置されています。
 照明には2つの系統の電気が供給されており、このうちの1つの系統の電気を点検のために切ったときに、もう1つの系統の照明が全て球切れしていたため部屋が真っ暗になってしまい、査察カメラによる監視ができなくなりました。
 点検を行っていた時間、すなわち照明が消灯していた時間は約2時間ですが、その間、燃料の移動は行っておらず、設備の操作も行っていませんでした。
 査察カメラによる監視ができない状況となったため、今後、IAEAや国により、当該時間帯に使用済燃料が移動されていなかったことを確認すると聞いています。
 なお、IAEAの査察カメラによる監視は、現在は、正常に行われています。
 事象発生後、日々の運転員のパトロールで照明を確認し、球切れがあればその情報を不適合に登録して共有することで、社内の関係者が認識できるようにし、さらに全体を統括する工場長のもとで、各組織の活動を見ていく体制とします。
 今月22日には、原子力規制委員会から、適確な原因究明と再発防止対策の実施と報告を求める指導文書を受領いたしました。
 核燃料物質を扱う事業者として、本事象は保障措置の観点からあってはならない事象であると大変重く受け止めております。監視ができない状況に至った原因究明と再発防止対策を速やかに取りまとめ、原子力規制委員会へ報告します。

再処理事業所構内での消防車両の火災

 次に、「再処理事業所構内での消防車両の火災」です。
 今回の事象は、再処理事業所内で自衛消防隊とともに配備している消防車の点検のために暖機運転を行っていたところ、運転席後方のエンジン部分から出火したものです。
 2月21日に、公設消防、警察、車両メーカによる現地調査や整備工場での車両の調査を行った結果、エンジン部分から漏れ出たエンジンオイルによる火災と推定されています。
 現在、なぜエンジンオイルが漏れ、火災に至ったのか、使用環境や日常の取り扱いに問題がなかったのかも含め、車両メーカとともに原因究明を進めており、特定でき次第、しっかりと再発防止対策を講じてまいります。
 当社が保有する消防車や電源車等の車両については、原因が特定されるまでの間、オイル漏れが発生したと考えられるエンジン部分にオイルの漏れやにじみがないか、エンジンを動かす前後に目視確認を行うことで、監視を強化しています。
 今後、このようなことで地域の皆さまにご心配をおかけしないよう、安全を最優先に取り組んでまいります。ご心配をおかけしましたことを、重ねてお詫び申し上げます。

設工認の対応状況

 次に、「設工認の対応状況」です。
 再処理については、21日の審査会合で、先月規制庁からご理解いただいた当面の説明方針に沿って、耐震と竜巻に関する条文の申請対象設備の分類結果と、その結果を踏まえた条文ごとの説明事項をお示ししました。
 今回ご説明した耐震と竜巻に関する条文については、ご理解いただきましたので、第2回設工認申請全体の分類結果を審査会合でご説明していきます。
 耐震は、設備全体に関連することから優先して説明を進めるため、まずは建屋や設備の耐震評価の前提となる地盤モデルから説明します。平均地盤モデルを用いるにあたり、MOXの第1回設工認で地盤モデルの検討に用いたものと同様の考え方で、丁寧に分析・考察して説明していきます。
 第2回設工認申請書の誤記や落丁については、1月の審査会合で厳しいご指摘がありましたが、申請書を総ざらいで確認しており、申請書の作成に関わったすべての部署へ聞き取った内容を踏まえて、徹底的に原因分析を行っているところです。
 しっかりと再発防止対策を講じ、次回の審査会合でご説明してまいります。

 MOXについては、本日、4分割で申請する設工認の第2分割を申請します。今回の申請は、建設工程を踏まえて先行して搬入が必要な燃料の貯蔵・組立など大型機器を対象としています。

  再処理、MOXいずれの設工認も、早期に認可をいただけるよう、今後ヒアリングや審査会合の場で丁寧にご説明してまいります。

青森県・げんねんジュニアロボットコンテスト

  最後に、今月11日に六ヶ所村総合体育館で開催させていただいた「青森県・げんねんジュニアロボットコンテスト」についてです。お手元の資料をご覧ください。
 このコンテストは、青森県の未来を担う小中学生の皆さんに、ロボット製作を通じて「科学する楽しさ」を体験し、科学に対する興味や物づくりへの関心を深め、創造性豊かに成長していただくことを目的に、1999年度から実施しているものです。
 これまでに24回、延べ約5,100名の小中学生の皆さんにご参加いただき、歴代の参加者の中には、企業の第一線でロボット製作の仕事に携わり、活躍されている方や、当社の技術者として活躍している方もいます。
 今回、新型コロナウイルスの影響で3年ぶりの開催となりましたが、県内10市町村、138名の小中学生の皆さんに参加いただくことができ、大変嬉しく思っています。
 当日は、選手たちが何ヶ月もかけて作ったロボットで、白熱した戦いを繰り広げてくれました。私も、会場で熱戦を見届けましたが、日々の練習で磨いたロボットの操作技術を最大限発揮し、仲間と力を合わせて最後の1秒まで諦めずに奮闘する選手たちの姿を見て、本当に心強く、そして頼もしく感じました。
 参加した選手からは「自分が作ったロボットがちゃんと動いて嬉しかった」「ほかのチームのロボットがよくできていた。来年はもっと工夫してロボットをレベルアップさせたい」といった感想も寄せられました。
 また、「医療用のロボットアーム製作に携わりたい」「自動車の整備士になりたい」という将来の夢を教えてくれた子もいました。
 コロナ以降、ロボット製作に限らず、あらゆる活動が制限されてきた中で、県内の小中学生が1つの会場に集まり、自作のロボットを披露し合い、お互いに交流する機会を作ることができ、本当に良かったと思っています。
 引き続き、このような様々なイベントを通じて、子ども達の科学する心を育み、交流する機会を提供していきたいと考えています。
 当社は、これからも地域に根差す企業として、地域とともに発展するための活動に積極的に取り組んでまいります。

 本日、私からは以上です。