再処理工場 高レベル廃液ガラス固化建屋 非常用無停電交流電源装置の1台故障について
2013年9月9日にお知らせした内容
2013年9月8日(日)、再処理工場 高レベル廃液ガラス固化建屋の2系統ある非常用無停電交流電源装置及び当該電源装置に接続されている制御設備のうち、1系統の非常用無停電交流電源装置※1(B系統:管理区域外)について、警報が発報し、現場確認を行い6時23分に故障であると判断しました。
なお、当該の非常用無停電交流電源装置に接続された設備については、外部電源から給電され正常に動作しており影響がないことを確認しております。
また、もう一方の非常用無停電交流電源装置(A系統)及び当該電源装置に接続されている制御設備については、正常に機能していることを確認しております。
本事象による環境への影響はありません。
- ※1 非常用無停電交流電源装置:
外部電源から制御設備への給電または外部電源喪失時にバッテリーから制御設備への給電を行うための電源回路
原因及び再発防止対策
その後、本事象が発生した原因について調査を行ってまいりましたが、原因及び再発防止対策を取りまとめましたので、お知らせいたします。
原因
警報制御を行う基板の外観精密確認において、CPU※2の接触部に微小な異物を確認し、その状態で再現試験を実施したところ同様な事象が発生したことから、当該電源装置の故障が発生した原因は、「直流/交流変換ユニット」(非常用無停電交流電源装置のバッテリーからの直流の電気を制御設備へ給電するために交流の電気へ変換する装置)の制御基板のうち、警報制御を行う基板上のCPUのピン部に接触不良が発生したことにより、直流電圧、非常用無停電交流電源装置出力電圧などのアナログ/デジタル変換に異常が発生したものと推定しました。
今回の接触不良については、メーカにおける基板の製造過程での品質管理(温度・湿度・塵埃・静電気に対する対策)及び、基板の出荷前検査(外観検査(ゆがみ・反りがないことの確認)、故障検出機能等の基本機能検査)、受入検査(数量検査、外観検査)において問題がなかったこと、更に当社施設への設置後の当該電源装置の使用環境についても適切であったことから、品質管理を行って管理されている状況下において、製造過程における微小な異物による、極めて低い確率で発生した初期故障であると考えています。
- ※2 CPU:
演算処理を行う装置。ピンを介して基板に接続される。
再発防止対策
製造過程でCPUのピン部に接触不良が発生する可能性を低くするために、メーカの基板の製造過程における品質管理の更なる充実として、以下の対応の実施を技術連絡書(契約先メーカに対して技術的な指示事項や連絡事項を通知する場合に用いる文書)を用いて要求します。
- CPUを基板に取り付ける前に絶縁物等の異物が付着していないことを光学顕微鏡による観察にて確認する。
- 基板出荷前に、打振試験と同様の状態を確認するために加振試験を実施(出荷する製品を再現試験で行ったようにゴムハンマー等で打振することは製品管理上困難なため、打振と同じ効果が確認できる方法として基板に振動を加える加振試験を採用)し、異常動作が起きないことを確認する。