発表•お知らせ
2017年10月31日

定例社長記者懇談会挨拶概要

 本日は、再処理工場における雨水の浸入やウラン濃縮工場におけるダクトの損傷等の問題に対する改善活動の取り組み状況について、ご説明させていただきます。

 はじめに、今月11日の原子力規制委員会において、雨水の浸入およびダクトの損傷については、保安規定違反と判定されるとともに、委員の皆さまから大変厳しいご指摘をいただきました。
 当社といたしましては、ご指摘を重く受け止め、この問題に対する改善活動を最優先に取り組むこととし、現在、安全審査を実施いただいております再処理工場、MOX燃料工場および高レベル廃棄物貯蔵管理センターの補正書の提出を当面先送りさせていただくことを表明しました。
 今月18日の青森県原子力政策懇話会および19日の六ヶ所村議会むつ小川原・エネルギー対策特別委員会においても、厳しいご指摘をいただいており、改めて大変重く受け止めております。
 今回の問題への対応と改善への取り組みについては、9月26日に原子力規制庁に「事業者対応方針」を提出しておりますが、その後、より確実に設備の全数把握を行うために、昨日、対応方針の改定をしております。
 現在は、新しい対応方針のもと全社一丸となって全力で取り組んでおります。

 それでは、改善活動の取り組み状況について、ご説明いたします。
 お手許の資料1をご覧ください。
 まず、再処理工場についてですが、非常用電源建屋の配管ピット内にある設備の全数把握および健全性確認を実施するとともに、保守管理計画を策定しました。
 また、再処理工場全体の約60万を超える設備についても、管理下に置いて継続的に維持・管理するために、建屋内は部屋単位で、屋外は区画単位で、様々な専門的視点で、全数把握と設備の状態の確認を進めております。
 安全上重要な設備を含む建屋等については、11月中の終了を目標に取り組んでおります。12月末までにはすべての設備の確認を終えることを目指します。
 なお、これらの活動に対して、9電力と日本原子力発電より支援をいただいております。
 3ページをご覧ください。
 今回、雨水の浸入があった非常用電源建屋の配管ピットへの浸入防止の恒久対策として、配管ピットおよびコンクリート蓋などへのコーキングの施工や、ピット周辺地盤のコンクリート舗装、さらには二重蓋の設置を10月30日までに完了しました。
 なお、今月21、22日に一部の箇所から雨水のにじみがあったことから、再度コーキングを実施し、水漏れ試験を行い、水漏れのないことを確認しております。
 また、志賀原子力発電所の雨水流入に係る貫通部の再調査については、調査計画を見直して、貫通部の直接目視やファイバースコープ等による調査を実施しており、12月末までに規制委員会へ報告する予定です。
 なお、これらの調査の中で、先般、残念ながら労働災害が発生しました。
 当社といたしましては、何よりも安全最優先に、より一層、現場の安全管理を徹底してまいります。

 次に、資料2をご覧ください。
 ウラン濃縮工場のダクトの損傷等に係る取り組み状況ですが、顕著な腐食があったダクト3箇所およびその他の錆・変色等を確認したダクト等については、本日交換を完了する予定です。4ページ、5ページには錆・変色等を確認したその他のダクトの補修状況の写真を示しております。
 また、ウラン濃縮工場すべての設備・機器について、再処理工場と同様に工場内外の現場にある全ての設備・機器を対象に範囲を広げ、調査を行っております。
 まずは、11月上旬までに計画を策定し、工場の屋外にある設備は11月末まで、工場内は12月末までの終了を目指します。

 次に、資料3をご覧ください。
 JAEA大洗事故の水平展開の問題点に係る取り組み状況ですが、訓練の実施・強化として、3ページの写真のとおり、フッ化水素の漏えい事象やMOX粉末による被災の対応訓練など、様々な訓練を実施しており、今後も継続して行ってまいります。

 次に、資料4をご覧ください。
 全社としての改善の取り組み強化について、黄色で示しておりますが、各事業部への「チェック責任者」の配置や、保安検査等の対外対応の心得の策定、2ページ目には、各事業部の活動をチェックするための、社内横断的な「全社監視チーム」を設置するなど、取り組んでおります。
 その他にも、現場の気づきを組織に伝えやすくするために、不適合情報だけではなく、気づきレベルの情報も取り扱うように、運用を改善しております。

 こうした改善活動の取り組み状況については、引き続きホームページに掲載するなど、広く情報発信してまいります。
 また、改善活動の現場の様子を皆さまにご取材いただければと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。

 最後になりますが、今回の改善活動を最優先課題として、私が先頭に立ち、最大限の危機感を持って全社をあげて取り組みを進めることで、地域の皆さまからの信頼回復に努めてまいります。

 本日、私からは以上です。 

以上