発表•お知らせ
2018年1月23日

定例社長記者懇談会挨拶概要

 本日は、「事業者対応方針に基づく改善活動の取り組み状況」と「再処理工場の安全性向上のための取組み事例集」の2点についてご説明させていただきます。

事業者対応方針に基づく改善活動の取り組み状況

 まず、「事業者対応方針に基づく改善活動の取り組み状況」ですが、再処理工場につきましては、昨年11月から設備を管理下に置くための全数把握および状態確認を行っております。
 確認作業は一班あたり6~8名程度で、1日平均20班、総勢約600名体制で行っております。
 お手許に、先週18日に行った精製建屋内における現場確認の様子を撮影した動画や写真をお配りしておりますので、後ほどご覧いただければと思います。
 安全上重要な設備を含む部屋・エリアについては、昨年12月までに確認を終えております。
 安全上重要な設備以外の部屋・エリアについては、1月20日現在で屋内約64%となっており、屋内は今月中の終了を目指しております。
 屋外については、マンホールや排水ポンプ、消火栓等が対象となりますが、天候の状況等を踏まえ、順次確認する予定です。
 ウラン濃縮工場についても、1月20日現在で屋内約62%となっており、屋内は今月中の終了を目指しております。
 いずれも現時点において、設備の機能に影響をおよぼすような不具合は確認されておりません。
 これまでの現場確認を通じて、小さな変化にも気を配り、安全に影響があるような事象ではないか、1つ1つ確認していくことにより、現場対応者の感度や意識が培われつつあります。
 その結果、気づきや不適合の登録件数が、再処理工場、ウラン濃縮工場ともに約5倍に増えるなど、改善の効果が得られつつあると考えております。
 確認された気づきや不適合などについては、是正処置プログラムの中で適切に管理するとともに、「現場の気づきに係る判例集」を作成し、今後の運転員や保全員の教育に活用してまいります。
 さらに巡視点検を通じて、早期にトラブルの芽を摘み取っていくために、現場確認の成果を踏まえて、巡視点検すべき設備やエリアの見直しを行い、13のマニュアルを改定するなど、抜けのない仕組みを構築しております。

 これらの活動以外でも、保全、品質マネジメントシステム、職場風土の改善を着実に進めております。
 例えば、保全に係る体制の充実として保全に関する知見・経験等の強化のために電力各社から支援をいただくとともに、保全管理に関する教育なども実施してまいります。
 また、品質マネジメントシステムの改善として、品質保証に関する人材面の強化、保安規定要求事項に関する教育の実施、不適合や是正処置プログラムの改善などを順次進めております。
 職場風土の改善としては、各部門間や協力会社との対話活動も百数十回実施しております。
 これら事業者対応方針等でお示しした様々な取り組みを通じて、“マイプラント意識”が醸成されつつあり、今後も引き続き、改善活動に全力で取り組んでまいります。

再処理工場の安全性向上のための取組み事例集

 次に、「再処理工場の安全性向上のための取組み事例集」について申し上げます。
 当社は、2004年12月のウラン試験の開始前に、どのようなトラブルが想定されるのか、その対応はどうするのかなどについて、事前に地域の皆さまにご理解いただくため、事例集を作成しました。
 その後、アクティブ試験時においても事例を追加し、現在は新規制基準で追加された重大事故に対処する設備のトラブルなど、操業時におけるトラブルを追加する見直しを進めております。

 これ以外にも、雨水浸入やダクト損傷などの事象に加え、安全設計の強化事例や重大事故対策の事例についても追加しております。
 今後、操業に向けた教育の一つとして、原子力に関する人材育成の新たな拠点である青森県量子科学センターにおいて、本事例集を活用した当社や協力会社の研修も行う予定です。完成した際には、皆さまにもお知らせしたいと考えております。

 最後に、今年最初の記者懇談会ですので、一言申し添えさせていただきます。
 昨年末は、新規制基準への対応をはじめとする一層の安全性向上のため、大変厳しい判断ではありましたが、再処理工場とMOX燃料工場のしゅん工時期を変更することを決定いたしました。
 本年は、新しい工程のもと、しゅん工を確実に成し遂げるための歩みを力強く進める年にしたいと考えております。
 資源の乏しい我が国にとって原子燃料サイクルは、必要不可欠であり、エネルギー基本計画においてもその推進が明記されております。
 そうした極めて重要な使命を当社が担っているということ、また、それは地域の皆さまの信頼の上にはじめて成り立つということを改めて強く自覚し、引き続き安全最優先に全社をあげて取り組んでまいります。

 本日、私からは以上です。

以上