発表•お知らせ
2019年9月30日

定例社長記者懇談会挨拶概要

 本日は、「新規制基準への対応状況」と「運転員の技術力の維持・向上」の2点についてご報告させていただきます。

新規制基準への対応状況

 はじめに、「新規制基準への対応状況」についてです。
 プラントについては、今月11日と25日に再処理の審査会合が開催されており、7月3日と8月21日の原子力規制委員会において示された今後の審査方針に基づき、重大事故対策に係る管理放出や初動対応、航空機落下確率の再評価、竜巻防護対策の考え方などについて当社からご説明し、引き続きご説明するものもありますが、概ねご理解をいただけたものと思っております。
 次回の審査会合では、臨界事故における対策の有効性評価などについて、しっかりとご説明したいと考えております。
 次に、地震・津波の審査会合ですが、8月9日の審査会合では、出戸西方断層の北端・南端に係る追加調査の結果、出戸西方断層の長さが約11kmであること、南側の向斜構造の活動性がないことなど、当社のこれまでの評価に変更がないことをご説明しました。
 また、その際にいただいた一部データの拡充などのご指摘については、今月18日の審査会合でご説明しております。
 追加調査の結果については、今週10月3日から4日にかけて、原子力規制委員会の石渡委員をはじめ原子力規制庁の皆さまに現地調査においてご確認いただきます。
 現地調査では、2018年の活断層詳細デジタルマップが図示する出戸西方断層帯の北側の位置に断層は確認されなかったこと、南端の向斜構造の活動性がないこと、八甲田山の火山灰である甲地軽石の敷地内の層厚が43cmであることなどについて、現地で地形や露頭、採取したボーリングコアをご確認いただきたいと思っています。

 低レベル放射性廃棄物埋設センターの3号埋設施設の増設等に関する審査会合も8月26日に開催され、規制庁から1・2号埋設設備について許可を得ている期限までに覆土するよう求められましたので、現在その方法を検討しており、来月にはご説明したいと考えております。

 また、当社の再処理工場で発生する廃棄物を保管するための第2低レベル廃棄物貯蔵建屋の最大保管能力の向上については、7月30日に青森県ならびに六ヶ所村から事前了解をいただき、翌日に原子力規制委員会へ補正書を提出し、8月1日の審査会合で概要を説明しております。

 各施設の審査は、いずれも最終段階の確認が行われており、審査は着実に進んでいると認識しております。
 引き続き、審査合格に向けてしっかりと対応してまいります。

 一方、新規制基準に関する設工認についてですが、今月10日にウラン濃縮工場で3回目となる設備や建物の耐震補強等の申請を行い、先週25日に審査会合で内容を説明しております。
 再処理工場の設工認については、これまで4回申請し、残りは今年9月までの申請を予定しておりましたが、今行っていただいている審査の結果を反映し、準備が整い次第、速やかに申請したいと考えております。
 また、申請後の審査では、基本方針などの共通事項の説明を代表となる設備で行い、その後、個別の設備の特徴に応じた説明を行うといったような効率的な方法で、審査が円滑に進むよう努めてまいります。

運転員の技術力の維持・向上

 最後に、しゅん工に向けた様々な取り組みの一つである、運転員の技術力の維持・向上についてご説明します。お手許の資料をご覧ください。
 再処理工場は、2006年から実際の使用済燃料を用いたアクティブ試験を行い、約425トンを処理した運転経験があり、本格操業に向けた様々な技術を蓄積してきました。
 2008年のせん断・溶解等の設備の稼働停止以降、本格的な運転を長時間実施していないことから、しゅん工前の試験やその後の安定運転を確実に実施するため、これまでの技術の蓄積に加え、あらためて運転員の技術力の維持・向上に取り組んでおり、その一つとして、外部知見、外部レビューを活用することとしております。
 再処理工場の主要な工程は、フランスの技術を導入しているため、フランスのオラノ社から、ラ・アーグ再処理工場の運転に関する知見を持つ技術者に再処理事業所内に常駐していただいております。
 今年度は、前処理・分離・精製工程の起動・停止操作等に関し、延べ約540名の運転員に対して指導いただく予定です。
 今後は、ラ・アーグ再処理工場に約50名の当社の運転員を派遣し、運転経験を積ませることも予定しております。
 その他にも、同じフランスのメロックスMOX燃料加工工場や東海村のJAEAへの運転員の派遣、JAEAやメーカからのアクティブ試験経験者の招聘、経験者である当社OBの活用、JANSIによるレビューも予定しております。

 しゅん工前の試験やその後の安定運転を確実に実施し、地域の皆さまにご安心いただけるよう、社員の技術力の維持・向上のための人材育成をしっかりと進めてまいります。

 本日、私からは以上です。 

以上