定例社長記者懇談会挨拶概要
本日は「低レベル放射性廃棄物埋設センターの3号埋設施設の増設等に関する事業変更許可」、「設工認申請の対応状況」、「再処理工場の運転員による重大事故訓練」、「全社安全大会」の4点についてご報告させていただきます。
低レベル放射性廃棄物埋設センターの3号埋設施設の増設等に関する事業変更許可
低レベル放射性廃棄物埋設センターは、先週21日に原子力規制委員会より、3号埋設施設の増設等に関する事業変更許可をいただきました。
これまでご支援をいただきました青森県ならびに六ヶ所村をはじめ地域の皆さまに心より御礼申し上げます。
約3年にわたり審査会合で議論を重ね、数百年間の環境影響を考慮して、新たな水の浸入防止対策を講じることとしました。
現在、現場では多くの地元の企業の皆さまによる掘削作業を進めており、10月頃に埋設ピットの構築に着工したいと考えています。
安全を最優先に現場の工事を進め、審査で約束した内容をしっかりと反映させ、地域の皆さまにご安心いただけるよう、安全な施設を作り上げてまいります。
低レベル放射性廃棄物埋設センターの許可をいただいたことで、当社のすべての事業が東日本大震災の経験を踏まえて策定された新規制基準に適合したことになります。各施設の安全性は一層向上すると思っています。
長年にわたって当社事業を支えていただいている地域の皆さまへの感謝の気持ちを忘れることなく、地域とともに発展できるよう、当社、グループ会社、協力会社が一丸となって、安全を最優先に事業を進めてまいります。
設工認申請の対応状況
今週26日の審査会合では、使用前事業者検査ならびに耐震についてご説明しました。
使用前事業者検査については、既設のアクセス困難な機器や配管について、建設当時の工事記録などを、製作・施工会社も含めて調査・確認し、記録に基づく確認・検査が成立することをご説明して、概ねご理解いただきました。
耐震については、対象施設の入力地震動の算定にあたって、各建物・構築物の直下または近傍の地盤の特徴を踏まえた検討を行い、適切な地盤モデルを設定する方針をご説明し、ご理解をいただきました。
申請対象設備の明確化と分割申請計画の考え方については、膨大な設備を対象としており、時間をかけて整理してまいりましたが、それらのリスト化を進めているところです。来月の審査会合までに作業を終えて、しっかりご説明したいと考えております。
引き続き、電力の支援を受け、確実に対応してまいります。
ウラン濃縮工場については、今週26日に新規制基準の追加安全対策と新型遠心機への更新に関する設工認の認可をいただきました。
来月には、濃縮の設工認として最終回となる設備の耐震評価に関する第5回設工認を申請したいと考えています。
これまでに主要な安全性向上対策工事の認可を得ることができたと考えており、今後、六フッ化ウラン処理設備の耐震補強をはじめとした現場工事に取り組み、2021年度中の運転再開を目指してまいります。
再処理工場の運転員による重大事故訓練
次に、再処理工場のしゅん工・操業に向けた取り組みのひとつである「運転員による重大事故訓練」についてご説明します。お手許の資料をご覧ください。
運転員は、万が一の重大事故等に備え、事故の拡大を防ぎ、地域の皆さまへの影響をできる限り小さくするため、一年を通じて様々な訓練を繰り返し行っています。今月は運転員約350名が参加する訓練を行いました。
上の写真は、地震により外部電源や非常用ディーゼル発電機が使用できなくなった時に、汚染防護服や酸素呼吸器を装着し、設備の損傷状況やアクセスルートが使えるかの確認に向かう初動対応訓練の様子です。
下の写真は、水素爆発や蒸発乾固の重大事故が同時に発生することを想定し、放射性物質を建屋の外に出さないよう、空気の流れを遮断する弁・ダンパを閉止操作する拡大防止訓練の様子です。
万が一の際にも迅速、確実に対応できるよう、様々な事故を想定した訓練を日々積み重ね、より一層の安全確保に努めてまいります。
全社安全大会
最後に、「全社安全大会」についてです。
先月、当社業務の関係者による通勤途上の交通死亡災害を発生させてしまいました。
また、各事業ともいよいよ現場に軸足を移し工事が最盛期を迎える状況となっていますが、残念ながら私たちの職場では労働災害の発生は、ここ数年、まだまだ増加が続いている状況にあります。本年度もすでに6月末で7件の労働災害を発生させています。
このような状況のもと、今月2日に「全社安全大会」を開催し、当社およびグループ会社と協力会社88社、あわせて約300名が「業務、通勤、プライベートを問わず、常に交通ルールを遵守し、交通人身災害を決して起こさないこと」、「現場での基本ルールを遵守するとともに、現場で発見した不安全箇所は、速やかに是正し、労働災害を撲滅すること」をあらためて誓い合いました。
引き続き、地域の皆さまにご安心していただけるよう、「昨日よりも今日、今日より明日」と安全性を高める努力を怠らず、当社社員、グループ会社、協力会社が一丸となって取り組んでまいります。
本日、私からは以上です。