発表•お知らせ
2023年1月25日

定例社長記者懇談会挨拶概要

 本日は初めに、昨年の振り返りと今年の抱負を述べさせていただき、「設工認の対応状況」、「社史の発刊」の2点についてご報告させていただきます。

 まず、昨年を振り返りますと、各事業とも、設工認審査や安全性向上対策工事が進捗し、当社の使命である原子燃料サイクルの確立に大きく近づく一年だったと思っています。
 再処理事業については、12月21日に第1回設工認の認可をいただき、26日には、最終回となる第2回設工認を申請することができました。現場でも、安全性向上対策工事を約97%まで進めることができました。廃棄物管理事業についても、12月26日に再処理に合わせて全ての設備の設工認を申請することができました。
 燃料製造事業については、9月14日に4分割を考えている設工認のうちの第1分割の認可をいただき、建屋の建設工事が本格化しました。埋設事業については、安全・安定的に受入れを継続するとともに、3号埋設施設の2023年度操業開始に向け、ピット構築工事を開始しました。濃縮事業については、2月4日に最終回となる第5回設工認の認可をいただきました。現場でも、非常用電源設備の安全性向上対策工事等が完了しています。
 濃縮事業では、安全性向上対策工事の一部に作業性の悪いエリアがあり、作業の安全と品質の確保を最優先に取り組んだことにより、計画通りに作業が進んでいない部分が出てきました。生産運転再開までの工程を見直さざるを得ないと考えていますので、新たな再開時期を速やかに決定しお知らせします。

 次に、年頭にあたり、今年の抱負を述べさせていただきます。
 今年は、サイクルの将来を決める重要な年であり、各事業とも目標に向かって着実に進んでいく一年にしたいと考えています。
 どの事業においても、目標を達成するために、何よりも大切にしなければならないのは「現場の安全」だと確信しています。昨年12月に3件の重篤な労働災害を発生させ、皆さまにご心配をおかけしております。災害発生後、直ちに全ての土木建築工事を中断し、現場の総点検を実施しています。当社と協力会社双方で、工事毎に作業の手順や現場の作業環境を再点検し、必要な対策を講じ、安全に作業を行えると確認できたものから順次作業を再開しています。安全を最優先に工事を進めることが、目標を達成するうえで最も近道だと考えておりますので、本年の労働災害を“ゼロ”とすべく、現場で働く全ての仲間が安心して、安全に働けるように、不安全な環境を排除し、不安全な行動を撲滅してまいります。
 今年の各事業の目標を少し具体的にお示しします。再処理事業と廃棄物管理事業では、昨年末にお示しした「2024年度上期のできるだけ早期」のしゅん工を達成するため、今年中に設工認審査を完了すること、燃料製造事業では、2024年度上期のしゅん工に向けて建屋の工事を計画通りに進めること、合わせて、再処理と並行して設工認審査を計画通りに進めること、埋設事業では、1号埋設施設の7群の操業を開始することと1号埋設施設の1群から覆土を開始すること、濃縮事業では、生産運転を再開することが各事業の今年の目標であり、必ず成し遂げたいと思っています。

設工認の対応状況

 次に、再処理の「設工認の対応状況」です。
 先月26日、最終回となる第2回設工認を申請し、年明けから、規制庁とヒアリングを重ねてまいりました。先日23日の審査会合で、第2回申請の概要と当面の説明方針をお示しし、規制庁からご理解をいただけたと思っています。今後、この方針に従って、説明を開始してまいります。
 一方で、誤記や落丁が多い、計算結果が判定基準を満足していない状態のままの計算書が入っているといった、申請書としての不備について厳しいご指摘をいただいております。第1回設工認の際、体育館に集合し横の連携を強くする、レビューチームを設置する等、しっかりした審査対応を行うための体制を、様々な対策として行ってきたにもかかわらず、なぜ、それが今回機能しなかったのか、原因を分析しているところです。分析結果を踏まえて、再発防止策を図りたいと考えています。
 引き続き、1日も早い認可に向けて全力で取り組んでまいります。

社史の発刊

 次に、「社史の発刊」についてです。お手元の資料をご覧ください。
 当社は、1992年7月1日の設立からおかげさまで30周年を迎えることができました。青森県ならびに六ヶ所村の皆さまのご理解とご支援の賜物と心より感謝申し上げます。
 日本原燃サービス、日本原燃産業の設立時期まで含めますと約40年の長きにわたり、国のエネルギー政策に協力し、当社施設を受入れていただいた地域の皆さまの思いや、立地から現在に至るまでの皆さまからいただいたご厚情を決して忘れることなく、私を含め、社員がしっかりと認識すること、そして今後、日本原燃を担う次世代の社員にも継承していくことを目的に、当社のこれまでの歩みを「日本原燃株式会社30年史」として取りまとめました。
 社史は、全体で約520ページ、当社の歩み、地域の皆さまからお寄せいただいたメッセージなどを中心に構成しました。当社の歩みでは、1950年代に日本が原子力や原子燃料サイクルを推進しはじめた頃から現在までの主な出来事を5つの時期に分けてまとめました。地域の皆さまからのメッセージでは、六ヶ所村の戸田村長や髙橋議長をはじめ、多くの皆さまからご寄稿いただいております。この他にも、長芋焼酎「六趣」の誕生や「青森県・げんねんジュニアロボットコンテスト」の開催といった、地域の発展のための取組みなども掲載しました。
 社史の作成にあたって、ご協力いただいた皆さまにこの場をお借りして御礼申し上げます。本当にありがとうございました。
 社史は年末にお配りしたのですが、ご覧いただいた方から、「長きにわたる六ヶ所村と日本原燃との関わりを知ることができる貴重な資料」、「30年の記録を後世に語り継いでいくことは大変重要なこと」といった感想もいただいています。
 当社の事業は、地域の皆さまの信頼があって初めて成り立つものであり、長年にわたって支えていただいている地域の皆さまへの感謝の気持ちを忘れることなく、これからも地域とともに歩み続け、地域の発展に貢献してまいります。

 最後になりますが、再処理の新たなしゅん工時期について、今月10日に六ヶ所村議会でご説明させていただきました。
 13日には、西村経済産業大臣にご報告させていただき、大臣からは、「安全審査等に確実かつ効率的に対応するため、電力事業者やメーカー・ゼネコンからの支援も得ながら、全力で取り組みを進めること」、「技術力や安全性の更なる向上に着実に取り組むとともに、現場での事故防止を徹底すること」、「事業の最新の状況について、引き続き、地域や国民の皆さまにしっかり説明すること」の3点をご要請いただきました。
 今月20日には、青森県議会でご説明させていただき、来月3日に開催される県議会の原子力・エネルギー対策特別委員会でも、委員の皆さまのご意見やご指摘にしっかりとお応えする所存です。
 引き続き、原子燃料サイクルの確立に向け、一日も早いしゅん工・操業を目指し、私が先頭に立って、オールジャパン体制で総力を挙げて取り組んでまいります。

 本日、私からは以上です。