発表•お知らせ
2021年4月28日

定例社長記者懇談会挨拶概要

 本日は「設工認申請の対応状況」、「低レベル放射性廃棄物埋設センターの3号埋設施設の増設等に関する補正書の提出」、「労働災害ゼロに向けた取り組み」、「世界原子力発電事業者協会(WANO)によるレビューの実施」の4点についてご報告させていただきます。

設工認申請の対応状況

 まず、「設工認申請の対応状況」についてです。規制委員会でも議論になっていましたし、昨日の審査会合でもプライオリティーを上げるよう指摘のありました使用前事業者検査の対応方針について昨日の審査会合でご説明しました。
 今後、設工認が進めば現場で使用前事業者検査を行うことになりますが、過去に行ったアクティブ試験の影響でアクセスできない場所や既に躯体等でアクセスできない場所にある機器も含め、各設備・機器の検査方法を具体的に整理して、5月の早い段階でご説明したいと考えております。
 また、申請対象設備の明確化や分割申請計画の考え方については、大分時間がかかってしまいましたが、昨日の審査会合で法令や事業許可、規制委員会文書を踏まえ、設工認申請にあたって必要な事項を体系的に整理する考え方をご説明し、概ねご理解をいただきました。今後、しっかりと第1回申請の補正の準備を進めてまいります。
 個別の技術的論点についても、説明のロジックを整理し、根拠となるデータを補足説明資料という形でお示ししてまいります。
 使用前事業者検査の扱いやこれまでいただいたコメントに対する回答などが残っているため、当初5月に予定していた第2回の申請時期については、これらの審査状況を踏まえ再検討してまいります。
 引き続き、規制庁と課題の共通認識を持ち、電力の支援をいただきながら、全体工程に影響がないようしっかりと対応してまいります。

低レベル放射性廃棄物埋設センターの3号埋設施設の増設等に関する補正書の提出

 次に、「低レベル放射性廃棄物埋設センターの3号埋設施設の増設等に関する補正書の提出」についてです。
 2018年8月に事業変更許可申請を行い、先月議論が終了、先週22日にこれまでのコメントを踏まえた補正書を提出しました。今後、記載の適正化を図り、再度補正する予定です。
 審査は最終段階であると認識しており、引き続き審査合格に向けてしっかりと対応するとともに、現場では地表面の掘削等準備工事を進めてまいります。

労働災害ゼロに向けた取り組み

 次に、「労働災害ゼロに向けた取り組み」についてです。
 再処理工場をはじめとする各事業で様々な安全性向上対策工事が本格化しており、再処理工場本体用の冷却塔の新設工事では、地上から岩盤まで掘削し、人工岩盤の構築を3月下旬に完了しました。現在は基礎の部分の工事を行っています。
 これらの工事を安全最優先に行うことが計画通りに工事を進めることにつながるのですが、今年度に入り労働災害を2件発生させてしまいました。
 労働災害を撲滅するために、協力会社の皆さんと当社が心を一つにして、すべての現場から不安全箇所や不安全行為をなくすことを徹底してまいります。
 今月13日に開催した安全に関する会議では、62社の協力会社の皆さんとともに、安全確保のための良好事例や労働災害の再発防止対策を共有し、あらためて労働災害ゼロに向け取り組むことを確認しました。
 引き続き、当社と協力会社が一体となって、すべての仲間が安心して働ける安全な現場作りに取り組んでまいります。

世界原子力発電事業者協会(WANO)によるレビューの実施

 次に、「世界原子力発電事業者協会(WANO)によるレビューの実施」についてです。
 当社は、世界の原子力事業者の知見を活用し、更なる安全性の向上に取り組んでいくために2019年4月にWANOに加盟しました。
 今月12日から20日にかけて、再処理工場の安全性や信頼性をより向上させることを目的に、使用済燃料受入れ・貯蔵施設を対象として、WANOの専門家で構成される国際チームに我々の活動をレビューしていただきました。
 レビューでは、現場作業の観察や役員・社員へのインタビューなどを通して、世界の最高水準と比較しながら我々の強みや弱みを確認していただきました。
 その結果、良好事例としてお手許の資料の写真にもあるように、「煙を使用した実火災を模擬した消防訓練の実施」や「協力会社と一体となった労働安全向上のための取り組み」が挙げられました。
 一方、要検討事項として、「運転員が巡視点検で設備の不具合や予兆を発見できる感度の強化」「足場等の仮設設備設置時のリスクを考慮した工事管理の徹底」「防火設備の維持管理の徹底」といった指摘をいただいています。
 当社の再処理工場は、過去に使用済燃料を用いて試運転を実施し、現在は放射性物質を管理しながら建設を行い、しゅん工・操業に向けて現場環境や組織が変わりつつあるという特徴があります。このような特徴を持った当社にとって、今回のWANOレビューで挙げられた要検討事項は再処理工場のしゅん工までに改善すべきものであり、しっかりと取り組んでまいります。
 改善状況は、定期的にWANOにチェックいただき、今後皆さまにもお示ししたいと考えています。
 今回WANOから要検討事項として挙げられた項目のうち「巡視点検の感度強化」や「リスクを考慮した工事管理の徹底」は、2月から開始しているJANSIによる支援活動でも当社の解決すべき課題として抽出されており、まさに当社の弱みであると認識しています。JANSIやWANOの有する知見を積極的に活用し、弱みを徹底的に改善して再処理工場の更なる安全性と信頼性の向上につなげ、万全の状況で自信を持ってしゅん工・操業へと進めてまいりたいと思っています。

 引き続き、地域の皆さまにご安心いただけますよう、再処理工場の安全・安定操業に向け、当社社員、グループ会社、協力会社が一丸となって安全最優先で取り組んでまいります。

 本日、私からは以上です。