発表•お知らせ
2017年10月27日
報道関係各位
日本原燃株式会社

ウラン濃縮工場 補助建屋(管理区域外)における火災の発生の原因と対策について

2017年7月7日にお知らせした内容

 7月7日、13時37分、ウラン濃縮工場の補助建屋(管理区域外)において、当社社員がディーゼル発電機A点検中の試運転を行っていたところ、同発電機制御盤からの発火を確認しました。
 その後、公設消防が現場を確認した結果、14時02分に火災と判断され、同時刻に鎮火が確認されました。
 本事象による周辺環境への影響はなく、負傷者もおりません。

本日、原因および再発防止対策を取りまとめましたので、お知らせします。

原因

 調査の結果、焼損していた電磁接触器以外のディーゼル発電機本体、制御電源(端子、電圧等)、操作の方法等に異常や問題は確認されませんでした。
 電磁接触器については、引外しコイル付近および一部ケーブルの炭化を確認するとともにラッチ機構※1部が正常に動作していないことを確認しました。
 電磁接触器を分解調査した結果、ラッチ機構の引外し用のプランジャ※2が固着していたこと、引外しコイルの焼損が著しいことが確認されました。また、ラッチ機構を取外した状態では開閉動作に異常はなく、主接点を含め、内部の組立や部品の異常、異物のかみこみ等はありませんでした。
 このことから、開放指令によって引外しコイルへ通電されたものの、ラッチ機構のプランジャが固着により動かず(ラッチ機構が正常に「OFF」出来ず)、引外しコイルが連続通電状態になって過熱焼損し、最終的に引外しコイル断線に至ったと判断しました。
 ラッチ機構のプランジャが固着した原因として、異物の混入がなかったこと、これまでの長期間の使用(製造後28年)において異常がみられず、製品の構造や部品上欠陥ではなかったことから、長期間の使用によるプランジャの樹脂部品の劣化、スライド摩擦の増大により固着が生じたと考えられます。

  ※1ラッチ機構:接点を保持する機構のこと
  ※2プランジャ:電磁コイルの構成部品で、コイルの通電によって、動作する部品

当該品の処置

 ディーゼル発電機盤Aの焼損した電磁接触器については、7月19日~20日に新品(同一仕様品)への交換作業、制御盤の点検を行い、正常に機能することを確認しました。
 また、ディーゼル発電機A号機の健全性確認を7月21日~26日に実施し、正常に機能・動作することを確認しました。

再発防止対策

  • ディーゼル発電機盤Aの電磁接触器と同型を使用しているディーゼル発電機B号機の発電機盤について、8月9日に新品と交換し、8月21日に保安規定に基づく施設定期自主検査により健全性を確認しました。
  • 今後、長期間使用している部品について、メーカ推奨期間を考慮した交換周期を定めるなど、事業者対応方針に基づき点検・交換計画を策定し、管理を行います。
以上