発表•お知らせ
2020年11月27日

定例記者懇談会社長挨拶概要

 はじめに、今月17日に発生させた二又川および尾駮沼への水中ポンプからの油圧作動油の流出について、地域の皆さまに大変ご迷惑、ご心配をおかけいたしましたことを深くお詫び申し上げます。
 現在、オイルフェンス等で流出を防止する措置を講じておりますが、二又川へ流出させた量は30リットル程度と評価しております。なお、油については、毒性はなく人体への影響はないものと確認しております。
 現在、吸着マットを用いて回収作業を進めておりますが、回収にあたっては漁業者の方々にもご協力いただき、大変感謝しております。
 今後、このようなことがないよう、今回の原因をしっかり究明し、油を漏らさない対策をとることとします。また、水中ポンプは、健全性を定期的に確認し、更に万一の対策として、水中ポンプを使用する際は、オイルフェンスを張るなどの処置を講じていきたいと考えております。

 また、昨日公表いたしましたが、当社で働く協力会社社員の方が新型コロナウイルスに感染していることが確認されました。ご本人の1日も早い回復を願っているところです。
 当社は、これまで3密回避、在宅勤務や時差出勤などによる人との接触機会の低減、web会議の活用による出張の削減、構内新規受け入れ者に対するPCR検査などの感染拡大防止対策を講じてまいりましたが、引き続き、保健所のご指導をいただきながら、更なる感染拡大防止対策を講じてまいります。

 本日は「安全性向上対策工事の進捗状況」と「設工認申請の準備状況」、「しゅん工・操業に向けたアクションプランの取組み状況」、「原子力規制委員会との意見交換」の4点についてご報告をさせていただきます。

安全性向上対策工事の進捗状況

 まず、「安全性向上対策工事の進捗状況」についてです。再処理工場の2022年度上期しゅん工に向け、現場では様々な工事が本格化してまいりました。今回は「再処理工場本体の冷却塔の工事状況」をご紹介します。お手許の資料をご覧ください。
 再処理工場本体の冷却塔は2系統あり、新規制基準の竜巻防護対策として、両方の冷却塔に鋼鉄製の飛来物防護ネットを設置することとしており、前処理建屋の屋上にある冷却塔「A4A」は、建屋の耐震性を考慮し、地上に新設することとしました。
 新設するエリアでは、飛来物防護ネットを支える基礎のうち「杭部」の施工や「地盤改良」を終え、11月から人工岩盤を作る部分の「掘削」作業を行っています。写真は現在の掘削状況です。
 年内に、地上から岩盤まで約20m掘削し、年明けからは、強固な岩盤上にコンクリートを打ち込んで人工岩盤の設置を進めていきます。
 引き続き、安全を最優先に工事を進めてまいります。

設工認申請の準備状況

 次に、「設工認申請の準備状況」ですが、現在、申請書の作成を進めており、12月には初回の申請を行う予定です。
 初回申請を、コンパクトな申請とすることで後続の事業全体の審査を効率的に進めていただけるよう、建物と機械電気設備で分け、建物はMOX燃料工場、機械電気設備は再処理工場本体の冷却塔を申請するといった考え方を、現在、規制庁へ説明しているところでございます。
 初回申請で建物としてMOX燃料工場を選んだ理由は、建物内に安全上重要な施設が設置され評価項目が多く、その後の建屋に関する申請のひな型にできること、また他の建屋から離れていて、他の建屋との相互影響を評価する必要がないことからMOX燃料工場を選定しました。
 機械電気設備として冷却塔を選んだ理由は、安全上重要な施設であり、評価項目が多く、その後の機械電気設備の申請のひな型にできることから、これを初回に申請することで検討しております。この冷却塔は「A4B」です。
 引き続き、電力の支援をいただきながら、設工認申請の準備に全力を尽くしてまいります。

しゅん工・操業に向けたアクションプランの取組みの進捗状況

 次に、「しゅん工・操業に向けたアクションプランの取組みの進捗状況」ですが、トラブル対応事例集を活用した地域の皆さまとのコミュニケーションについてご説明させていただきます。
 当社は、2004年のウラン試験や2006年のアクティブ試験開始時に、地域の皆さまへの理解活動の一環として、再処理工場の試験に伴い想定されるトラブルとその対応などについて取りまとめた事例集を作成しました。
 このたび、再処理工場のしゅん工・操業に向けて、この事例集を改定し、長期停止状態から運転を再開することに伴い想定されるトラブルへの備えや、過去に発生した工場の運営に影響を与えたトラブルへの備えを追加することとしました。あわせて、新規制基準に基づく重大事故対策を含む安全確保の取り組みについても別資料としてとりまとめました。
 本日より当社ホームページに掲載しますが、今後、地域の皆さまに、私どもの再処理工場についてご理解を深めていただけるように、住民説明会や訪問活動、視察会・勉強会などの機会にコミュニケーションのツールとしてこのトラブル対応事例集を活用していきたいと思っています。

原子力規制委員会との意見交換

 次に、先週18日に行われた「原子力規制委員会との意見交換」についてご報告します。
 当日は、操業に向けた当社の安全性と技術力向上の取組みについて、私の決意を述べさせていただきました。同席した池辺会長からは、業界一丸となって、必要なサポートを全面的に行っていくことを改めて発言いただきました。
 委員の方々からは、技術力の伝承と向上については他事業者との協力が欠かせないことや、アクティブ試験等の未経験者に対しての人材育成、自然災害に対する日常的な教育などについてご意見をいただいており、今後の活動にしっかりと反映させ、各施設の安全性向上対策および安全な操業に向けた取組みを確実に実施し、地域の皆さまにご安心いただける施設を作り上げてまいります。

 最後になりますが、今月11日に、六ヶ所村の戸田村長と髙橋議長から再処理工場の一日も早いしゅん工や地域経済活性化に対するご要望をいただいております。
 また、先週19日には、むつ市、六ヶ所村、大間町、東通村の4市町村長懇談会が開催され、下北全体として、当社を含めた各事業の一日も早い稼働、再稼働が地域経済についても重要であるとのお話をいただきました。

 長年にわたって当社事業を支えていただいている地域の皆さまへの感謝の気持ちを忘れることなく、地域とともに発展できるよう、私が責任をもって先頭に立ち、当社社員、グループ会社、協力会社が一丸となってしゅん工・操業に向けて取り組んでまいります。
 本日、私からは以上です。