日本原燃

皆様からの主なご質問への回答

【再処理工場の意義について】
Q1. 福島第一原子力発電所事故が発生し、原子力発電所の危険性が明らかになりました。原子力発電所が停止し、また、高速増殖炉もんじゅが見直しされている中で、再処理工場はいらないのではないですか。(2011年11月の質問)
   
A1. エネルギー資源に乏しいわが国において、安定的に電力を供給するためには、原子力も含めたベストミックスが不可欠です。その中で再処理を進める意義、その必要性については、資源確保の面と環境保全の面から、大きく2つあります。
まず、資源確保の面では、原子力発電所の運転で使い終わった使用済燃料を再処理することにより、有用な資源であるウランやプルトニウムを回収することができます。回収されるウランやプルトニウムを軽水炉で利用するだけでも2割強のウラン資源の節約になります。
次に、環境保全の面では、使用済燃料を再処理せずに、直接処分した場合、貴重なエネルギー資源であるウランやプルトニウムなどをそのまま捨ててしまうだけでなく、天然ウランのレベルまで放射能の毒性が低下するのに要する時間は軽水炉燃料サイクルの1万年に対して約10万年と、さらに長い期間になります。
また、再処理し、高レベル廃棄物をガラス固化体とすることにより、使用済燃料を直接処分する場合に比べて体積が1/3から1/4に低減でき、処分場の面積も約半分から2/3に低減することができます。
更に、エネルギー問題を解決するためには、高速増殖炉の技術開発も必要であると考えます。開発を進めている日本原子力研究開発機構(JAEA)が持つ技術は世界のトップクラスであり、こうした技術や人材を今すぐに捨て去っていいかどうかは冷静に議論すべきであると考えます。
わが国が技術立国として、10年、20年先も一流国であり続けるためには、原子力は今後も一定の役割を担うべきであり、また、頼らざるを得ないと考えています。「原子燃料サイクル」の意義も決して変わるものではありません。
   
【ガラス固化体の製造本数について】
Q2. これまで六ヶ所村の再処理工場で作られたガラス固化体は何本ですか。 (2013年9月の質問)
   
A2. これまで346本のガラス固化体を製造しています。
   
【アクティブ試験について】
Q3. 六ヶ所再処理工場は、現在、アクティブ試験を行っているのですか。(2013年12月の質問)
   
A3. アクティブ試験は現在、最終段階にきており、2013年5月26日にガラス固化試験が終了し、安定してガラス固化体が製造できることを確認しました。当該情報については、5月27日にガラス溶融炉A系列におけるガラス固化試験終了として当社ホームページに公表しています。
   
【東日本大震災に伴う原子燃料サイクル施設への影響について】
Q4. 今回(2011年3月11日)の地震で、原燃の施設は大丈夫だったのですか。福島のような地震や津波が発生しても大丈夫なのですか。六ヶ所も福島第一原子力発電所のようなことにならないのですか。(2011年3月の質問)
   
A4. 当社施設は高さ55メートル、海岸から5キロ離れていますので津波の影響はなく、地震による施設への影響もありませんでした。また、停電による電源喪失時には非常用電源で対応しています。
   
【原子燃料サイクル施設の耐震性について】
Q5. 標高55メートルにあることから津波の心配はないとされていますが、再処理施設の耐震性はどうなっているのでしょうか。(2011年4月の質問)
   
A5. 六ヶ所村の再処理施設については、「発電用原子炉施設に関する耐震設計審査指針」(平成18年9月19日 原子力安全委員会決定)に照らして、施設の耐震安全性評価を実施しました。その評価結果については、原子力安全・保安院殿より、評価は妥当であるとの判断を頂き、また、2010年12月9日に原子力安全委員会より、原子力安全・保安院の審議結果は適切であるとの判断を頂いております。
この耐震安全性評価のうち、施設の耐震評価上、基準となる地震動(ゆれ)である基準地震動Ssの設定においては、最新の知見などを踏まえ特定震源による地震(プレート間地震、内陸地殻内地震、スラブ内地震)および震源を特定せずに策定する地震に基づく基準地震動Ssを策定することが求められており、最新の敷地周辺における活断層の調査結果や、最近の地震発生状況等を反映しました。
その結果、2006年耐震安全性評価(バックチェック)時の基準地震動Ssである、450ガル以内の評価結果となりましたが、さらに裕度を考慮し、評価上の基準地震動Ssを600ガルに引き上げ、2014年1月7日の事業変更許可申請書を国に提出しております。(ガルは加速度の単位、cm/s2)
なお、2011年3月11日に発生した平成23年東北地方太平洋沖地震時に、敷地の地下125mの位置(基準地震動Ssの設定位置に相当)において観測された地震動(ゆれ)の大きさは約25ガルでした。
   
【非常用ディーゼル発電機について】
Q6. 非常用発電機は何台あるのですか。また、それ以外の設備は用意されているのですか。(2011年4月の質問)
   
A6. 非常用発電機は再処理工場に5台、高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センターに1台、濃縮埋設事業所に2台の計8台あります。また、電源車は3台保有しています。
   
【電源確保に係る作業時間について】
Q7. 原燃のホームページにある「福島第一原子力発電所の事故を踏まえた再処理施設の安全対策」には、「電源車による電力供給(最長でも16時間以内で対応)」と書かれていますが、なぜそんなに時間がかかるのですか。(2012年1月の質問)
   
A7. 電源車からの給電については、設備への給電確認や起動操作といった作業が必要であり、また夜間や冬季などの事情発生時の状況の違いなどを考慮して、16時間以内に機能回復のための作業を実施することとしています。
   
【高レベル廃液の沸騰について】
Q8. 高レベル廃液が沸騰したらどうなるのですか。(2012年1月の質問)
   
A8. 高レベル放射性廃液の冷却機能を失った状態が続くと、廃液の沸騰・蒸発が進み、放射性物質が放出される可能性があります。当社は従来から、冷却に必要な電源や冷却水等を確保するとともに、冷設備の二重化等の安全対策を講じています。さらに、万が一これらがすべて機能しなくなった場合に備え、新規制基準を踏まえた発生防止・拡大防止・影響緩和の観点から重大事故対策を講じます。
   
【貯槽等での水素発生について】
Q9. 貯槽等で水素が発生したらどうなるのですか。福島のようにならないのですか。(2012年1月の質問)
   
A9. 当社の水素発生は、福島第一原発のように1,000℃前後の高温下での水-ジルコニウム反応により大量の水素が発生するわけではなく、水の放射線分解によって水素と酸素のガスになることにより発生するため、発生のメカニズムが大きく異なります。(福島:ジルコニウムと水の反応、当社:放射線分解)
水素発生量については、当社工場全体で1日に百数十グラムであり、福島の事故と比較して極めて小さいため、福島第一原子力発電所で起こったような状況にはなりません。
なお、安全圧縮空気系により水素掃気用の圧縮空気を供給して、水素の滞留を防止する設計にしています。安全圧縮空気系の空気圧縮機は多重化しており、仮に空気圧縮機1台が故障しても水素掃気が可能です。安全圧縮空気系への電源は、通常は外部電源系統より給電していますが、外部電源系統(2系統)が停電した場合には非常用所内電源系統の非常用ディーゼル発電機(2系統)が自動起動し、この非常用ディーゼル発電機より給電されるようにしています。
また、さらなる安全対策として、エンジン付空気圧縮機1台を設置したことで、3台ある空気圧縮機が全台停止した場合でも電力を使わず圧縮空気を供給することができます。
   
【再処理工場での配管について】
Q10. 再処理工場の配管はむき出しになっているのですか。(2012年1月の質問)
   
A10. むき出しの配管もありますが、安全上重要な配管は強い地震に耐えられるように対策を施しています。
   
【使用済み燃料の貯蔵量について】
Q11. 原燃には原子力発電所の何基分の燃料が貯蔵されているのですか。これからもっと増えるのですか。(2011年3月の質問)
   
A11. 貯蔵されている使用済燃料は原子力発電所の約30基分に相当します。なお、使用済燃料貯蔵プールは貯蔵容量が3,000トンですので、使用済燃料を再処理しながら順次受け入れることになります。
   
【使用済み燃料プールについて】
Q12. 地震等により、使用済燃料プールの水がなくなった場合に燃料が溶けて施設周辺に放射性物質が出されることはないのですか。(2011年5月の質問)
   
A12. 再処理工場の使用済燃料プールについては、冷却機能喪失を防ぐために多重の安全対策を講じています。具体的に、外部から受電できなくなった場合は、非常用ディーゼル発電機(2台)で電源を確保します。また、非常用ディーゼル発電機が全て止まった場合は、敷地内にある貯水槽等の水を消防車や可搬式消防ポンプを使って注水することとしています。
 ※当社ホームページのトップ画面にある「福島第一原子力発電所の事故を踏まえた再処理施設の安全対策について」を参照下さい。
   
【放射線量の測定について】
Q13. 放射線量の測定はしてもらえるのですか。(2011年4月の質問)
   
A13. 現在、当社では、当社事業に係る関係者以外の放射線量の測定は実施しておりません。
   
【原子力災害に係る補償について】
Q14. 福島原発で発生しているような対処不能な事故に陥り、放射能汚染を引き起こした場合の青森県、日本、近隣国への補償についての考えをお聞かせください。(2011年5月の質問)
   
A14. 当社としては、そのような事故を起こさないよう安全対策に万全を期す考えであります。原子力施設の事故に伴う補償については、一義的には原子力損害賠償制度に基づき、進められることになっています。
   
【再処理工場から放出される放射性物質について】
Q15. 再処理工場が運転するとクリプトン85やトリチウムなどが大量に出るという話を聞きましたが、大丈夫なのですか。(2011年6月の質問)
   
A15. 再処理工場が運転を開始するとクリプトン85やトリチウム、炭素14等を放出しますが、できる限り放射性物質を除去した上で、大気や海洋へ放出します。
放出に起因する線量は1年間の気象海象条件に基づく拡散・希釈等を考慮して、年間0.022ミリシーベルトと評価されています。これは自然放射線による線量(年間2.4ミリシーベルト)の100分の1程度です。
放出にあたっては十分な拡散・希釈のできる高さ約150メートルの主排気筒、沖合3km、水深44mの海洋放出管から放出します。
※当社ホームページのトップ画面にある「放射線について−放射線QAシリーズ」を参照下さい。
   
【モニタリングの放射線加重係数について】
Q16. モニタリングのページに記載されている放射線加重係数が0.8ですが、1ではないのでしょうか。0.8とした根拠を差し支えなければ教えてください。(2011年5月、6月、2014年5月の質問)
   
A16. 原子力安全委員会が定めた『環境放射線モニタリング指針〔2008年3月(2010年4月一部改訂)〕』では、実効線量の推定値を求める際の係数を0.8(「緊急事態発生時の場合」は1.0)としております。
これに基づき、当社ホームページでは、一般的な環境条件である0.8を記載しております。
   
【モニタリングの検出限界値について】
Q17. ホームページの「環境モニタリングの放出状況」にND(検出限界値)とありますが、値はどのくらいなのですか。(2011年10月の質問)
   
A17. 検出限界値の数値については、それぞれの核種で定量下限値があります。詳しくは、青森県の「原子燃料サイクル施設に係る環境放射線等モニタリング実施要領」に記載されています。(青森県庁のホームページをご覧下さい。)
※定量下限値とは、ある分析方法で分析種の定量が可能な最小量または最小濃度の値のこと。
   
【放射性物質の取り扱いについて】
Q18. 放射性物質(硝酸トリウム、酢酸ウラニル、二酸化ウラン)が見つかったのですが、原燃で引き取ってもらえないのですか。(2011年5月、10月、12月の質問)
   
A18. 当社では全国の原子力発電所からの低レベル放射性廃棄物(ドラム缶)を受け入れており、そのような放射性物質は受け入れていません。また、そのような放射性物質の処分は当社では行っていないため、原子力規制委員会原子力規制庁原子力防災政策課事故対処室にお問合せください。
(原子力規制委員会リンク先:管理下にない放射性物質を見つけたら)
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/science/anzenkakuho/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2013/02/08/1261275_01_1.pdf
   
【再処理工場の建設費について】
Q19. 当初、再処理工場の建設費は7600億円でしたが、現在は2兆1900億円になっています。3倍近くにまで膨張した理由を教えてください。(2012年8月の質問)
   
A19. 再処理工場の建設費の増加は、航空機落下衝突対策、耐震性確保対策、放出放射能量低減・保障措置対策等による設備の増加、物価上昇、工程変更に伴う人件費・その他経費の増加、などが主な要因です。
   
【MOX工場の建設について】
Q20. 国でのサイクル政策の結論が出ていない中、なぜMOX燃料工場を、建設するのですか。(2012年4月の質問)
   
A20. 資源小国のわが国にとっては、原子力による発電により、既に発生している使用済燃料を再処理して、プルトニウムを回収し、資源として有効活用することは極めて重要と考えています。
そのために、プルトニウムを発電設備で燃やすための道筋を着実につけておく必要があります。
また、MOX燃料加工事業の長期間の作業中断は、技術力の低下にもつながることから、現時点から着実に計画を進めておくことが重要です。
   
Q21. MOX工場のしゅん工時期を変更したようですが、いつからいつへ変更したのですか。また工費はどれくらいなのですか。(2014年4月の質問)
   
A21. 2010年10月28日からMOX燃料工場の建設工事を開始(着工)し、その時は2016年3月のしゅん工を見込んでいましたが、震災影響による工程遅延や設計変更により、2017年10月にしゅん工を変更しています。また、工事費も1900億円から2100億円に変更しています。