発表•お知らせ
2023年6月23日

定例社長記者懇談会挨拶概要

 本日は、「設工認の対応状況」、「2022年度決算」、「メロックスMOX燃料工場へのエンジニアの派遣」、「ジェイテックにおけるマニピュレータ操作技術競技大会」の4点について、ご報告させていただきます。

設工認の対応状況

 まず、「設工認の対応状況」です。
 今週20日の審査会合では、再処理の建屋と設備の耐震評価の前提となる地盤モデルの検討方針などについてご説明しました。
 これまでの地盤モデルの検討では、入力地震動を策定するにあたって、新規制基準の施行以前に認可された申請地盤モデル、いわゆる平均地盤モデルをそのまま適用できると考え、その後に得られたデータを踏まえた確認等が不十分でした。
 これまでの審査会合の議論を踏まえ、まずは客観的な視点に基づいてデータを整理しなおすこととしました。
 具体的には、申請地盤モデルで用いたデータを拡充し、地盤モデルの設定に影響を与える4つの因子についてそれぞれ検討を行い、「基本地盤モデル」を作成することとしました。
 その後、基本地盤モデルと申請地盤モデルとの比較を行い、その違いを整理したうえで、申請地盤モデルによる入力地震動の取り扱いについて確認していきます。
 規制庁から、地盤モデルの検討の進め方についてご理解をいただけたことから、データの丁寧な分析・考察を行い、しっかりと技術的に説明できるよう、準備を進めていきます。
 引き続き、一日も早いしゅん工に向けて、オールジャパン体制で審査に取り組んでまいります。

2022年度決算の概要

 次に、「2022年度決算の概要」についてご説明します。お手元の資料①をご覧ください。
 2022年度の「売上高」は、再処理工場の設備点検費用を、料金に反映したことなどにより、前年度に比べて40億円増収の1,901億円となりました。
 「経常利益」は、電気料金の高騰などにより、19億円減益の44億円、「当期純利益」は、17億円減益の31億円となり、「増収・減益」の決算となりました。
 詳細については、この懇談会が終了した後、担当の者から説明させていただきます。
 引き続き、安全と品質の確保を最優先に、安定した事業運営に努めてまいります。

メロックスへのエンジニアの派遣

 次に、「メロックスへのエンジニアの派遣」です。お手元の資料②をご覧ください。
 当社は、今年4月から、MOX燃料工場として世界で唯一商業運転をしているメロックス工場に、将来の当社MOX燃料工場の要となるエンジニア2人を派遣しています。
 MOX燃料工場は、プルトニウムを取り扱うこと、ウランとプルトニウムという2つの物質を混ぜて燃料を製造することから、ウラン燃料工場とは異なる生産管理、品質管理の技術が求められます。
 こうした、MOX燃料工場独自の管理方法に精通し、工程全体を俯瞰した指示・判断ができる人材を育成するため、実際に稼働しているメロックスに派遣することとしました。
 真ん中の写真は、派遣したエンジニアが、制御室で現場への粉末調整の指示の出し方を確認したり、現場でペレット焼結炉の稼働状況を確認している様子です。
 派遣から3ヶ月が経ち、社員からは、「品質の高い燃料を製造する条件を決定し、各工程でその製造条件を逸脱しないよう適切に管理するための勘所を学んでいる」といった報告を受けています。
 稼働しているメロックスでしかできない貴重な経験を通じて幅広い知見を習得し、工場の安全・安定操業のためには何をすべきかを常に考えるエンジニアに育ってもらいたいと思っています。
 引き続き、MOX燃料工場の安全・安定操業に向け、技術力の維持・向上を図ってまいります。

ジェイテックにおけるマニピュレータ操作技術競技大会

 最後に、「ジェイテックにおけるマニピュレータ操作技術競技大会」です。
 この大会は今週21日、22日に初めて開催し、ジェイテック、日本原子力研究開発機構、日本核燃料開発株式会社、フランス・オラノ社、当社から16名が参加しました。
 当日は、再処理工場内の放射線量が高く、人が立ち入れない場所に設置されている機器を遠隔で操作する「マニピュレータ」を使い、制限時間内にマネキンに防護服を着せる競技などを行いました。
 私も会場で大会を観戦し、選手の皆さんが真剣な眼差しで競技に挑んでいる姿を見ることができました。
 競技の中では、防護服に傷がつかないように気を付けながらマニピュレータを扱い、素早くマネキンに防護服を着せるなど、日々の訓練や現場で磨いた技術を存分に発揮していました。
 マニピュレータが人の手と思えるくらい、巧みに操る姿は大変頼もしく感じました。
 競技を通じて技術を競わせ、切磋琢磨していくことはもとより、大会をきっかけに国内外の技術者同士が意見交換し、互いの知見を共有できる貴重な機会となり、大変有意義な大会だったと考えています。
 今後、原子力事業者に限らず、様々な業界の方にも参画いただき、この大会を発展させ、技術の向上に結び付けていきたいと考えています。
 引き続き、再処理工場のしゅん工、操業に向けた技術力の維持・向上を図り、地域の皆さまにご安心いただける施設を作り上げてまいります。

 本日、私からは以上です。