発表•お知らせ
2022年3月30日

定例社長記者懇談会挨拶概要

 本日は「設工認の対応状況」、「ラ・アーグ再処理工場における第2陣の運転訓練」、「ウラン濃縮工場の操業30周年」、「2022年度入社式」の4点についてご報告させていただきます。

設工認の対応状況

 まず「設工認の対応状況」です。
 先月28日の審査会合では、再処理は、飛来物防護ネット架構の設計に用いる解析モデルの妥当性の検証結果と、基準地震動全13波に対する影響評価結果をご説明し、一部データ拡充や考察を深めるように、とのご指摘はありましたが、概ねご理解いただきました。これにより、再処理の第1回申請に関する技術的な議論は終了したものと考えております。
 MOXは、基準地震動を1.2倍した地震力でも重大事故等に対処するために必要な設備の機能が維持できると評価した結果をご説明しました。規制庁からは、事業許可の段階の議論まで遡り、評価結果だけでなく、評価に至る過程を整理し、設備の配置や構造も踏まえて改めて説明するように、とのご指摘がありました。
 今後、審査会合で、MOXで想定する重大事故とは何か、重大事故等に対処する設備の配置や構造はどうなっているか、1.2倍の地震力に対する設備の耐震設計の考え方を整理し、これらを踏まえて建屋への耐震要求事項を抽出し必要な設計方針を示す、といった流れで順序立ててご説明していく必要があると考えています。
 第1回設工認の補正書については、再処理は、MOXで整理した申請書記載事項を反映する作業がほぼ終了し、現在、社内で最終確認を行っています。来月から順次ヒアリングでご説明し、その後速やかに補正書を提出したいと考えています。MOXについては、議論が残っている重大事故等対処の成立性確認の審査を踏まえ、議論の結果を補正書に反映し、提出したいと考えています。
 引き続き、設工認対応に全力で取り組み、計画通りのしゅん工を目指してまいります。

ラ・アーグ再処理工場における第2陣の運転訓練

 次に、「ラ・アーグ再処理工場における第2陣の運転訓練」です。
 当社は、再処理工場のしゅん工、その後の安全・安定操業を見据え、運転員の技術力の維持・向上のため、昨年11月の第1陣を皮切りに4回に分けて、フランス オラノ社のラ・アーグ再処理工場で訓練を行うこととしています。
 今月14日から、その第2陣の運転員11名がラ・アーグにて、第1陣と同様に起動・停止操作を中心に訓練を行っています。訓練中の運転員からは、「机上では学べないパラメータの細かな挙動が確認できた」、「使用済燃料のせん断時に、燃料が落下する音を聞いて、運転している実感が湧いた」といった声を聞いています。
 第2陣の運転員には、実機の運転に加え、運転中の機器の不具合への対処についても学び、自信を持って元気に戻ってきて、他の運転員に共有してほしいと思っています。
 引き続き、国内外の新型コロナウイルス感染状況も勘案しながら、第3陣、第4陣の派遣も行ってまいります。

ウラン濃縮工場の操業30周年

 次に、「ウラン濃縮工場の操業30周年」についてです。お手元の資料をご覧ください。
 おかげさまでウラン濃縮工場は、1992年3月の操業開始から、今月で操業30周年を迎えることができました。当社施設を受け入れ、これまで長年にわたり、ご支援いただいた青森県ならびに六ヶ所村をはじめ地域の皆さまに心より御礼申し上げます。
 左側に写真でお示ししていますが、1985年に青森県ならびに六ヶ所村と立地基本協定を締結させていただき、多くの地元企業の皆さまのお力をお借りして、ウラン濃縮工場を建設しました。1991年に安全協定を締結、1992年に日本初の商業用ウラン濃縮工場として、操業を開始することができました。2000年から技術開発センターにて、オールジャパン体制で新型遠心機を開発、2012年からは新型遠心機による生産運転へと移行しました。
 操業当時、濃縮事業に携わる社員は、電力や動力炉・核燃料開発事業団などの方々が主体でしたが、現在は、約330名のうち7割を超える青森県出身者が中核となって事業を進めています。
 右上の写真は、今週28日に開催した30周年記念式典の様子です。
 現在、44社約350名の協力企業の皆さまに工場の運営や維持管理にご協力いただいており、私から皆さまにあらためて御礼を申し上げ、操業当初から携わっていただいている地元企業2社に感謝状をお渡ししました。
 記念式典において、ロシアのウクライナ侵攻による原油や天然ガスの価格高騰、今月16日の福島県沖を震源とする地震で火力発電所が停止したことに伴う国内の電力需給ひっ迫など、エネルギーセキュリティ確保の危うさが大きな話題となっていること、2050年カーボンニュートラルの目標を達成する必要があること、この両方の観点から、原子力発電は重要な電源であり、そのメリットを最大限享受するための原子燃料サイクルの確立も必須であること、ウラン濃縮事業は、この原子力発電を支える要の技術であり、当社が持つ濃縮技術を維持、継承し、しっかりと操業することが国産の安定したエネルギーを確保する上で、とても重要であることを感謝の言葉とともに皆さんに伝えました。
 今後も地域の皆さまへの感謝の気持ちを忘れることなく、地域とともに発展できるウラン濃縮工場を目指してまいります。

2022年度入社式

 最後に、「2022年度入社式」についてです。
 2022年度は80名の新入社員を迎え、4月1日に六ヶ所村文化交流プラザスワニーにおいて入社式を行う予定です。新入社員のうち8割にあたる64名が青森県出身者です。全社員に占める青森県出身者の割合は、6割を超えました。希望に満ち溢れた多くの仲間が加わり、その若さと熱意が職場に新しい風を吹き込んでくれることを大変うれしく、心強く思っています。
 地球環境をこれ以上悪化させずに、資源に乏しい日本が豊かな生活を維持しながら発展していくため、当社の使命である「原子燃料サイクルの確立」に向けて、新しい仲間たちも加えて一緒に取り組んで行きたいと考えています。

 
以上