発表•お知らせ
2019年4月26日

定例社長記者懇談会挨拶概要

 本日は、「新規制基準への対応状況」と、年度始めにあたり「今年度の重点的な取り組み」の2点についてご報告させていただきます。

新規制基準への対応状況

 はじめに、「新規制基準への対応状況」についてです。
 3月29日に、再処理工場、高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センター、MOX燃料工場に係わるプラントと地震・津波の審査会合が合同で開催されました。
 プラント側については、規制庁より航空機に対する防護設計や重大事故の事象選定の考え方などについて、確認事項が示され、今週23日に開催された審査会合において、確認事項すべてをご説明しました。規制庁からは、もう少し包括的に結論の背景も含めて改めて説明してほしいとのご指摘をいただきましたので、しっかりと取りまとめて再度審査会合でご説明したいと思っております。
 一方、地震・津波側については、出戸西方断層について、これまで当社が審査会合で説明してきた北端や南端を示す根拠と八甲田山の火山活動の評価などのデータ拡充を求められました。
 お手許の資料①、出戸西方断層の北端・南端のデータ拡充に係る地質調査の実施についてご説明します。
 A3資料の右の図をご覧ください。
 当社が評価している出戸西方断層を、赤い線で示しています。
 緑の点線は、2018年に東京大学出版会が発行した「活断層詳細デジタルマップ[新編]」が示す出戸西方断層帯です。
 出戸西方断層については、当社はこれまでボーリング調査やトレンチ調査等を行い、

  • 当該断層の長さが11kmであること
  • 出戸西方断層の南側の地下の向斜構造は古い構造であり、出戸西方断層と一連の構造ではないこと
  • 緑の点線で示すデジタルマップ上の出戸西方断層帯については、当社の地震動評価に影響を及ぼさないこと

 をこれまでの審査会合でご説明し、妥当との評価をいただいておりました。
 今回、3月29日の審査会合において、改めて当該デジタルマップが示す北側と、南側の地下の向斜構造のデータ拡充を求められました。
 当社としては、これまで審査会合でご説明した内容をより分かりやすく説明するために、地質調査を追加することとしました。
 具体的には、出戸西方断層帯周辺の北側の青の点線で囲った部分と南側の茶色の点線で囲った部分についてボーリング調査と地表地質調査を行います。
 今回の調査により得られるデータに、従来のデータを合わせて整理・評価することにより、審査会合での説明性の向上に努め、審査を円滑に進めていきたいと考えております。
 調査期間については、1~2ヶ月程度を予定しておりますが、必要なデータを入手し次第、取りまとめて、審査会合で説明してまいります。
 また、八甲田山の火山活動については、2018年9月14日の審査会合で、10万年前以降、当該火山の活動が比較的低調になっており、長期的に見ると終息してきているとの知見があることから、10万年前以降の火山活動を評価し、施設に影響を与えることはないということをご説明し、妥当と評価いただいておりました。
 今回、原子力発電所の火山影響評価ガイドを参考に、当該火山の最後の巨大噴火が発生した約40万年前以降の火山活動を評価するよう求められましたので、現在、既存のデータを整理しているところであり、準備が整い次第、審査会合でご説明したいと考えています。
 引き続き、施設の更なる安全性や信頼性の向上のため、全力で取り組んでまいります。

 次に、新規制基準に係わる設工認についてですが、3月29日にMOX燃料工場で3回目となる燃料集合体組立設備の設置等の申請、一昨日24日には、ウラン濃縮工場で2回目となるディーゼル発電機制御盤の更新等の申請を行っております。
 低レベル放射性廃棄物埋設センターの3号埋設施設の増設等に関する審査会合については、今週22日に、8回目の審査会合が開催され、当社からの説明を一通り終えることができました。今後、規制庁からいただいたコメント等について、しっかりと対応してまいります。

 次に、当社の現場の状況について、ご説明します。お手許の資料②をご覧ください。
 当社では、施設の安全性向上のため、様々な対策や工事を行っており、今月から定期的に現場の状況をご紹介したいと考えています。
 今月は、再処理工場における「アクセスルートの整備状況」をご紹介します。
 新規制基準の重大事故の対策では、多くの冷却水を必要とすることから、新たに20,000m3の貯水槽を2基設けるとともに、継続的に冷却等を行うため、敷地外の水源である尾駮沼や二又川から水を移送するためのアクセスルートを整備しています。
 尾駮沼Bルートは、今年1月に工事を完了し、尾駮沼Aルートは、今年の9月までに工事を完了する予定です。
 また、二又川のA、Bルートについては、今年の6月に着手を予定しており、2020年9月までに工事を完了する予定です。

今年度の重点的な取り組み

 次に、年度始めの4月2日に行った品質保証大会において、社員、グループ会社および協力会社社員に申し上げた「今年度の重点的な取り組み」についてご紹介させていただきます。
 まず、一つ目は、「安全を最優先に各事業を着実に進める」ということです。

  • 再処理工場、MOX燃料工場および高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センターについて、まずは安全審査の合格、また、ウラン濃縮工場も含め各施設の設工認申請、その後の安全性向上対策工事を着実に進めてまいります。
  • 低レベル放射性廃棄物埋設センターについては、1号、2号埋設の安全・安定操業、3号埋設の増設等に向けた安全審査の合格、その後の安全性向上対策工事を着実に進めてまいります。

 二つ目は、「当社、グループ会社、協力会社が一丸となって安全・品質を向上させる」です。
 不適合発生の未然防止および保安規定違反を起さないよう、安全文化醸成活動の定着化に努めます。
 また、来年度から本格運用が始まる新検査制度は、施設の安全性や安全意識の向上につながるものであり、円滑に運用ができるように準備を進めます。
 今年度は、これらにしっかりと取り組み、着実に事業を進めていく所存です。

 また、先週16日から18日にかけて、地域を知り、学ぶことで、地元への愛着を深めることを目的に、112名の新入社員全員が農業体験を行いました。
 新入社員からは、大変な作業で、農家の方の苦労を実感できたとの感想がありました。
 また、農家の方々からは、地域と触れ合うことができるこの活動を是非継続して欲しいとのお言葉をいただき、我々大変勇気づけられております。
 私どもの事業は、六ヶ所村の皆さまをはじめ、青森県の皆さまの信頼があって初めて成り立つものと考えております。
 当社は、地域の皆さまとの信頼確保のため、地域の活動に積極的に参加するとともに、引き続きタイムリーな情報公開を行ってまいります。
 当社社員全員が「一人ひとりが広報マン」となり、「伝わる」コミュニケーションの実践に取り組んでまいります。

 本日、私からは以上です。 

以上