発表•お知らせ
2015年11月16日

記者懇談会挨拶概要

 本日は、再処理工場およびMOX燃料工場のしゅん工時期の変更について説明いたします。

 当社は、新規制基準への対応による一層の安全性向上のため、再処理工場のしゅん工時期を、これまでの「2016年3月」から「2018年度上期」へ、MOX燃料工場のしゅん工時期については、これまでの「2017年10月」から「2019年度上期」へ変更することとし、その内容について、先ほど青森県の青山副知事と清水県議会議長、六ヶ所村の戸田村長と橋本村議会議長にそれぞれ報告いたしました。
 あわせて、再処理とMOXそれぞれの事業変更許可申請書に記載し、先ほど、原子力規制委員会に提出いたしました。

再処理工場について

 それでは、お手許の資料の左上をご覧下さい。まず、再処理工場について申し上げます。
 これまでお知らせしているとおり、新規制基準への対応につきましては、一層の安全性・信頼性の向上につながるものとして全力で取り組み、2016年3月のしゅん工を目指してまいりましたが、審査に時間を要しており、その実現は難しくなっております。
 一方で、最近の再処理の審査では、設計基準について、一定のご理解をいただくとともに、重大事故対策につきましても、基本的な考え方や個別の対策を説明し、現在は有効性評価の審査も進んできております。さらに、耐震関係の審査も敷地内や陸域面を中心に概ねご理解をいただけたと考えられる項目が増えてきております。
 このような審査の状況を踏まえ、新規制基準への適合に必要と考えられる安全性向上に向けた多くの工事の中で、特に長期間に及ぶ主な工事案件及び工事期間などを検討した結果、一定の見通しを得ることができたことから、再処理工場のしゅん工時期を変更することとしたものです。

 具体的には、(1)主な工事案件、をご覧下さい。
 1つ目の緊急時対策所について申し上げます。現在の緊急時対策所は、新潟県中越沖地震を踏まえ、新規制基準の施行前に建設(平成23年7月完成)したもので、今後、万一、重大事故が同時発生した場合を想定し、約200人規模である現行の対策所を、さらに倍程度広く確保することで万全の対応を図ることといたしました。新設にあたっては、耐震性を考慮し、岩盤まで掘り下げた上で、建物を直接岩盤に支持させることとしております。
 2つ目の貯水槽について申し上げます。現在の貯水槽も新規制基準の施行前に建設したもので、今後、万一の重大事故対応として高レベル廃液を冷却することなどの水源とするため、緊急時対策所と同様、新たに直接岩盤に支持させて、十分な耐震性を確保したものを設置することといたしました。
 3つ目の耐震BCクラス配管等の補強工事につきましては、地震によって配管が壊れ、水や化学薬品が漏れ出すことによって、設備に影響を及ぼすことがないよう、耐震性を向上させるために実施するものであります。審査を踏まえ、内部溢水等に対する防護対象設備が多くなったことから工事物量が増加するものです。
 (2)しゅん工時期に示しましたように、これらの工事につきましては、今後2年半程度の期間を要する見通しですが、内部溢水対策として実施する緊急遮断弁の設置や竜巻対策などの工事についても、着実に進めてまいります。
 以上を踏まえ、今後の工事につきましては、まずは、安全を大前提に、合理化・短縮化に努めてまいります。一方、審査やそれに続く設工認等の手続きも必要であることなどを踏まえまして、新たなしゅん工時期を2018年度上期といたしました。

MOX燃料工場について

 次に、MOX燃料工場について説明いたします。
 資料左下をご覧下さい。MOX燃料工場につきましても、審査の状況を踏まえ、新規制基準に必要と考えられる設計変更などを検討した結果、しゅん工時期を変更することといたしました。

 具体的には、(1)主な設計変更案件、をご覧下さい。
 1つ目のグローブボックスの耐震Sクラス化については、MOXを粉末の状態で取り扱うグローブボックスについて、耐震クラスをBクラスからSクラスに強化いたします。
 2つ目の防火ダンパ等の新規設置については、火災が広がることを防ぐ対策を一層強化するために実施するものです。
 (2)しゅん工時期に示しましたように、MOX燃料工場は、建設の初期段階であり、現在実施中の建屋の建築工事に加え、これらの設計変更等を含む設備工事などに今後3年半程度の期間を要する見通しであります。
 以上を踏まえ、今後の工事につきましては、まずは、安全を大前提に、合理化・短縮化に努めてまいります。一方、審査やそれに続く設工認等の手続きも必要であることなどを踏まえまして、新たなしゅん工時期を2019年度上期といたしました。

 しゅん工時期を再び変更することになり、誠に心苦しく思っておりますが、新たな工程の実現に向けて、何よりも安全を最優先に取り組んでまいる所存です。
 申し上げるまでもなく、当社の事業は、「地域の皆さまの信頼によってはじめて成り立つ」ものであります。このことを常に念頭におき、新しい安全の姿を作り上げる取り組みと位置付け、引き続き全社をあげて万全の体制で取り組んでまいります。

以上