発表•お知らせ
2021年11月25日

定例社長記者懇談会挨拶概要

 本日は「低レベル放射性廃棄物埋設センター3号埋設施設の本格工事開始」、「設工認申請の対応状況」、「ラ・アーグ再処理工場での運転員の訓練」の3点についてご報告させていただきます。

低レベル放射性廃棄物埋設センターの3号埋設施設の本格工事開始

 まず、「3号埋設施設の本格工事開始」です。
 3号埋設施設は、先月26日から行った検査で、岩盤の健全性が確認できたことから、今月12日、岩盤へのコンクリート打設をもって、本格工事を開始しました。皆さまにはご取材いただき、ありがとうございました。
 今後、年内にピット2基分の岩盤へのコンクリート打設を終え、来年春から躯体の構築工事に取り掛かる予定です。2023年度の操業開始に向けて、引き続き、安全最優先で工事を進めてまいります。

設工認申請の対応状況

 次に「設工認申請の対応状況」です。
 今月15日の審査会合では、MOX燃料加工建屋の耐震評価と、冷却塔の飛来物防護ネットの液状化による冷却塔本体への波及的影響評価についてご説明しました。
 MOX燃料加工建屋の耐震評価については、入力地震動の妥当性に関する解析結果をお示しし、概ねご理解をいただきました。
 飛来物防護ネットの液状化による冷却塔への波及的影響評価については、先月の審査会合でのご指摘を踏まえ、基準地震動全13波に対して、短時間で評価できる合理的な解析モデルを用いることをご説明しました。その際、詳細な解析モデルと比較しても保守的であることを、科学的・技術的に説明するようご指摘をいただきましたので、次回の審査会合でご説明できるように用意を進めているところです。
 これまでの審査対応では、部門間での横並びが取れていない、担当者によって記載・表現が統一されていない等いくつかの課題がありましたが、これらは、関係する部門が多岐に渡り、コミュニケーションが上手く取れなかったことによるものと考えています。
 これらの課題を解決するために、先月この場で、「記載ルールの再徹底や設工認事務局による管理の徹底などの改善を図る」、とお伝えしましたが、さらにこれを強化するため、今月から、再処理とMOXの設工認対応者約350名が1箇所に集結して作業できる体制とすることとしました。また、再処理、MOX合わせて設工認全体を俯瞰し、総括する責任者を任命することで、適切な判断を下すことができるようにします。この体制の下で、申請対象設備の明確化については、申請書本文や添付書類の記載内容の整理を進めているところです。
 引き続き、様々な改善をしっかりと実施していくことで、12月の補正書提出に向け、頑張ってまいります。

ラ・アーグ再処理工場での運転員の訓練

 次に、しゅん工、操業に向けた様々な取り組みの一つである「ラ・アーグ再処理工場での運転員の訓練」についてご説明します。お手元の資料をご覧ください。
 当社再処理工場は、2008年以降、本格的な運転を実施していないことから、しゅん工を見据え、長期間停止していた設備を立ち上げ、安全・安定操業を続けていくために、運転員の技術力の維持・向上が不可欠だと考えています。その一環として、今月よりフランス オラノ社のラ・アーグ再処理工場で運転員の訓練を開始しました。
 これまで新型コロナウイルスの影響で派遣を見合わせてきましたが、国内外の感染状況を踏まえ、今週22日から、運転員12名を渡仏させ、訓練を行っています。訓練期間は1回あたり約1ヶ月、2022年度上期のしゅん工までに4回、約50名を派遣する予定です。
 訓練では、操作や監視項目が多く、設備の把握が重要となる起動や停止操作も含めて経験できるように、ラ・アーグの運転状況を勘案して、時期を選定しました。また、フランスの運転員とともに運転を経験することで、運転ノウハウも習得できると考えています。
 上の写真は、今回、訓練のために渡仏する12名を送り出した時の様子です。彼らには、貴重な実機の運転を通して、注意すべき勘所を掴んでもらい、是非、「自分たちの力で、計画通りプラントを立ち上げ、安全に運転できる」という自信を持てるまで訓練を積んで来てもらいたいと思っています。
 下の写真は、約20年前にラ・アーグで訓練を行った時の写真です。この時の訓練の成果や課題を踏まえて、今回の訓練対象者や訓練のタイミング、期間、訓練内容を計画しました。
 帰国後、今回の訓練での経験、蓄積したノウハウを、他の運転員とも共有することで、運転員全体の技術力の維持・向上を図り、再処理工場のしゅん工、その後の安全・安定操業に向けた体制を確立していきます。

 最後になりますが、今月8日に、萩生田経済産業大臣に弊社施設をご視察いただき、再処理工場のしゅん工に向けた安全性向上対策工事を始め、施設の状況についてご確認いただきました。衆院選の直後にも関わらず、弊社施設をご覧いただいたことを大変ありがたく思っています。
 萩生田大臣から社員への訓示では、当社が進める原子燃料サイクルについて、「国として引き続き堅持し、安全かつ着実に進める」、「しゅん工にむけて総力を挙げて取り組んでほしい」といったお言葉を頂戴しています。
 大臣のお言葉を、社員全員が深く心に刻み、当社、グループ会社、協力会社が一体となって、引き続き、六ヶ所村をはじめ青森県の皆さまのご理解とご協力をいただきながら、再処理工場、MOX燃料工場をしゅん工、操業させ、サイクルの確立に向けて全力で取り組んでまいります。

 本日、私からは以上です。