定例社長記者懇談会挨拶概要

設工認申請の対応状況

　まず、「設工認申請の対応状況」です。
　先月30日の審査会合において、申請対象設備の明確化と分割申請計画、耐震についてご説明しました。
　申請対象設備の明確化については、発電炉の考え方を取り入れて整理し直し、大分時間がかかってしまいましたが、再処理で約4万点、MOXで約1万2千点の設備の抽出を完了しました。
　現在、抽出した設備一つ一つが事業許可と技術基準のどこに該当しているか、抽出できていない機器はないかを最終確認しているところです。また、並行して、これまでの審査会合を踏まえた申請書本文や添付書類の補正作業も進めています。
　分割申請計画については、申請対象設備の工事の期間、時期を考え、再処理は9分割、MOXは7分割し、それぞれ3回と4回に分けて申請する考え方をご説明しました。
　耐震については、第1回設工認申請設備の入力地震動の算定に用いる地盤モデルについてご理解いただき、現在、施設の耐震評価をあらためて実施しているところです。
 　引き続き、電力の支援を受け、来月の補正書の提出に向けて、しっかりと準備してまいります。

　ウラン濃縮工場については、先月31日に5回目の設工認の申請を行いました。六フッ化ウランが漏えいした際に、作業員を被ばくから守るための設備の設置など、新規制基準の追加安全対策として最後の申請となります。

　低レベル放射性廃棄物埋設センターについては、今月7日に保安規定の認可をいただきました。来月には、廃棄体の受け入れを再開する予定です。
　現場では、先月開始した1号埋設施設7、8群ピットの構築工事や、来月から開始する3号埋設施設のピット構築に向けた掘削作業を進めています。

　高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センターについては、新たに地下水排水設備の耐震補強工事が必要となったことから、安全性向上対策工事の完了時期を1年延期し、2022年度上期へ変更しました。
　今後、電力の計画に沿ってガラス固化体を受け入れられるよう、今回お示した期間の中でしっかりと工事を進めてまいります。

新型コロナウイルス感染拡大防止に向けた取り組み

　次に、「新型コロナウイルス感染拡大防止に向けた取り組み」についてです。
　当社は、これまでに約100名の陽性者と4件のクラスターを発生させてしまいました。特に8月中旬以降、78名の陽性者と3件のクラスターを発生させており、地域の皆さまに大変なご心配をお掛けしておりますことを、あらためてお詫び申し上げます。本当に申し訳ございません。
　当社は、社員、協力企業が一体となって、これまで、県外出張や県外からのご視察受け入れの自粛、ワクチンの職場接種など様々な対策を講じ、感染拡大防止に取り組んできましたが、クラスターの発生や先月27日に公表された青森県感染緊急対策パッケージに従い、今月1日より対策を一層強化しました。
　具体的には、人の流れを抑制し、人同士の接触の機会を減らすため、緊急事態宣言地域などへの出張の原則禁止、県内出張も自粛、在宅率5割などの対策を講じています。
　さらに構内で働くすべての方々に感染拡大防止対策を徹底するため、役員を含む当社幹部が協力会社の現場や事務所の朝礼に参加し、取り組みの必要性を直接お話しし、対策の徹底を要請しています。
　対策強化後、約1ヶ月が経ち、陽性者の発生はおかげさまで減少傾向にありますが、気を緩めずに、地域の皆さまにご心配をかけることのないよう、引き続き、当社社員、グループ会社、協力会社が一丸となって、更なる感染拡大防止対策に取り組んでまいります。

オンライン施設見学

　最後に、「オンライン施設見学」です。お手許の資料をご覧ください。
　当社では、再処理工場やMOX燃料工場のしゅん工、その後の操業が近づいてきたことから、一人でも多くの皆さまに施設の仕組みや安全対策の取り組み状況を知っていただきたいと考えていますが、新型コロナウイルスの影響により、施設を見学いただく機会が減っています。こうした状況を踏まえ、10月18日から、オンライン施設見学「げん旅オンライン」と「げん旅クリックツアー」を開設することとしました。
　2項目目の「げん旅オンライン」は、当社とお客様をウェブでつなぎ、当社説明者が施設の映像をご説明し、実際の見学会と同じように、皆さまの疑問にその場でお答えします。工場に入るための移動や手続きがなく、約1時間で当社の主要な施設を見学いただくことができます。さらに、普段は見ていただく機会のない使用済燃料の移送状況や高レベル放射性廃棄物の検査状況なども、「げん旅オンライン」限定の特別映像としてご用意し、当社の施設や活動について少しでもご理解いただければと思っています。
　3項目目の「げん旅クリックツアー」は、当社ホームページ内の特設ページから、24時間いつでも、誰でも、気軽に1クリックで当社施設の映像をご覧いただけます。安全性向上対策工事の進捗状況をお伝えできるように、映像は定期的に最新の状況に更新してまいります。

　引き続き、様々なツールを活用した情報発信に努め、皆さまが知りたい情報をタイムリーにお伝えし、地域の皆さまから信頼していただけるよう、「伝える」ではなく「伝わる」コミュニケーションを積み重ねてまいります。
　本日、私からは以上です。