発表•お知らせ
2019年12月25日

定例社長記者懇談会挨拶概要

 本日は、今年最後の懇談会となりますので、「新規制基準への対応状況」と合わせて、今年1年について振り返りをさせていただきたいと思います。

新規制基準への対応状況

 はじめに、「新規制基準への対応状況」についてです。
 プラント側の審査については、今月10日、17日、昨日24日の3回の審査会合で、最終補正書の前段となる整理資料についてご説明し、設計基準に関する項目についてはすべての項目の説明が終わり、大きな論点がないことを確認させていただきました。
 重大事故や技術的能力に関する項目についても、順次説明を行っておりますが、規制庁から資料の整合に対するご指摘などがありましたので、電力のご支援をいただきながら、年明けには、すべてご説明できるようにしっかりと対応してまいります。
 また、並行して最終補正書の準備も進めており、整理資料のご了解をいただき次第、速やかに提出したいと考えております。
 高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センターとMOX燃料工場の整理資料についてもほとんどの条文について提出しており、今後、審査会合でご説明してまいります。

 次に、地震・津波側の審査についてですが、先週20日の審査会合で、出戸西方断層の北端と南端評価について、追加で行ったボーリング調査や露頭調査によりデータを拡充し、これまでの当社の評価に変わりがないことをご説明、規制庁から概ね妥当な検討がなされたとの評価をいただきました。
 これにより、今年3月に規制庁から示された出戸西方断層の北端と南端の評価と八甲田山の火山灰の設計層厚の設定など、追加の確認を終えたため、年明けに全体の取りまとめを審査会合でご説明いたします。

 低レベル放射性廃棄物埋設センターについては、3号埋設施設の増設等に関する審査会合が今月18日に開催され、これまでいただいたコメントへの回答を概ねご理解をいただいております。
 年明けの1月には最終補正書を提出し、審査会合でご説明する予定です。
 このように、各事業の審査は最終盤を迎えております。引き続き、しっかりと対応してまいります。

1年の振り返り

 次に、今年最後の懇談会ということで、この1年について振り返りをさせていただきます。お手許の資料もあわせてご覧ください。

 まず、安全・品質向上への取り組みですが、今年1月に私が社長に就任して以来、「安全・品質向上」の取り組みを続けてまいりました。
 2月の原子力規制委員会との意見交換の場においても、再処理工場のしゅん工・操業に向けた、安全・品質向上の取り組みについてご説明しております。
 そして、4月には更なる安全・品質の向上を目指して、世界の好事例を吸収し安全性と信頼性を世界水準に高めることを目的にWANOへ加盟しました。
 また、品質保証大会や安全大会では、社員・グループ会社・協力会社の皆さんが一体となって、安全・品質の向上に取り組んでいくことを確認し合いました。
 7月には日本原燃が長期に亘り皆さまにご心配をおかけした保安上の一連の問題を踏まえ策定した事業者対応方針に基づく活動に一区切りをつけ、今後は日常業務として改善活動を定着させることとしました。
 しかし残念ながら、8月に発生させた再処理工場のウラン・プルトニウム混合脱硝建屋の第1排風機両系停止のトラブルは、未だリスクに気づく力が足りないなどの弱みがあることの表れであり、これを貴重な教訓として品質マネジメントシステムを日常業務に定着させ、組織全体に浸透させるよう継続的に取り組んでまいります。
 また、来年4月からは新しい規制のあり方として新検査制度も導入されます。
 当社としても、新たな検査制度に向けて、社内マニュアルの整備などの準備を進めてきました。
 新しい制度に求められる施設の保安を維持・改善するために自ら気づき、自ら改善を行うという自主性を発揮してまいります。
 これらの活動を通して、日本原燃は「昨日より今日、今日より明日」と日々成長・改善し、設備の安全性を高める集団になることができると確信しております。

 次に、新規制基準への対応ですが、先ほども申し上げたとおり、今年1年、各事業の審査に全力で取り組み、着実に前進したと考えております。
 規制庁の皆さまにも精力的に審査していただき、大変感謝しております。
 来年は、再処理工場、高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センター、MOX燃料工場、低レベル放射性廃棄物埋設センターすべての事業で、机上の審査から本格的な安全性向上対策工事へと軸足が現場に移る年となると思っています。
 すでに一昨年5月に審査が終了しているウラン濃縮工場も安全性向上対策工事や新型遠心機の更新を順次進めることになります。
 来年は、これら安全性向上対策工事に続く、試験、しゅん工、そしてその先の操業を見据えた基礎・基盤を固める年としたいと考えております。

 安全な操業のためには技術力の維持・向上が必須であり、毎年、継続的に重大事故対処訓練や要素訓練、全社防災訓練などを行っています。
 来年は、フランスのラ・アーグ再処理工場での運転員の操作訓練や東海村のJAEAでの ガラス溶融炉の運転操作訓練を実施し、しゅん工前の試験やその後の安全な操業を確実にするための備えを万全にしてまいりたいと考えています。

 ふれあいコンサートや地域におけるイベントにおいて、日頃の感謝をお伝えするとともに、当社事業についてご説明する機会をいただいてまいりました。
 また、ジュニアロボットコンテストや学校における放射線教室などは、次世代を担う生徒の皆さんに、原子燃料サイクルとあわせて、科学に対する興味や物づくりへの関心を持ってもらうきっかけになればと願っております。

 今年も地域の皆さまからのご理解・ご支援をいただき、事業を進めることができました。来年も地域の皆さまとふれあう機会をたくさん作ってまいりたいと考えております。
 当社の事業は地域の皆さまの信頼なくしては成り立ちません。
 現在も六ヶ所村で全戸訪問を行っていますが、一人ひとりが広報マンとしての自覚を持ち、「伝える」ではなく「伝わる」コミュニケーションを実践し、地域の皆さまから信頼していただけるように情報発信に努めてまいります。
 また、一人ひとりがプロフェッショナルとして安全を最優先に社員・グループ会社・協力会社が一丸となって仕事を進めてまいります。

 本日、私からは以上です。

以上