発表•お知らせ
2022年9月7日

臨時会見社長挨拶概要

 県政記者会のみなさま、エネルギー記者会ならびに規制庁記者控室のみなさまには、お忙しい中、急遽お集まりいただきましてありがとうございます。日本原燃の増田でございます。
 本日は「再処理工場のしゅん工時期の見直し」についてご報告させていただきます。

再処理工場のしゅん工時期の見直し

 当社は、原子力規制委員会より2020年7月29日に再処理工場の新規制基準への適合性に係る事業変更許可をいただきました。これにより、当社が行うべき安全性向上対策の内容が確定したため工程を精査し、同年8月、しゅん工時期を「2022年度上期」と決め、計画通りのしゅん工達成に向けてオールジャパン体制で取組んでまいりました。2020年12月に、第1回の設工認の認可申請を行いましたが、現在も審査が続いている状況にあります。 
 したがって、2022年度上期としていた再処理工場のしゅん工時期は残念ながら達成できず、見直さざるを得ないこと、また、新たなしゅん工時期については、この設工認の審査の進捗に依る所が大きいことから、次回申請する設工認の主要な議論のポイントの整理や審査の状況を見極められる時期に決定すべきと判断し、公表時期を年内とすることを本日決定いたしました。

 先ほど、このしゅん工時期の見直しについて、青森県三村知事ならびに三橋県議会議長、六ヶ所村戸田村長ならびに髙橋村議会議長にご報告してまいりました。
 三村知事からは、しゅん工時期を示さないことに対する大変厳しいお言葉がありました。年内のしゅん工時期の報告にあたっては、「これまでの審査の遅延について、原因分析を行った上で着実な進捗を確保できることを示すこと」、「その上で、目標時期を含めしゅん工までの進め方を示すこと」とのご要請もいただきました。
 戸田村長からも時期を示さないことに不信感があるとのお言葉がありました。また、「安全を第一に現場の工事を進めるとともに、しゅん工延期による地元経済への影響を深刻に受け止め、その対策を講じること」とのご要請をいただきました。
 お二人のお言葉をしっかりと受け止め、しゅん工までの進め方を見極め、早期にしゅん工時期をお示しするとともに、地元経済へ十分配慮してまいります。

 まず、しゅん工時期を変更するに至った理由についてご説明させていただきます。
 六ヶ所再処理工場は国内唯一の施設であり、設備数も膨大であることから、設工認申請にあたっては、3回に分割して申請することとし、その1回目をその後の申請を効率的に進めるための基本とすべく、機器の数を絞って2020年12月に申請させていただきました。
 この設工認は、新規制基準への適合性審査のもとで初めてのものであり、前例がないため申請書に記載すべき事項の整理や申請対象設備の明確化を行うことに時間を要しました。また、冷却塔の竜巻防護対策である飛来物防護ネットの耐震評価など、技術的な課題に対する説明にも時間を要したことが、審査が長期化する要因となったと考えております。
 しかしながら、設工認の審査は、私どもの施設が安全上の要求を満足していることの確認や、さらなる安全性の向上に必要であることから、今後ともしっかりと対応していく必要があると考えています。

 次に、新たなしゅん工時期の考え方についてご説明します。工程の見直しにあたっては、より確度の高い工程をお示しするために、現在、安全性向上対策工事、設工認の審査および検査の3つの要素に分けて検討しております。
 1つ目の安全性向上対策工事については、設工認の認可後に実施する既設配管への繋ぎ込み等の工事以外は、上期末に約95%が完了する見込みです。
 当初計画から遅延している工事としては、コロナ情勢等の影響を受け、数多く必要とする半導体などの部品調達が遅れている火災感知器や情報把握計装設備を設置する工事や、設工認の審査を通じて安全性の更なる向上の観点から新たに行うこととした地下水排水設備や北換気筒の耐震補強工事等があります。現在これらの工事を、いずれも2022年内に終了する計画で進めております。
 設工認の認可後に実施する工事については、認可後速やかに完了できるよう工事工程を検討しているところです。

 2つ目は設工認の審査についてです。第1回の設工認の審査は、最終段階まで来ています。7月末には補正申請を行い、現在は再補正に向けた準備を進めています。
 審査対応をより効率的に進めるため、残りの設工認は、当初2つに分割する計画であった申請を一括して11月に申請する形で準備を進めており、また、類型化の考え方や地盤・耐震などの主要論点の整理も進めているところです。これらの対応を着実に進めることにより、年内には設工認審査の見通しを得ることができると考えております。
 また、審査対応においては、これまでも、統一感のある資料作成や、ヒアリングでの適切な説明のために、電気事業連合会や電力各社、各メーカの協力を頂いておりました。
 今般、電気事業連合会に「サイクル推進タスクフォース」を設置いただき、技術面やマネジメント面の課題への対応がより強化され、確実な審査対応ができると考えており、早期認可を目指してまいります。

 3つ目の検査については、設工認の申請後に当社が行う使用前事業者検査と、認可後に規制当局により行われる使用前確認の2つの検査があります。
 使用前事業者検査については、設工認の認可後に実施する工事が完了後、速やかに完了させるよう計画を立ててまいります。
 使用前確認は、当社が具体的期間を特定できるものではありませんが、設工認における類型化の考え方を参考に、立会対象および検査の期間を見積り、今後、具体的な期間を見極めてまいります。

 しゅん工時期を見直すこととなり、地域の皆さまにご心配、ご迷惑をおかけすることを大変申し訳なく思っております。
 当社事業は地域の皆さまの支えがあって成り立っているということを忘れることなく、安全の確保を最優先に、当社社員、協力会社が一丸となって、地域の皆さまにご安心いただけるよう、原子燃料サイクルの確立に向け、一日も早いしゅん工・操業を目指し、引き続き責任を持って全力で取り組んでまいります。

資料

再処理工場のしゅん工時期の見直しについて

以上