発表•お知らせ
2021年6月29日

定例社長記者懇談会挨拶概要

 本日は「低レベル放射性廃棄物埋設センターの3号埋設施設の増設等に係る審査の状況」、「設工認申請の対応状況」、「2020年度決算の概要」、「新型コロナワクチンの職場接種の実施」の4点についてご報告させていただきます。

3号埋設施設の増設等に関する審査の状況

 まず、「3号埋設施設の増設等に関する審査の状況」ですが、先週23日の原子力規制委員会で審査書案が了承されました。
 2018年8月に3号埋設施設の増設および1、2号埋設施設の変更に係る事業変更許可申請書を提出して以来、約3年審査会合で施設の新規制基準への適合性について議論を重ねてまいりました。
 現在は、審査書案に対する経済産業大臣への意見聴取が行われているところです。
 2017年にウラン濃縮事業、昨年は再処理事業、MOX燃料加工事業、廃棄物管理事業の許可、今回、埋設事業が許可をいただければ、当社すべての事業が新規制基準への適合性審査に合格することになり、大きな前進と受け止めております。

 いよいよ埋設事業も審査から現場へと軸足が移ることになります。お手許の資料①をご覧ください。
 現在、現場では3号埋設施設の準備工事を行っています。埋設地の面積は約4万m2あり、今年3月から地表面の約21m下にある岩盤上に埋設設備を設置するための掘削作業を行っています。準備工事では、10トンダンプ換算で約13万台の土砂を掘削、運搬しますが、現時点で約3万台分、地表から約6mまで掘り進めています。
 今後、許可をいただき、保安規定の認可を経て、本格工事を開始する予定ですので、是非ご取材いただければと考えています。
 審査で約束した設計を現場の工事に反映し、地域の皆さまにご安心していただける安全な施設を作り上げてまいります。

設工認申請の対応状況

 次に、「設工認申請の対応状況」です。
 昨日28日の審査会合において、使用前事業者検査の状況、申請対象設備の明確化や分割申請計画、耐震や飛来物防護ネットの健全性、航空機墜落火災といった個別の技術的論点をご説明しました。
 使用前事業者検査は、アクセス困難なセル内の2,251機器すべてについて、設計や製作などの記録を組み合わせた検査で健全性を確認できることをご説明しました。現地では、機器や検査の記録について、規制庁にもご確認いただいています。
 個別の技術的論点は、今までの指摘事項についてすべてご説明し、一部作業が残っているものの、概ねご理解をいただきました。申請対象設備の明確化や分割申請計画についても、来月には整理を終える予定です。
 第1回設工認申請書の本文や基本設計方針、補足説明資料などに記載すべき事項について、規制庁と共通認識を持つことができましたので、確実に反映する作業を進め、来月の審査会合で説明した上で、速やかに補正書を提出したいと考えております。
 引き続き、電力の支援を受け、しっかりと対応してまいります。

2020年度決算の概要

 次に、「2020年度決算の概要」についてご説明します。お手許の資料②をご覧ください。
 2020年度の「売上高」は、安全審査の合格により、耐震に係る評価・解析業務などが減少し、これを再処理事業の料金に反映したことなどにより収入が減少したことから、103億円減収の1,867億円となりました。
 「経常利益」は、業務効率化によるコストダウンや営業外収益の増加がありましたが、前年度に比べて38億円減益の49億円、「当期純利益」は、9億円減益の32億円となり、2020年度は、2017年度以来3年ぶりの「減収・減益」の決算となりました。
 引き続き、業務の効率化を進め、適切なコスト管理に努めてまいります。

新型コロナワクチンの職場接種の実施

 最後に、「新型コロナワクチンの職場接種の実施」についてです。
 当社は、これまでも様々な感染防止対策を講じてまいりましたが、5月31日以降、当社事業所構内の1つの事務所で、計10名の感染者が発生し、6月4日にクラスターの指摘を受けました。幸い、その後の感染の広がりは認められず、クラスターは収束したと判断しましたが、地域の皆さまには大変ご心配をおかけしました。あらためてお詫び申し上げます。
 クラスターの原因を特定するのは難しいですが、昼食時に一時的に密な状態で多くの方がマスクを外して食事をしていたことが一因であると推測しています。
 その後、昼食時間の分散、黙食の徹底など感染防止対策を強化・徹底していただき、さらに自主的なPCR検査等により、陰性であることを確認できた方から、18日より作業を再開しています。

 新型コロナウイルス感染症の収束のためにはこれまで講じてきた対策の継続と、感染拡大防止へ大きな効果が期待されるワクチン接種が重要であると考えています。
 お手許の資料③をご覧ください。
 当社は、職場での新型コロナワクチン接種を可能とする政府方針を踏まえ、当社で働くすべての方々の安全安心を確保するとともに、地域の負担を軽減し、接種の加速化に貢献するため職場接種を実施することとしました。
 7月12日から接種を開始する予定ですので、開始当日皆さまにご取材いただければと考えています。
 接種は、構内にある体育館にて、当社・グループ会社・協力会社約8,000人を対象に、再処理工場・ウラン濃縮工場などの運転や警備等で交替勤務を行っている社員や協力会社の方々を優先して行う予定です。
 医師1名と看護師5名の体制で1日最大300名の接種を予定しており、10月下旬までに全員の接種を終えたいと考えています。
 今後も、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止、早期収束に向けた取り組みを進めてまいります。

 引き続き、地域の皆さまにご安心いただけるよう、安全・安定操業に向けて当社社員、グループ会社、協力会社が一丸となって取り組んでまいります。

 本日、私からは以上です。